艦本式艦艇用溶融塩原子炉


概要

 艦本式艦艇用溶融塩原子炉は、日本連合帝國軍の大型艦艇で使用されている原子炉形式。燃料に弗化ウラン溶融塩を用いる黒鉛減速型熱中性子炉であり、日本式トリウム溶融塩原子炉の派生型である。艦艇の動力炉としては加圧水型原子炉も有望視されていたが、初期の加圧水型原子炉の致命的欠陥である循環ポンプの騒音が許容し難く、また構造上揺動に弱い点を問題視された結果、本形式が採用された。第一世代から第四世代までの4種類ある。艦体寿命にほぼ等しい炉寿命で運用が可能な他、負荷追随能力にも優れ、燃料の無駄が少なく、第三世代以降は超臨界圧炭酸ガスタービンの採用により、更なる小型化に成功している。

第一世代

 第一世代の艦本式艦艇用溶融塩原子炉は、日本式トリウム溶融塩原子炉の燃料から強力なγ線の遮蔽が大変なトリウムを除き、全てウランやプルトニウムに転換しただけのものと言っても差し支えない。ループ型炉であり、1950-1970年代にかけて製造された。

第二世代

 第二世代の艦本式艦艇用溶融塩原子炉は、ループ型炉から半一体型炉となりプラントがより小型化され、1970-1990年代にかけて製造された。

第三世代

 第三世代の艦本式艦艇用溶融塩原子炉は、更なるプラント全体の小型化を目指し、従来の蒸気タービンに代えて超臨界圧炭酸ガスタービンを採用した。この結果、タービンが小型化された一方で遮蔽構造を二重化したため、安全度は増したが原子炉本体の重量は増加した。1990-2020年代にかけて製造された。

第四世代

 第四世代の艦本式艦艇用溶融塩原子炉は、第三世代型に改良型日本式トリウム溶融塩原子炉の構造を取り入れたものである。強烈な放射線を放つ燃料溶融塩ではなく、減速材を兼ねるただの溶融塩を熱輸送体として用い、原子炉本体の外に置いた熱交換器で超臨界圧炭酸ガスを過熱する。プラント構造が複雑化し、保守性と重量の点で第三世代に対して不利になったものの、中性子経済と安全性の点で勝るため、全体では相殺していると言える。

最終更新:2011年12月13日 19:58