犬神に似た術
名称不明
2009年4月25日2chオカルト板に投稿 情報提供者:太郎丸
115 :太郎丸 ◆5yPhMuNAGM :2009/04/25(土) 23:17:54 ID:zlFhmTmi0
では、渋る友人をバナナで買収して聞き出したお話でも。
まず最初に、犬神を知らないって人はいるか?
知らない人のために、簡単に説明させてもらう。
犬神というものは、血筋に憑く犬霊の憑き物のことだ。
作り方は何種類かあるが、今回の話に関わるものだけを記す。
犬を頭だけ出して生き埋めにし、その前に餌を置く。
餓死する時にその首を切ると、頭は飛んで餌に食いつく。
これを焼いて骨とし、器に入れて祀る。すると永久にその人に憑き、願望を成就させる。
また犬神は血筋から離れることがないため、その血筋は犬神筋として忌み嫌われる。
人間や牛馬に憑依する場合もあり、性格の変化や手足の痛みを訴えるようになる、と。
大雑把な説明だが、今回はこれだけあれば充分だ。
116 :太郎丸 ◆5yPhMuNAGM :2009/04/25(土) 23:18:42 ID:zlFhmTmi0
友人の家は、三代前に没落するまで、笑うしかないほどの大富豪だった。
それほどまでに家が栄えていた理由こそが、友人の家に伝わる犬神に酷似した術だ。
酷似しているということは、異なる点があるということ。
犬神は犬霊を用いるからこその犬神だが、その術では人間を使うとのことだった。
昔は口減らしなどの事情もあり、人間、特に子供の売り買いは珍しいものではなかった。
友人の家でも、その筋の商人から子供を買っていたそうだ。
買われた子供は座敷牢に閉じ込められ、満足に食事も与えられない。
拷問のような仕打ちを受け、衰弱し切ったところで首を刎ねて殺す。
体は土に埋め、首は灰にして壷に入れる。
その壷がある限り、子供の霊は願いを叶え続けるというものだ。
友人は、まるで座敷童子を人工的に作るような術だ、と語っていた。
117 :太郎丸 ◆5yPhMuNAGM :2009/04/25(土) 23:19:59 ID:zlFhmTmi0
そして三代前。くだんの壷が盗まれるという事件があった。
すると事業は傾き、借金の保証人になっていた相手が次々と蒸発。
当主は精神を病んで首を吊り、どん底の生活が始まったという。
祟りと言えば祟りなんだろう、と友人は他人事のように言う。
とまあ、以上が友人から聞き出した話だ。
友人は死んだ祖母から聞いたとかで、信憑性はそこそこ。
最終更新:2010年05月23日 00:38