いったいどうしてこんなことになってしまったのか。
「さっさとしなさいよ、キョン」
この状況でどうしろと言うんだ?
「それとも私の青眼の究極竜に怖気づいたのかしら?」
お前のじゃない、俺のだよ!
「勝てないならターンを終了しなさい、降参は認めないわ!」
無視かよ、しかも降参禁止ときた。は~、どうしたものやら。
涼宮ハルヒの召喚
さて、事の発端は2週間ほど前に遡る。その日も俺は授業が終わると部室に来ていた。奥にはこの部屋の備品と化した長門が、いつものように分厚く小難しい本を読んでいる。
「おや、涼宮さんは一緒じゃないんですか?」
ああ、古泉もいたのか。爽やか過ぎて気が付かなかった。むしろ無視していた。しかし、俺がハルヒとセットでなきゃならん理由があるのか?
「ええ、あなたは涼宮さんに選ばれた…それが理由です。」
理由にならねえよ。まあハルヒなら待ってればそのうち来るだろ。
「ならそれまでの間…お相手してもらえますか?」
そういって古泉はデッキを取り出す。どうでもいいが、喋り方がいちいち気持ち悪い。
「今日は負けませんよ。」
その台詞は聞き飽きた。1回ぐらい勝って見せろ。
「じゃあ、僕のターン」
いきなり俺ルールかよ!まあ、先攻を取られたぐらい別に気にしないけどな、と余裕を見せる。
「ダイヤモンドガイを召喚、効果発動…残念、モンスターでした」
こいつのダイヤモンドガイの効果が成功したのを見た事ないな。超能力でなんとかしないのか?
「残念ながら、そんな力は使えません。ターン終了です。」
では俺のターン、ドロー!手札は、うわ、全部モンスターかよ!これは今日こそ負けるかもしれん。
などと考えていると
「遅れてすみません!」
と言う声と共に俺の勝利の女神、朝比奈さんがやってきた。残念だったな古泉、朝比奈さんの着替えが終わるまで中断だ。そう言って俺は部屋から出る隙に、こっそり手札を引き直そうとしたが
「ズルはダメ…」
お前が言うのか、長門。だがたしかに決闘者のプライドを傷つけるので、引き直しはやめておいた。まあ、本当は朝比奈さんが「そんなことするんですか?」みたいな目で見つめてきたからなんだが。
その後の決闘の結果は俺の圧勝。ふぅん、HEROも所詮は人間、ドラゴンには勝てなかったという事だ。
「いやあ、もう少しで勝てそうだったんですけどね。」
その台詞も聞き飽きた。そもそも、俺のライフ8000のまま減ってないんだが。
「へ~、こんな可愛いカードもあるんですね~」
朝比奈さんが俺のカードを見ながらそんなことを言っている。いや、クリッタ―は微妙だと思いますよ?
「よかったら、カードをあげましょうか?そうすれば彼と一緒に遊べますよ」
まて古泉、それはお前の2軍「萌えデッキ」じゃないか!
ん、視線を感じる。なんだ長門、お前もカードが欲しいのか?
「必要ない…」
そうか?その割には随分もの欲しそうな顔してなかったか?
「持ってるから…」
見ると長門の手にはデッキが(ご丁寧にスリーブまで付いている)。おいおい、何でお前が持ってるんだ?
「上手く説明出来ない…情報の伝達に齟齬が生じるかもしれない…」
わかった、理由は聞かないことにする。
そんなことをやっていると、部室の扉が勢いよく開かれた。ああ、ものすごくいやな予感。
「世界大会で優勝するわよ!」
我らが団長は、開口一番わけのわからないことを、高らかに宣言しやがった。
最終更新:2008年01月20日 11:31