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 倒れ伏す、無数の人の山。
 誰も彼もがうずくまり苦悶の声を上げている中で、平然と立っている一人の男。
 ぱっと見でも"異常"だと思える光景は、その男によって創りだされたものだった。
 その事実に少女、麻宮アテナは息を呑むことしか出来なかった。

 事の切っ掛けは、単純なことだった。
 聖杯戦争、それを根幹を担うサーヴァントというシステム。
 彼女は初めて触れるが故に、勝手を理解していなかった。
 自分が呼び出した一人の男、バーサーカーがどれほどの力を持つのかも、計りかねていた。
 アテナは、仮にも格闘家として世界を股にかけるほどの実力を持つ。
 パッと見は普通にしか見えない男が、何故"英霊"と呼ばれるに至ったのかを理解出来ずにいた。
 だから、彼女はバーサーカーを"試した"のだ。
 道すがらたまたま見かけた、寄って集って一人の少女に暴行を繰り返している、下衆な男の集団。
 彼女本来の正義感もあり、それを見過ごすわけにはいかなかった。
 故に、彼女は何の気なしにバーサーカーへと言った。
 あの集団を壊滅させろ、と。

 そして、今に至る。
 その光景が生み出されるまでの全ては、はっきりと覚えている。
 恐れも何もなく、バーサーカーは男たちへと向かっていった。
 曲がりなりにも英霊と呼ばれる存在、一般人など恐るるにに足らないということだろうか。
 なんて事を考えていたが、今ではバカバカしいとも思える。

 そう、それからの出来事は、異常だった。
 暴行を加えていた男の一人が、バーサーカーに気がつく。
 へらへらと笑いながらバーサーカーを挑発した男が、真っ先にバーサーカーの拳に沈む。
 そこでようやく、男たちはバーサーカーに気がついた。
 口汚い言葉をバーサーカーに投げかけ続けるが、バーサーカーは止まらない。
 目のついた人間を、手当たり次第に殴る、蹴る、頭突く。
 そう言い表わせば、なんてことは無い普通の喧嘩と大差はない。
 けれど、たったひとつの事象が、それを"異常"に押し上げていた。
 拳を振るう、蹴りを放つ、頭突きを繰り出す。
 原始的な攻撃を繰り返すバーサーカーに、男たちも反撃をしていた。
 素手の攻撃だけではない、バットで殴りかかるもの、ナイフで切りつけるもの、攻撃は多種多様だ。
 そして、その攻撃は確かにバーサーカーへと届いていた。
 バットは鈍い音を立て、ナイフはその皮膚を切り裂き、バーサーカーの体を傷つけていた。
 普通の人間なら、確実に行動に支障が出るレベルの負傷だ。
 歴戦の英霊だったとしても、体に傷が付けばそれを庇うだろう。
 もしくは、走る痛みに若干の不快感を示す程度のことはするだろう。
 しかし、バーサーカーには"それ"が無かったのだ。
 バットを頭に叩きこまれようが、腹部にナイフをねじ込まれようが、意にもとめない。
 叩きこまれたバットを掴み返し、蹴り返す。
 ナイフをねじ込む腕を掴み、引き寄せて頭突きを繰り返す。
 怯むことなどなく、バーサーカーはただただ、その名の通り暴れ続けた。
 そう、彼には。

 "痛覚"が、元来より存在しないのだから。

 そして、気がつけばバーサーカーはただ一人、そこに立っていた。
 暴行を加えられていた少女は、いつの間にかどこかへと逃げおおせたらしく、既にその姿はなかった。
 いや、その場にいられる訳が無かった。
 あまりにも無謀で、あまりにも乱暴で、あまりにも直線的な"暴力"。
 あんな光景が目の前で繰り広げられれば、逃げ出したくなるのが普通だ。

 純粋な、恐怖。
 逃げ出したであろう少女と同じように、アテナもそれを抱いていた。
 そんな彼女のもとに、バーサーカーはゆっくりと帰還し始めていた。

 刺し傷、打痕、流れだしている血。
 あまりにも人間らしく生々しい傷の数々に、アテナは手を伸ばしていく。
 そして、その手に気を込め、バーサーカーの傷を癒やそうとする。

「いらねェ」

 しかし、その手はバーサーカーの短い一言と共に払われる。
 治療など必要ない、ということなのだろうか。
 だが、刻まれた傷の数々は、見るだけでも痛々しいものだ。
 それをどう伝えたものか、とアテナが言葉を考えていた時。

「……"痛ェ"ってのは、俺には分かんねえな」

 彼女の心を察していたのか、バーサーカーはそう呟いた。
 そして懐からサングラスを取り出し、ゆっくりとかけた後。
 アテナの横を通りかかるときに、小さく言葉を吐き捨てた。






「羨ましいぜ」






【クラス】
 バーサーカー

【真名】
 壬生灰児@堕落天使

【ステータス】
 筋力B 耐久A 敏捷B 魔力D 幸運D 宝具A
※上記は狂化補正込のステータスなので、通常時はワンランクダウンします。

【属性】
 混沌・中立

【クラススキル】
狂化:E(B)
 通常時は狂化の恩恵を受けない。
 その代わり、正常な思考力を保つ。
 但し「No.8」と呼ばれた場合はその限りではない。
 全パラメーターを1ランクアップさせるが、理性の大半を奪われる。

【保有スキル】
ケースクラス:C
 人間を兵器化するという実験の一環として生み出された事によるスキル。
 肉体改造などの経験があり、改造の類に抵抗を保つ。
 なお、ケースクラスはケースクラス同士で殺しあうという最悪の結末を迎えた。
 壬生灰児はこのケースクラスの唯一の生き残りである。

痛みを感じないが故の無謀なファイトスタイル:B
 ケースクラスでの実験による副作用。
 壬生灰児はありとあらゆる痛覚を持たない。
 ただし、痛覚を持たないだけなので、疲労はたまり、骨が折れる事による行動不能などは起こる。

皆殺しのトランペット:B
 痛みを感じないがゆえに、全体重と力を載せた拳を叩きこむことが出来る。
 このスキルによって攻撃を繰り出している間は、いかなる攻撃を受けても怯まない。

No.8:A
 彼のケースクラス番号。前述の通り、こう呼ばれると彼は見境なくキレる。
 狂化をBに上昇させるトリガーでもある。

【宝具】

『死神のサングラス』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1
 死神のごとく拳を突き上げる対人宝具。
 その拳は、全てを宙に舞い上げる。

『絶望という名の地下鉄』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1
 スキル「皆殺しのトランペット」を宝具にまで昇華させたもの。
 たった一振りの拳で、多段の衝撃を相手に叩き込む。
 スキル「皆殺しのトランペット」と同様、この宝具発動時も相手の攻撃を受けてもひるまない。

【weapon】
 己の拳のみ。但し、銃火器などを扱う程度の知識は保有している。

【人物背景】
 西暦2000年。大地震を伴う地殻変動により、都市は外界から完全に隔絶された。
 全ての機能の停止した街はゆっくりと荒廃し始め、やがて無法地帯へと変貌を遂げ、人々から皮肉をこめて「EDEN」と呼ばれるようになった。
 その「EDEN」を牛耳っていたカルロスによって生み出された改造人間、通称「ケースクラス」。
 彼はそのケースクラスの8番目の子供であったが、ケースクラス同士での殺し合いに巻き込まれる。
 彼以外のケースクラスは死亡、灰児はその際にカルロスの元から逃走、夜の街に消えた。
 その後は売春宿の用心棒として暮らしている。
 ケースクラス時代の番号「NO.8」と呼ばれると見境なくキレる。

【サーヴァントとしての願い】
 特にはない。強いて言えば"痛覚"を取り戻す。


【マスター】
 麻宮アテナ@THE KING OF FIGHTERSシリーズ

【マスターとしての願い】
 全ての悪を討つ。

【weapon】
 中国拳法、及び下記に記載する超能力。

【能力・技能】
 超能力アイドル、麻宮アテナ。
 彼女の操る気力は、球、盾、剣と自在に姿を変える。
 また、自身に纏わせることも可能。
 その他、瞬間移動、ヒーリングなどの技能も持つ。

【人物背景】
 正義のために超能力で戦う、アイドル歌手兼女子高生サイコソルジャー。
 超能力はしばしば「サイコパワー」と呼ばれる。

【把握媒体】
バーサーカー(壬生灰児):
 アーケードのみの作品なので、ゲームセンターでのみプレイ可能(秋葉原トライアミューズメントタワーなどで稼働中)
 稼動店舗は限られているため、ウェブアーカイブのセリフ集などを参考にすると良い。
 また、動画サイトに上げられている対戦動画なども有用。

麻宮アテナ:
 アーケードの作品だが、多数の家庭用移植が存在する。
 セリフはキャラとなりに関しては、シリーズの他作品を遊んでも基本的には問題ない。
 (但し、KOF97は勝利ゼリフが存在しないため、把握には不向き)
 なお、今夏に最新作「XIV」が発売される。

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最終更新:2016年08月05日 20:52