永井が目を覚ましたそこは、鬱蒼とした深い森のどこかだった。
一面真っ暗なので、夜なのは間違いない。永井は素早く身を起こすと、ここに到るまでの経緯に思いを巡らせた。

 馬鹿に高い鉄塔を昇って、後ろから出てきた化け物に突き飛ばされて……気づいたらここだった。

「今度は何だ……?」

 携行していた銃を構え、警戒しつつ周囲に気を配る。
遠くから聞こえる鳥の鳴き声と自分の息遣い。僅かな月明かり以外に光源はなく、人家からは遠いらしい。
駆けだそうと永井が踏み出した時、背後から声が掛かった。

「問おう」

――!

 身を翻し、銃口を向けた先には男が立っていた。
島で会ったような異形ではない。短く刈り上げた髪に鋭い眼差し。
厚い胸板に太い腕、メリハリのついた男らしい肉体。そして、

「うううぅ…?」

 褌だった。白い褌一枚で局部を隠し、堂々たる筋肉を永井の前で晒している。
怪物ではなさそうだが、まともな人物とも思えない。警戒心が全身を強張らせていくのが、永井には手に取るように感じられた。

「お前が私のマスターか」

「は…」

 永井が硬直していると、男が続けた。

「一旦落着け。…それから右手を見てみろ」

「はぁ?」
 永井が右手を見ると、そこには刺青が刻まれていた。
そして刺青の名が令呪という事を、永井はいつの間にか知っていた。
同時に未知の記憶が浮き上がり、彼は自分が置かれた状況を完全に把握した。

「じゃ…あんたが…その、サーヴァント?」

「キャスターと呼べ」

 次々と襲いくる状況を嚥下するように視線を下げた永井に、キャスターが問いを投げてきた。

「戦う意志はあるか」

「はぁ?」

「望もうが望むまいが、お前は殺し合いに加えられた。生き残る気はあるか?」

 言葉が耳に入ると同時に、腹の底が重くなった。
まだ続くのか。あの島であがき続けて、今度は褌のおっさんと組んでの殺し合い。
こんなこと誰も願っちゃいない。聖杯の奪い合いなんざ、俺抜きでやってくれ。

 永井は辟易していた。上官達が死に、化け物の群れから逃げ続けて、そして聖杯戦争に巻き込まれて。
彼としては生きて家に帰れればそれでよかったし、願望器への興味より苛立ちと疲労感の方がずっと大きかった。

「ある」

 死にたくないからここまで来た。俺は必ず生きて帰る。

 決然と言い放った永井を見てキャスターは不敵に笑うと、マスターに背を向けて一歩踏み出した。

「ではいくか。まさか同じ自衛官に召喚されるとはな」

「…おっさん、自衛隊かよ!?」

 永井は喉が破けそうな叫びを放った。
その声は炸裂した火薬の轟音に等しく、二人には認められなかったが、周囲をうろついていた小動物たちが一斉に彼らの近くから逃げ出した。
振り返ったキャスターは夜中に吠える犬を見るような目つきでマスターを見たが、永井も未知の生物から逮捕された身内に変化したキャスターに二の句を継げなくなってしまった。
それからキャスターが軍服を身に纏うまで、二人の睨み合いは続いた。

【クラス】キャスター

【真名】五島公夫

【出典作品】真・女神転生シリーズ

【性別】男

【ステータス】筋力C+ 耐久B 敏捷C 魔力B 幸運D 宝具EX

【属性】
混沌・中庸


【クラススキル】
陣地作成:EX
 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
 キャスターの陣地は宝具と不可分である。

道具作成:-
 魔力を帯びた器具を作成できる。
 下記スキルを得た代償に喪失している。


【保有スキル】
悪魔召喚:B
 契約した悪魔を召喚する。
 召喚にかかる魔力をキャスターが負担する引き換えに、忠実な手下として悪魔を動かすことができる。


扇動:D(B)
 大衆・市民を導く言葉と身振りの習得。
 特に個人に対して使用した場合には、ある種の精神攻撃として働く。
 下記宝具発動時にカッコ内のランクに修正される。


魔術:B
 一工程で発動できる魔術を習得している。

【宝具】
『大和総決起(戒厳令)』
ランク:EX 種別:対人民宝具 レンジ:会場全域 最大捕捉:会場内の人民
 キャスターが生前、千年王国に対抗するべくクーデターを起こした逸話が宝具に昇華されたもの。
 彼は自力で陣地作成を行う事が出来ないが、別の魔術師の陣地を武力占拠する事ができる。
 占拠に成功した際に扇動スキルをカッコ内のランクに修正、さらに以下の行動を行う事が可能になる。

一つ目は通行の制限。
生前においては交通手段を制限するものであったが、聖杯戦争においてはサーヴァントの移動を制限する。
会場内に、キャスター自身およびガイアーズのサーヴァント以外が通行できない「立ち入り禁止区域」の設置が可能になる。
初期状態では2か所。キャスターの勢力が増すたびに設置可能数が増えていく。

二つ目はプロパガンダ放送。
会場内の通信媒体に干渉する事で、視聴者にキャスターのメッセージを伝えることが可能。
マスター、サーヴァント、一般人問わず、彼の思想に共感した者にはガイアーズの属性が付与される。
これは能力強化をもたらすものではないが、対象の属性を混沌の側に傾ける効果を持つ。


『破滅の時告げる亡者の軍勢(シンジュク・ゾンビーズ)』
ランク:D 種別:対軍宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000人
 大破壊前の新宿を徘徊していた屍鬼を呼び出す。
 発動するごとに最大1000体のゾンビをレンジ内に召喚する。

 ゾンビはキャスターの使い魔ではないため、制御が利かない代わりに彼らを維持する魔力を負担する必要がない。さらに各自がBランク相当の単独行動スキルを持っている。
 ターゲットの優先順位は敵陣営>一般人。屍鬼の種類は以下の通り。

[屍鬼ゾンビコップ 特殊行動 防御/毒引っかき]

[屍鬼ボディコニアン 特殊行動 防御/麻痺引っかき/麻痺噛みつき]

[屍鬼ゾンビアーミー 特殊行動 防御]


【weapon】
「銘刀虎鉄」
キャスターの愛刀。
特異な能力はないが、宝具との打ち合いにも耐えうる強靭さを誇る。男性専用装備。


「軍服」
非戦闘時に着用している衣装。


「召喚悪魔」
キャスターがスキルによって召喚する悪魔達。
どの個体も魔力消費量は軽く、キャスターの自前の魔力で長時間維持できる。
召喚可能悪魔は以下の通り。

妖獣:ヌエ
悪霊:ピシャーチャ
幽鬼:ベイコク
悪霊:シェイド


【人物背景】
神の名のもとに千年王国を築こうとするトールマンの計画を察知した陸上自衛隊一等陸佐。
アメリカによるICBM投下を防ぐべく、悪魔との契約により超人となった五島は市ヶ谷駐屯地でクーデターを起こすと、東京を戒厳令下に置いた。


【聖杯にかける願い】
199x年の東京に戻り、大破壊を阻止する。

【マスター名】永井頼人

【出典】SIREN2

【性別】男

【Weapon】
無銘:小銃。


【能力・技能】
「幻視」
他者の視界や聴覚を覗き見る能力。
距離が近いほど鮮明になり、遠いほどノイズが強くなる。


【人物背景】
ヘリトラブルで夜見島に不時着した自衛官。
訓練成績は優秀だが、周囲に流されやすい。
島で発生していた怪異の只中を彷徨ううち、永井の中から弱さが抜けていき、異形相手でも勇敢に立ち向かうようになった。

18:04:57~22:28:42の間から参戦。フェイスペイントを施す前です。


【聖杯にかける願い】
家に帰る。

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最終更新:2016年08月19日 18:30