公園と睡拳と睡拳と睡拳。(前編)
「ん~~~~。宣言通り、転校生『寝取られの聖女』と戦うんだよ~~~~。」
「私も、同じ武術使いとして戦って見たかったんですよね―。」
「はいはーい、アラシちゃんも転校生と戦っちゃうッスよ!」
世界格闘大会5日目。
かつての参加選手であり、転校生と化した『寝取られの聖女』の討伐に名乗りでた選手が3人いた。
宇多津泡沫、天王星、
墓森アラシだ。
「で、肝心の転校生はどこかな~~~~?」
「あ!あの人それっぽくないですか?」
「ホントだ!うへへ、行ってみよう!」
「ちょっとまったぁ! あんた達、寄ってたかって一人を狙うだなんて卑怯だと思わないのかい!」
そう言って岡持ちを持って襲いかかってきたのは
鏑木諒子。彼女の正義感からすると、例え転校生といえど多人数ど殴りかかるのを良しとしないらしい。
信念を持った立派な行動といえるだろう。
しかし、今現在の天王星たちにとっては邪魔な存在でしか無い。
「ゲェーッ やばいッスよ!」
鏑木の攻撃が当たると思われた瞬間、何者かが阻んだ。
「
ラ・ピュセル――――推参(おしてまいる)! 転校生クエストの護衛に参りました。ここは私に任せて転校生の元へ!」
「いいね~~~~」
「ありがとうございます!」
「他の邪魔が入るうちに早く――ん?」
墓森の袖が引っ張られた。振り返った場所にいたのはピンクの着ぐるみを着た、
ヴァッファローヴェルだ。
「あの、墓森さん私と戦ってくれませんか?」
「お、おう……」
「やった! 戦ってくれるんですね! じゃあここは他の人の邪魔になるので、もっと広い場所に行きましょう!」
「ち、違う! 今のは肯定したんじゃなくて……うわ~~っ!」
ヴァッファローヴェルに引きづられていく墓森。意外とピンクのマスコットは力強かった。
「………」
「………」
「二人に減ってしまいましたが、気を取り直していきましょうか」
「そうだね~~~」
「あら、お久しぶりですね。この間さし上げた
アイテムはどうでしょうか?」
ゾクッと、背筋が凍りつく気配。
転校生「寝取られの聖女」だ。
「その節は~~~どうも~~~」
「いずれ使わせて貰うことになりそうです。ありがとうございました。」
「それは~~~さておき~~~~」
一歩。
泡沫が前に踏み出す。
先手は自分が引き受けるという無言の意思表示。
「試合~~~~さっさと始めませんか~~~?」
「いいですよ。ふふふっ」
<宇多津泡沫VS寝取られの聖女、バトルスタート!>
【公園と睡拳と睡拳と睡拳。(前編)――END】
最終更新:2013年12月02日 21:34