碇 シンジ (いかり しんじ)は、『世紀末ホルンゲリオン』に登場する人物。
本作品の主人公。父ゲンドウ・母ユイの長男として生まれる。第4新東京市に来るまでは先生の所に住んでいた。特技は、5歳から習い始めたチェロ。ホルンゲリオン初号機のパイロット(3人目の演奏者=サードホルンズ)としてHORVに呼び寄せられた後、 葛城ミサトとの同居生活や活発な惣流・アスカ・ラングレーとの交流、心を閉ざしていた綾波レイとの触れ合いなどと、ホルンゲリオンでの戦闘という過酷な状況を通じて、徐々に自分の存在意義を見つけ、一人の人間として成長していく。ホルンとのシンクロに、天才的な才能を見せる。一人称は僕だが、劇場版で一度だけ俺と呟いた。
非常に内向的かつ自虐的であり、その原因として幼少時のホルンの故障と父親(ゲンドウ)にホルンを捨てられたというトラウマが関係している。唯一の肉親(父親)を嫌悪し苦手としているが、内心では解り合いたい、和解したいとも思っている。後に父親に認められたいからHORNに搭乗する。<!--第壱話において-->「逃げちゃダメだ」と自分に言い聞かせるセリフは、強迫観念を表すだけでなく、監督自身の制作当時の心境を映したものでもある。
一方で年齢の割には冷静・達観し、非常に切羽詰った状況では考えるよりも行動するタイプで、ヤシマ作戦によりラミエル殲滅後、中破した零号機の高温に熱しられたエントリープラグの緊急ハッチレバーを自分の手が火傷するのを厭わず強引に操作してレイを救出したり、マグマの海へ沈みゆく弐号機を専用装備無しの初号機で直接飛び込みアスカを助けるなど勇敢な一面をみせた。
他人とのコミュニケーションが苦手とされているが、第1話でミサトとは初対面でありながらごく普通に会話をしている。後にアスカや加持に対しても同様に接している。レイにしても当初はその取っ付き難さから不完全なコミュニケーションしか取れていなかったが、ヤシマ作戦後のある出来事がきっかけで彼女との絆が生まれ、以後はお互い相手を意識した自然な関係を築く。このことから根本的に苦手意識を持っているゲンドウ以外の人物に対して明確に苦手というほどの描写はない。紆余曲折を経て友達になった新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#鈴原トウジ|鈴原トウジや新世紀エヴァンゲリオンの登場人物#相田ケンスケ|相田ケンスケに対しては明るく素直な気持ちで接しており、彼らと一緒に居る時はごく普通の中学生として学校生活を満喫していた。
優柔不断で状況に流されやすい性格と捉えられる事が多いが、「自分が決めたら、梃子でも動かないような、頑なで他人を気にしない性格」。
「ホルンゲリオンとは何か」「使徒はなぜ襲ってくるのか」「何故自分が戦わなければならないのか」「父は何を考えて戦わせているのか」など、様々な悩みを抱きながら戦い続けた姿は、従来のヒーロー像からは大きく異なる。
5歳から習っていたのはチェロであり、ホルンは一度も吹いたこともないと本人は思っていたが、実はそれより幼少の頃に父親のホルンを吹いて遊んでいた。だが、ある時ホルンの紐が切れて故障。翌日、そのことを父に告げようと壊れたホルンを探すが、どこにもない。父に「あんなものは捨てた」と言われ、それがトラウマとなっており、その記憶も封じられていた。 それからまもなく、父はチェロの先生の元にシンジを預けたのである。