あるところに、一匹のドラゴンがいた。
そのドラゴンは、背中の翼で、どこまでも飛んでいくことができた。
どんな剣も矢も通さない、堅い鱗を持っていた。
体は象よりも大きかった。人の何倍もの寿命を持っていた。
彼は人間の手に負えない存在だった。
まさにドラゴンのなかのドラゴンだったのだ。
彼の巣穴は、人の立ち入れない山の中腹にある洞窟にある。
今日も彼は、朝ゆっくりと起きると、その翼で巣穴から飛び立った。
その退屈な日常とあまる労力の大部分を、趣味と食事に費やしていた。
彼は伝説にあるドラゴンそのままに、若い娘の肉を大好物としていた。
今日もその哀れな食料を探しに出かけるのである。
彼の縄張り、すなわち行動範囲は半径数百キロにも及ぶ。
人間が減りすぎないように、なるべく毎日違う村から
食料を調達していた。仲間には、巣に引きこもり、
生け贄を要求する者もいたが、それは彼の趣味には
合わなかった。
一つの村を見つけると、彼は降り立った。
ついでにその強靱な尻尾で、近くの小屋を吹き飛ばす。
家を焼く。近くにいた牛に強靱な爪で殴りかかる。
頭のつぶれた牛は、そのまま動くことはなかった。
これらの行動は人間を脅すためだが、あまりやり過ぎてはいけない。
被害を与えすぎると、人間の数が減ってしまうのだ。
「今すぐこの村のすべての若い女を連れてこい!さもなければ
一人残らず焼き殺してやる!」
巷で恐れられるドラゴンが現れた!と騒然とする村人に、
彼はいつもの脅し文句を出した。
成る可く村の破壊はしない。
もちろん抵抗に遭うこともあるが、
その時は仕方がないが。
今回、村人達は素直に結果的にドラゴンの言うことに従った。
人間は人間なりの葛藤があったのだろうが、割愛する。
そんなのは彼の知ったことではなかったからだ。
1時間半後には、彼の目の前に数十人の若い娘達が並べられた。
「この中から一人、今日の食事に頂こう…逃げようとした者は
背中から焼き殺してやるからな」
彼は娘達に近寄ると、品定めを始めた。
娘達は、これ以上無いというほど恐怖していた。
彼が生け贄というシステムを採用しないのは、反撃の準備を
与えないように、という為だけではない。
覚悟もなく、突然身に降りかかった恐怖にすくむ
人間を見るだけで、彼は楽しくて仕方がなかったからだ。
さて今日はどの娘にしたものか。
何も解らず、ただ泣きじゃくる幼い子から、成熟した女まで。
選ぶのはその日の気分である。
よく尻と胸に脂ののった娘にしようか。それとも、
食べ応えは少ないものの、小さくて柔らかい子供の肉を選ぶか。
近くにいた、恐怖で固まる、髪の長い少女の匂いを嗅ぐ。
舌で首筋をぺろりと舐めると、「あ… あぁ…」などと言う声を
漏らしながら、震えながら少女は失禁した。
今日は掘り出し物があった。まだ幼いのに、
胸に不釣り合いなほどの脂がのっている娘を見つけた。
長い栗色の髪も可愛らしく、これは美味そうだ。
人間の女は豚よりも脂がよくのっている。
その脂が特に集まったところが乳だ。
特別柔らかく、口に入れるととろけるような味が
する、人間の乳房が彼の大好物だった。
それに加え、子供の肉の柔らかさを持っているとは、、
今日は良い獲物を見つけたものだ。
「この娘を頂こう」
彼は前足でその娘を掴むと、またその翼で飛び立った。
巣に帰る空の上、自分の手の中で、娘が恐怖しているのが解る。
どうやら、叫び声を出すこともできないようだ。
都合がいい。人間の女の出す甲高い叫び声は
とても嫌いだったからだ。
生きたまま攫われ、食い殺されるのを待つというのは
どんなに恐ろしいことだろうか。
そんな事を考えながら、
「今日は良い獲物が手に入った。巣でゆっくり食ってやろう」
などと言って、彼はまた獲物の恐怖心を煽るのであった。
彼は巣に帰ってきた。その洞窟は、彼がゆっくり羽を伸ばせるほど
大きかった。入り口は垂直に切り立っており、獲物が逃げ出すのを防ぐのにも、
じゃまな人間が進入してくるのを防ぐのにもとても都合が良かった。
巣の奥には、捕まえてきた人間の娘達が捕らえられていた。
彼は毎日一人ずつ食べているが、大きい街を襲ったときには、
一度に何人も攫ってくることがある。
余った人間をまさに家畜としているのだ。
コレクションの中に、先ほどの娘を加え、一仕事付いた彼は
休むことにした。
攫ってきた娘達が、自分の行く末に恐怖し、絶望する姿を眺めるのも
彼は大好きであった。
ただひたすら死を待つ者や、逃げ出そうとする者、
時には抵抗する者もいるが、どれも皆無駄であった。
時にはあえて逃げ出せそうな隙を与え、
また捕まえるような遊びも行った。
寝たふりをする横を、震えながら忍び足で通り抜けようとする
獲物を薄目で眺めた時など、笑をこぼさぬようにするのが必死であった。
一度希望を得た獲物が、再度絶望に落とされた時の顔を見るのは、たまらない楽しさだ。
数時間後、ドラゴンはいつもの時間に覚ます。
そろそろ腹が減ってきた。
どの娘から食ってやろうか…そう考えながら、
自分のコレクションを見ているだけで、涎があふれてきた。
そんな彼の様子を察知したのだろう。娘達はまた今日も
この時間がやって来たのかと、震え上がった。
今日は誰から食べられるのか。今日こそ自分になるのか。
彼は食べ方にも様々なこだわりがあった。
成る可く死なないように、少しずつ食いちぎる食べ方もある。
これは、部位ごとの肉の味をじっくり堪能することができる。
丸呑みにする方法。これは、胃の中で暴れ恐怖する様を最後まで楽しむことができる。
それも気分次第だ。
食事の時間を迎え、隅っこでシクシクと泣く娘、震えながら覚悟を決めたような態度を取る娘、
娘の取る態度も様々であったが、今回選んだのは一昨日攫ってきた娘にした。
その娘は綺麗な黒く長い髪が清楚に感じさせる割に、とても肉付きが良い。
それで居て年はまだ十代と言ったところか。
その乳は特別大きく、まるで西瓜のようであった。
特別楽しみにとっておいたのだが、あまり置いて肉が落ちても
残念なことになる。今日はこの娘を食べることにした。
逃げ回る娘を前足で捕まえると、まずは爪で服を切り裂いた。
アンバランスなほど大きな乳が零れる。
「お前は特別美味そうだと思っていたんだ どこから食べてやろうか」
あえて獲物とコミュニケーションを取るのもまた趣味であった。
「た…助けて…食べないで下さい… 何でも、何でもしますから…」
「お前が俺に何ができると言うのかな」
そう言うと、前足でその娘をひっくり返し、むっちりと肉が付いて旨そうな
尻を舐め上げる。
その肉はとても柔らかかった。肉も沢山ついている割に、
とても張りが良い。人間は二足で歩いているせいか、
尻は筋肉と脂肪がとてもよく発達している。
いつこの極上の肉を口に入れようかと考えると、
涎が沢山溢れてこぼれた。
繊細な肌は、ドラゴンのざらざらとした舌に舐められ、
真っ赤になっていた。そのじらし方は、まるで人間の性交の前戯のようだ。
彼はそろそろと思い、その肉の盛り上がりの一つに食いつくと、
そのまま強力な顎と首の力で尻の肉を食いちぎった。娘は悲鳴を上げた。
食いちぎられた所はクレーターのようになり、骨盤などの骨が見えたと思ったら、
吹き出した鮮血で真っ赤に染まった。
食いちぎった肉はそのまま飲み込んだりせず、良く咀嚼して味わう。
洞窟内に柔らかい肉をはむ、グチュッグチュッという音が響く。
顎を動かすたびに溢れる肉汁に、つい笑みがこぼれてしまう。
筋肉が歯ごたえのアクセントになっており、最高に旨い。
まるで肉厚のステーキのようだった。
原形をとどめなくなった肉のかたまりを飲み込み、口の周りの
血と脂を、ぺろりと舌なめずりをして舐めとる。
さて、次は好物である乳房を頂くとするか。前足で娘をひっくり返す。
娘はまだ生きている。持ち前の魔術も使い、なかなか死なないように食べるのだ。
「もう…やめて…食べないで」
「お前の肉は最高に旨いぞ 次はこの大きな乳にするかな」
今度は娘の胸のその大きな肉玉を口に含んだ。
舌で転がそうと思ったが、大きくて口からこぼれてしまいそうなほど。
最高の好物をこんなに一杯食べられるとは、まったくご馳走だ。
舌でなめるたび、マシュマロのような肉が形を変える。
「ひ…ひっ!」
娘が声にならない悲鳴を上げると同時に、乳房を喰いちぎった。
なんという柔らかい肉か。そのマシュマロのような肉を
咀嚼するたび、口の中いっぱいに脂肪の甘みが広がる。
まろやかな舌触りに、まさに口の中で蕩ける味わい。
鋭い牙の前に、口の中の形の良い乳は、すぐに原型を
とどめなくなった。彼は良く味わった後、満足そうに、
ごぐりと飲み込んだ。
「いやあ美味い美味い。しかし少し大きすぎて食べ難いぐらいだったな。
今度はこの乳房を少しずつかじりとって食うか それともこの肉の一杯詰まった
太ももから食うとするかな」
晩餐は続いた。悲鳴の中、娘は少しずつ肉を喰いちぎられ、その豊満な肉はみるみる内に減っていき、
最後にはほぼ骨だけとなった。彼はこれらの食事を、他の娘の目の前で
行っている。無論、最高の恐怖を煽るためだ。
ドラゴンは今日の食事にもとても満足であった。
食べかすを魔術で掃除すると、一日は終わり、再度眠りにつくことにする。
「さて…明日はどいつを喰おうかな?どの方角に狩りに行こうか…
久しぶりに西の森の亜人種の肉を喰うのも良い。人間の子供を
まとめて攫ってくるのも良い。 食べ方も工夫してみるか…
人間のように、火で焼いてみるのもいいか?太い足を
輪切りにしてハムのようにしてみるのもいいな」
彼のこれからの退屈な長い人生も、弱い者をいたぶり、ただ楽しむために
費やされていくのだろう。だが、それこそ地上最強の生き物である
所以であるし、本能なのかも知れない。
人間にとっての苦難は、まだまだ長く続くようだ。
おわり
最終更新:2008年08月07日 20:10