隊員A「駄目です、墜落します」
隊長「総員、衝撃に備えろ!」
隊員B「なむさん」
どごーーーーーーん
隊員A「被害を報告します、搭乗員15人のうち生存者は3人。
船の損傷は著しく、補修不可能だと思われます」
隊長「そうか・・・」
隊員B「酸素への適合は問題ありません。
ただ、落下した際に火災が発生し、食料が殆ど燃え尽きてしまいました」
隊長「そうか・・・食料は調達出来そうなのかね?」
隊員A「はい、比較的我々の生活環境に近い惑星のようで、動植物などが豊富です。
その点については問題なさそうです」
隊長「そうか・・・」
隊員A「ただ・・・我々とは大きく異なった。
我が星の牛に似た生物が2足歩行し文明を築いているようです」
隊員B「性格は好戦的で非常に凶暴。
いまだに進化途上の文明で各地で戦争や内紛が起こっているようで非常に危険です。
原住民との接触は可能な限り、控えた方がいいでしょう」
隊長「よし、わかった。それでは我々はこれより
母国の救助がくるまで原住民とは可能な限り接触を控えたうえで
生存のために食料の調達をおこなうとしよう」
それから1ヵ月後・・・
いまだに救助はなかった
隊員A「隊長、正直、私は限界です」
隊員B「同感であります」
隊員A「この星の動植物は我々の味覚に適しておりません。
我々は満足な栄養を得ることが出来ません。」
彼らはみたこともないようないろいろな動植物を食べてみた
しかし、食べることが不可能ではないものの
あまりの味に満足な食事をすることが出来ないでいたのである
3人はこの星にきてから体重が10kg以上激減していた
もはや、食の確保は死活問題にすら発展していたのである
隊員B「隊長、牛を試させてください。」
隊員A「お願いします」
隊長「わかった・・・許可しよう」
日が沈んだ時間
ミッションはスタートした
3人は原始人の村、原始的な方法で固められた道の脇に身を隠し、獲物がくるのを待っていた
隊長「あれはどうだ?」
隊員A「駄目ですね。センサーの反応では老年期に入っているようです。
食べれなくはないと思いますが・・・味は期待しない方がいいでしょう」
隊長「ふむ、見分けるのが難しいな・・・。あれはどうだ?」
隊員A「雌のようですね。まだ成長しきっていないようですが、いいようです」
隊長「子牛といったところか・・・。よし、準備しろ」
隊員B「はい」
隊長「いいか・・・人通りは殆どないとはいえ、騒がれたら面倒だ。」
隊長「いくぞ・・・3、2、1、GO」
3人は構えた生物捕獲用のスタンガンを使った
ミッションはうまくいった
気を失った獲物は隊員Bの腕に抱えられている
隊長「よし、作戦成功だ。速やかに撤退するぞ」
3人は獲物捕獲した獲物を宇宙船の調理室、調理台の上に寝かせた
隊員A「いよいよですね。
久しぶりにステーキが食えると思うとなにかウキウキします」
隊員B「私はしゃぶしゃぶを久しぶりに食べたいです」
隊長「よし、それでははじめるぞ」
その時、ぐったりしたままだった獲物の意識がようやく戻った。
「○△▼×●×▲○●▼■」
甲高い声で喚きたてる。
何を言っているかはわからないが、だいたいの想像はつく
隊長「隊員A、隊員B、暴れ始めたぞ、抑えろ」
2人の隊員が獲物の手足を押さえた
そして、隊長は手に包丁を構えると獲物をばらしにかかった
「●△■□●□▲▼」
獲物は甲高い声で何度も喚きたて
そして、しばらくしたあとに動かなくなった
隊員A「うまい!」
隊員B「こんなうまいものたべたことがない」
3人はステーキやしゃぶしゃぶなど思いつく限りの料理を堪能した
みな久しぶりに満足のいく食事をとることが出来た
その後、このようなことを何度か続け、救助をうけることが出来た
3人はこのうまい牛を何頭か捕らえると母国へとつれて帰り
そのうまさを政府の高官たちへ伝えた
大統領「たしかにこの肉はうまい。彼らが遭難したのはなんという星だったかな?」
高官A「銀河系にある地球という星のようです」
高官B「ニンゲンという生き物らしいですね。
雄はあまりおいしいものではないようですが
雌の味は我が星の牛と比べ物にはなりませんな」
高官C「大統領、我が星は深刻な食糧問題に悩まされています。
このニンゲンという生物は地球に何億と生息しているそうです。
地球進行へのご命令を・・・。ご決断をお願いします。」
そうして、我々の知らないところで、地球進行への作戦は着々と進んでいるのであった
- ばか -- (つつみけn) 2009-11-12 12:04:15
最終更新:2008年08月07日 20:10