彼女はその夜、冒険の旅に出かけた。
年は14になったばかり、人が最もそう言うものに憧れる頃であろうか。
今日は満月の綺麗な夜だ。家に受け継がれる名剣を背に、
少女は誰もいない街へ飛び出す。
名前はサツキ。身長は少し高めか。くせっ毛混じりの栗色の髪を、
元気の良いショートヘアに切りそろえていた。
年と顔の幼さの割に体つきは良い方だ。胸当ての下には形の良い大きめの乳房、
丸く尽きだした腰…。将来を考えても、女性としての大きな
魅力を秘めていることが解る。だが、サツキは、普通の女性として生きるより、
冒険者として生きることに憧れた。
サツキは旅立ちこの日のために、こっそり自己流で術と剣の訓練を
積んできた。自分は強い。この街の同じ年の人間では、自分にかなう者はいない。
それに、この家に伝わる名剣があれば、どんな奴にだって勝っていける。
彼女はそう思っていた。そんな気がしていた。
「やっぱり、この時間じゃ、街には誰もいないか。誰もいない夜の街を歩くのって、
凄くワクワクする!私はこんな街で終わる人間じゃ無い。魔物を沢山倒して、
国中に知られるようなすごい人になるんだ!」
背中の剣はサツキの体格には多少重かったが、その分とても頼もしい。
サツキの頭の中は、伝説の英雄のように、得意の魔術と、華麗な剣捌きで、
ばったばったと強敵を倒していく。そんな想像でいっぱいだった。
サツキがなぜこんな夜に旅に出たのかというと、
大人達に止められないようにするためである。
「みんな私の才能と強さが解っていないんだ。」
外は危険だって言うけど、そんなのは理解しているつもりだ。
それに、魔物も怪物も出ると言っても、ここら辺ではそんなに危険なバケモノの話は
聞かない。
とりあえずは南の方にある、ここより大きな街へ行こう。大きな街には、
情報があるはず。まずはそれを足がかりにしよう。
街の門は閉まっているだろうし、門番が居るかもしれない。
サツキは前より知っていた、街はずれの城壁の裂け目に体をくぐらせ、街の外に出た。
防犯上問題があるように見えるが、修復費をけちるほどこのあたりは平和だということでもあった。
サツキの楽観的考えもその影響があるのだろう。
街の外には月明かりに照らされた静かな草原が広がっている。
海からの涼しい風が、短い髪を撫でた。
サツキはこれ以上ない開放感を味わっていた。
「綺麗な月と気持ち良い風…精霊が私の旅立ちを応援してくれてるのかな?」
新たな門出に幸先の良いものを感じたサツキは、体をいっぱいに伸ばし、
やるぞ!という情熱を体に漲らせ、そして冒険の第一歩を踏み出した。
広い草原の道を、2時間ほど歩いただろうか。
自分の街の光ももう見えなくなった。南の大きな街には、ちょうど明日の
午前中ぐらいには付くだろう。
満月の光は、今晩中は足下を照らしてくれるはずである。
サツキはまだわくわくとした気分で道を進んでいた。
風下から忍び寄る大きな影にも気づかずに。
「スライムか大蝙蝠ぐらい出てこないかな~。さっそく退治して上げるんだからっ!」
少し退屈になってきた彼女の独り言だった。もちろん返事があるとは考えていない。
「そうかそうか、それならもうちょっと大きい獲物はどうかな?」
低いくぐもったような声に、サツキは驚いてあたりを見回す。
ここまでの道のり、人一人見かけることはなかった。
「だ…誰ですか?」
「ここだよ、ここ。ニンゲンのメスが一人で歩いて居るもんだから、どれだけ腕が立つかと
観察してたんだが、さっぱり気づかねえんだからな…。」
サツキが声のした方を振り向くと、道脇の岩陰より、
大きな黒いものが現れた。
「今なら誰からの邪魔もはいらねぇし、じっくり楽しめるなあ」
魔獣であった。その二本足で立つ狼は、体格はサツキの倍ほどもあった。
毛皮に包まれてはいるが、体は強靱な筋肉に包まれているのが解る。
そして何よりも人語を喋る事こそが、ただの獣とも違う恐ろしい
魔獣であることの証明であった。
「なんで…こんな所に!こんなの…居るはずが無い!」
目の前の現実に、サツキは目眩を覚えた。
これが誰かの手の込んだ悪戯で、中に友達でも入っているなんてことは…
あり得ないだろう。一瞬現実感を無くし、自分の都合の良い可能性を探してしまう。
しかし、今この最悪な逃避しようのない現実は目の前にあるのだ。
対するは10メートル先。サツキは荷物を降ろすと、震える手で背中の剣を抜いた。
「今更剣を抜くのか。後ろから何も言わず、
ズバっとやっちゃっても良かったんだけどな?」
なお狼は余裕を見せる。それだけの力量差か。
だが、余裕と油断を見せている相手には、まだ勝ち目がある!
サツキにもそれなりの才能はあった。心は震え、パニックになりかけてはいたが、
術の準備をしていたのだ。相手が話し終えるかという所、顔面に向けて、
指先より見えない刃を放っていた。
バチィッ!
術は油断していた狼の目に見事に命中する。その瞬間、サツキは飛び出していた。
「グルォォオオオ!」
魔獣は顔を押さえ、人語ではない、本来の声で叫ぶ。
サツキはこの恐ろしい獣から逃げられる自信も、その術の一撃だけで相手を倒せる自信も無かった。
だからこそ、勇気を振り絞り、その剣でとどめを刺しに立ち向かったのだ。
剣をまっすぐに構え、渾身の付きを繰り出す。
すべては一瞬のことだった。名剣は魔獣の体に突き刺さっていた。
勝った…っ!
「なあんてな」
術で大きくダメージを受けていたはずの魔獣は、軽く腕を振る。
サツキが勝利を確信した次の瞬間、名剣は真っ二つに折れて跳ねとばされていた。
先ほどの術で、目に大きなダメージを受けていたのではなかったのか。今刺さった剣のダメージは?
「まあ、おかげでかすり傷をおっちまったな」
サツキの渾身の術も一撃も受けてなお、魔獣はほぼ無傷だった。
魔獣の恐ろしさは、その魔力で自分の体を強靱なものにしている、という所にある。
これが他の獣や魔物と一線を画す要素だった。その体は名剣の一撃をもはじいたのだ。
もうダメだ。絶対に敵わない。逃げなくちゃ…!
武器を失ったサツキは逃げだそうとするが、足は言うことを聞かなかった。
「今度はこちらの番ってな。動きを術で封じさせてもらったよ。」
サツキの真の恐怖はここからであった。
狼の魔獣は動けなくなったサツキを軽々と肩に抱えると、道を外れ、草原の奥へと進む。
術も使えない。体もほとんど動かない。なんとか首を動し、狼の顔を見ると、
真っ赤にさけた口で舌なめずりをしていた。
魔獣が人間を襲う理由。間違いない。この狼は人目の付かない所に私を運び、
そこでゆっくりと私を食べるつもりなのだ。
「さあて、ここら辺にするかな」
道から外れた開けた場所まで運んでくると、狼は担いでいたサツキを丁寧に降ろした。
ここまで来てしまえば、遅い時間もあいまって、偶然通りかかり
助けに来てくれる人間はいないだろう。絶好の食卓というわけだ。
高度な金縛りをうけたのか、どんなに気力を振り絞っても、体は言うことは聞かない。
思考を止めてしまいたいほどの絶望と恐怖が、サツキの心を満たしていた。
「さて、邪魔なものは外してもらうかな」
横たえられたサツキの着る、スカートもシャツも下着も、丈夫な皮の胸当てでさえ、
魔獣の爪に引き裂かれていく。あっという間に裸に剥かれてしまった。
月明かりが、美しく盛り上がった乳房、まだ毛の生えていない恥丘、
なだらかなお腹、肉付きの良い両足を白く照らし出す。
「ククックガハハ!思った通り旨そうな肉付きだな!」
目の前のご馳走に、嬉しそうに下品な笑い声を上げると、魔獣は野生の狼の姿そのままに、
地面に前足を付け、四つんばいでサツキの匂いを嗅ぎだした。
サツキの体に、なまぬるいものがぽたぽたと垂れる。
ご馳走を前に我慢できず溢れる唾液だった。
食べ物を前に喜ぶその姿は狼と言うよりも、まるで犬のようであった。
「こんなに良い獲物は久しぶりでなあ…!俺は若い女の肉が大好きなんだ」
狼の顔は目の前にあった。サツキの頭をひと囓りできそうなほど大きな口が
開くと、そこには月の光に白く輝く、鋭い牙が並んでいた。
「こ…殺して…ひと思いに」
サツキは涙を流しながら、覚悟の言葉を述べる。だが魔獣はその願いを叶えることはなかった。
「そんなわけにはいかねえ。生きたまま喰らうのが一番美味いんだからな」
そう言うと、狼はその下でぺろりとサツキの大きな乳房を舐めあげた。
柔らかい張りの良い乳房は、狼の大きな舌が撫でるたび、プルンっと震える。
サツキにはもう泣くことしか出来なかった。
味見をしているのか、ぴちゃぴちゃとじらすように狼はサツキの全身をなめ回していた。
そして、サツキの体を掴み足を自分の方向に向けると、
「さて…まずはここから食べるかな。」
狼は口元をつり上げ、まるで人間のようにいやらしく笑うと、サツキの足をこじ開け、
その性器をぺろんっとなめ回した。
「ひゃうっ!!」
サツキは意外な感触に思わず声を出す。
まだ汚れを知らない性器は、未だ毛は生えておらず、ぷっくりとふくらみ閉じた大陰唇は、
まるで幼い少女のようであった。
狼が乱暴にぴちゃぴちゃとなめ回すたび、ぷにぷにとその
形を変える大陰唇の柔らかさはは、まるで餅菓子のようであった。
「あっ… あっ…やだ…」
サツキは下半身からくる気持ち悪いような、良いような、ぞくぞくとした、
なんとも不可解な感触と恐怖に、思わず失禁してしまう。
ちょろちょろ…
尿が狼の顔を濡らした。サツキの鼻にも、尿の香りが漂ってくる。
「この俺に小便をひっかけるとは、なんとも生意気だな。」
狼はそうつぶやくと、尿で濡れたサツキの性器をもう一回ぺろんと舐めると、
そのふくらみに食らいついた。
「きゃああああああっ!」
悲鳴を上げるサツキ。狼は両前足でサツキを押さえつけると、強靱な
顎と首の力で、その肉を食いちぎった。
「ひぎぃっ!!!」
食いちぎった傷からは白い骨が見えていた。溢れた血が草原を赤く染める。
狼は食いちぎった肉片を、口元から無骨な手に持ちかえると、
まるで人間が干し肉を喰らうように、少しずつ食いちぎっては
くちゃくちゃと美味そうに咀嚼する。
大陰唇の脂肪が甘みとなり、小陰唇とクリトリスのこりこりとした
食感が良いアクセントとなって歯ごたえを感じさせていた。
例えるならば二枚貝の刺身といったところか。
「グヘ、グヘヘ…美味いなあ。やっぱり女の肉がサイコーだ。」
ゴクリと飲み込んだ肉が、のどを通っていくのが見える。
狼はまた獣のように四つんばいになると、今度は性器の直ぐ下の、右足の柔らかい内腿に
食いつき、顎と首の力で食いちぎった。たっぷりとした肉感が口の中を満たす。
肉厚のステーキを食べるような満足感だ。
「脂もよくのってる。そしてこれ以上なく新鮮と来れば、サイコーの骨付き肉だな」
狼は目の前の美味しい肉にゆっくりと食事を楽しむ我慢が出来なくなったのだろう。
ガツガツと右足の腿を獣のように食べ始めた。
「痛い!痛い!やめてぇぇぇぇぇ!!」
サツキが絶叫しても、狼はかまわず食事を続ける。
サツキはもう右足の感覚がなくなっていた。肉のたっぷりと付いていた
腿はほとんど無くなり、大きな白い骨が見えていた。
たっぷりと肉を食い終えた狼が次に目を付けたのは、年の割に大きな
乳房だった。
「さてと…特に俺はこれが大好物なんだ」
大きな口でばくりと左の乳房に甘噛みすると、その肉の柔らかさを
量るようにゆっくりと牙を食い込ませる。そして力を込めると
ブツン!
今度は腿や性器の時と違い、顎の力だけで食いちぎる。
大きな胸のあった所は、真っ平らになり、肋骨が見えていた。
「ああ…私のおっぱい…無くなっちゃった」
痛みの中、直ぐ目の前の女性のシンボルである乳房が無くなったことに、サツキは喪失感を覚えていた。
狼は好物の甘い肉をグチュッグチュッと下品な音を立てて
咀嚼している。若い乳房の肉は、もちもちとした薄い皮膚が破れると、
そこから甘い肉汁が溢れ、狼の口の中を満たした。
凶悪な魔獣の顔が、その肉の旨味に思わずほころぶ。
狼はその食感が無くなるまで長い時間をかけて、口の中で咀嚼し、味わった。
名残惜しそうに飲み込むと、また隣の盛り上がりを
食いちぎり、同じように
じっくりと味わって、飲み込んだ。
ここまで肉を食われ、血を流しても、少女はまだ生きていた。
新鮮なまま食事が出来るように、なかなか死なない魔術がかけられていたのだ。
狼は最後のしめに、その大きな臀部に食らいついていた。
剥き卵のように美しい曲線を帯びた尻肉は、柔らかいながらも歯ごたえがあり、
腿や乳房とも違う美味を持ち合わせていた。
「ずいぶん大人しくなってしまったが、褒めてやろう。お前の尻肉も
最高に美味いぞ。 しかし、この土地に来たとたん、まったく良い獲物に
巡り会えたものだ。」
サツキはぼうっとした頭で考えていた。まさかこんなに早く冒険が終わっちゃうなんて。
こんなはずじゃ無かったんだけどな。私は運が悪かったのかな。
普通に街で女の子として暮らしていけば良かった。自分は世の中を甘く考えていたんだ。
頭の中をいろいろな後悔がよぎる。だが、こうなってしまっては
もはやどうしようもなかった。
気がつくと狼はサツキの乳房、尻肉、腿、性器と美味しいところだけ食べて
居なくなっていた。
「一体、誰が私にとどめを刺してくれるんだろう」
空は明るくなっていた。
サツキの残りの肉は、スライムや大蝙蝠、小動物が片付けてくれるだろう。
少年少女の胸をわくわくとさせるような英雄伝の
裏でも、現実このような凄惨な出来事も多かったであろう。
決して伝説には残らない、たったの2時間で終わった、
一人の少女の冒険譚であった。
おわり
最終更新:2008年08月07日 20:10