燃え上がる畜舎の中から牛を助け出す試みは何度も繰り返されたが
その全てが失敗に終わった。
畜舎が炎に包まれる中、牛の鳴き声は徐々に小さくなり、消えていった。

村の長は焼け跡に残された牛の死骸を前に途方にくれた表情を浮かべていた。

「あの牛がなければ…」
孤島の中の小さな村
人より大きな獣がいないこの島で唯一の大型の動物であるこの牛は
村の人たちが命がけの航海とありったけのお金で買ってきたものだった。
今更代わりの牛を買ってくるなんてことは出来ない相談だった。

村長は焼け落ちた畜舎の後ろにある枯れつつある大木に視線を移した
「あの木が枯れるまでに新しい木を植えなければ、わしらは飢え死にしてしまう」

植生に乏しい島の中で不釣合いなほど大きなこの木は、
彼らの生活を支える存在だった。
大きな実は飲み水のない島での飲用食用になり、
頑丈な葉っぱは家の資材、繊維に包まれた木の皮は衣料品と
ありとあらゆる用途で島の生活を支えてきたこの木を島の住民は「生命の木」と呼んでいた。

そんな生命の木の寿命はほぼ100年。
いまある生命の木は樹齢100年に近づいていて、新たな木を育てる必要があった。
問題は、生命の木を植えるためには苗床に大きな動物が必要なことだった。
動物の体内でその栄養を吸って発芽するためだった。
言い伝えに聞く生命の木の育成のために危険を犯して海の向こうへ
牛を買ってきたのはそのためだった。

村長は島の女達が枯れつつある生命の木からわずかになった実を取っている様を
呆然と見ていた。
「あの木はどうなるの?」
そばにいた村長の娘姉妹が心配そうに聞いてくる。
「ああ、お前達は心配しなくてもいいんだよ。今夜のために実を取っておいで」
娘達の姿を見ながら村長は溜息をついた。

その夜。村長は自らの家におもだった人たちを集めて善後策を考えたが結論は出なかった。
「今の俺たちに新たな牛を買ってくる金なんかない」
「あの木を見たか?仮に金を工面したとしても買って帰ってくる頃には枯れてしまうだろう」
「島の中の動物はどれも小さすぎて苗床にはならない」
「この古文書によると人でも苗床になるらしいのだが…」
「誰が苗床になるというのだ?」
そこで誰もが押し黙った。
鳩首を並べて押し黙る人々を遠目に見ていた影があった。

夜が更け、一旦お開きになった会合の後始末をする娘姉妹を見ながら
村長は悩み続けていた。
たしかに、人でも苗床になるし、その方法も言い伝えで残されている。
しかし、苗床になったものは栄養を吸い尽くされて死んでしまう。

簡単に誰かに頼んで済ませられる話では到底なかった。

かといって今のこの島のどこにもその代わりになるものはなかった。

生命の木なしではこの村の生活は成り立たない。

夜が更ける中悩み続ける村長。

そのころ、村長の家からほど近い草むらで
村長の娘達が何かを話込んでいた。



翌朝、憔悴しきった村長の前に決意の表情を浮かべた娘達がいた。
二人の娘はこういった
「父上、私たちを苗床にしてください」

村長は仰天した。
「そ、そんな話をどこで聞いたんだ?」
娘達は目を輝かせて
「昨日の話を物陰で聞いておりました。
村のためなら私たちは苗床になるのも本望です」
村長は娘達となおも押し問答をしたが、村長に他の答えはなかった。
その日の会合の結果、村長の娘達が生贄になることに決まった。


「後はどっちが苗床になるかよね…」
会合の後、姉のユナは妹のマナにそういった。
「苗床になるのは一人だけよ。
いいだしっぺはあたしなんだからマナはお父さんのそばにいて」
この話を最初に聞いたのはユナだったのだ。
しかし、マナは
「嫌!あたしだってお姉ちゃんが苗床にされるのを黙って見ているなんて嫌だもん」
マナのまっすぐな視線に複雑な表情を浮かべるユナ
「そう、じゃあこうしましょう…」

村長は目の前の光景が直視できなかった。
儀式のために用意された小屋
全裸になったユナは手足を縛られた状態で
牛のために用意されていた台の上に寝かされていた。
「いいの?」
マナは太い棒を手に持ってユナに聞いた。
その太い棒の先端に大きな種がついていた。
これをユナの膣に押し込めばユナの膣や子宮から栄養を取って発芽するのだ。
「ええ、心の準備は出来たわ。いつでもいらっしゃい。」
この役割をマナに指定したのはほかならぬユナ自身だった。
ユナが苗床になることに決まったとき、同時にマナに言ったのだ
「あたし、男の人と一緒になったことがないの。
だから、その代わりにマナに私のはじめてを受け取って欲しいの」
そのセリフを思い出したマナは決意の表情を浮かべた。
「父上、後で呼ぶから今は部屋の外へ行ってて」
村長が部屋の外へ出たのを確認すると、マナは服を脱ぎだした。

「お姉ちゃんの肌の感触、思い出にとっておきたいの」
そういってマナはユナに口づけをする。
お互いがお互いの味を記憶にとどめようとする途方もなく長いディープキスだった。
その後、マナは動けないユナの乳房をまさぐりながら、秘裂をほぐしてゆく。

マナはユナの太腿の間に自分の太腿を擦り付けてゆく
「ああ…マナ…ぅん…」
ユナも不自由な足を使ってマナをからめる。
マナの蜜壷にユナの太腿がこすれ、ユナの秘裂をマナの手が刺激する。
お互いがお互いをむさぼりあう時間が流れた。

「…いくよ…」
マナは種のついた棒をユナの大きく広げられた股間に割り込ませる。
ユナはうなずきで返す。
マナがユナの秘裂へ棒を押し込んだ
「…っ!!」
ユナが破瓜の苦痛に顔をゆがめる
「大丈夫?」
マナは痛みに耐えるユナを気遣う
「だ、大丈夫…だから」
マナはそれを聞いてさらに棒を奥へと押し込む。
ユナは必死にこらえる。
濡れた股間へマナの差し入れる太い棒が破瓜の出血をまといながら
奥へ奥へと差し入れられる。
十分に濡れた股間でもそのサイズを超える種と棒は
それを呑みこむユナの膣に悲鳴を上げさせていた。
マナもせめてわずかでも苦痛の時を短くしようと
苦痛にうめくユナの顔から目をそむけつつも
メリメリとユナを貫いてゆく。
やがて、ユナの股間に根元まで差し込まれた棒は、
そのままユナの血と愛液を垂れ流す股間を蓋する形でとどめ置かれた

肩で息をするような状態のユナにマナは口付けを交わした。

マナはその後縛られたままのユナに食事を届けてやっていた
「お姉ちゃん、今どんな感じ?」
両手が縛られているのでマナが食事を食べさせてあげている
「そうね、今はお腹の中にあれが入っていると言うだけ。
でも、そのうち私の中の種が出てきたら…そう思うとちょっと不安になってくるかな」
これからユナはあの種の「養分」になるのだ。
不安でないほうがおかしい。
ユナがちょっと伏目がちになっているのを見て取ったマナはその唇に口づけを浴びせる
「あたしが…最期までみていて…あげますから…」
ユナはうなずきながらマナとの口づけをたのしんでいた。


その夜、ユナがとどめ置かれた小屋から何かを引き裂くようなうめき声が聞こえた。
それを聞いてマナが急いで小屋に行ったとき、それは始まっていた。
「ぐうう…あがあああああ!!!」
股間に埋められた棒を振り乱すように体を弓なりにそらしながら
ユナはこの世のものと思えないような声で呻いている。
下腹部を中心に血管のようなものがユナの体を走る。
根を張っているんだ…
目の前に妹が来たのにもユナは気づいていない
目をむきながら体が発芽した種がユナの体をむさぼる苦痛に耐えていた。

ユナは体を弓ぞりにさせながら暴れまわる。
股間からは透明の愛液と血がとめどなくこぼれる
体を食い破られるような苦痛に耐えてるのだ
「お姉ちゃん!お姉ちゃん!」
マナがユナにかける言葉も聞こえていなかった。
腰を振り乱して絶叫するユナの体のところどころから根っこが飛び出る。
ユナは体中に血管を浮き立たせながら体を根が食い荒らす痛みに悶え続ける。

絶叫が途絶えた。
ユナが気絶してしまったのだ。
気絶したユナに構うことなく根はそれ自体が意思を持つように
ユナの体を動かしながら体中に根をはっていく。

それをマナはじっと見続けていた。

ユナが目を覚ましたのは翌日の夕方だった。
「う…ううん…」
ユナの体のあちこちに根が浮き出ていて一部は体を破って飛び出ている。
股間は棒を押し出して緑色の小さな芽ユナの血を被って飛び出ていた。
それでもユナは生きていた。
「マ…マナ?」
名を呼ばれたマナはそのままユナに抱きついた
「お姉ちゃん!お姉ちゃ…ん…怖かった…よう」
昨夜一晩感じていた不安を叩きつけるようにマナはユナを抱きしめた。


それからユナは食事を取らなくなった
「お水だけでいいの…全然食欲がわかないから」
そういってマナの差し出す水をごくごくと飲む。
「あ…」
ユナはマナにつぶやく
「私の飲んだ水がそのままお腹の中に染み込んでいくの
そして、それがそのままあの植物に吸い取られる感じ。
すごく気持ち悪い。私のなにもかもが吸い上げられているようで」
マナは股間から伸びる植物の芽を見つめた。


やがてユナの体に張った芽は徐々にユナを蝕んでいった。
「お腹…もうぺったんこだね」
ユナの下腹部は植物の根っこが薄い皮を被ったようになっていた。
中に入っていた内臓が吸い尽くされた証拠だった。
ユナの膣も子宮も植物に吸い上げられて養分になっていたのだ
「もう…子供作れないよね」
マナが悲しそうな顔で言うのを見てユナは
「私の子供はそこにいるじゃない。あの生命の木が私の子供よ」
つとめて笑顔で答えるのが悲しかった。

ユナが動かなくなったのはその3日後だった。
マナが問いかけても虚ろな答えが返ってくるばかりだった
「マ…ナ…」
かすれるような声でマナを呼ぶ
「もう……手も…足も…感覚が…ない…
マナの…顔も…見えているのか…よくわからない…の…」
ユナの体は植物が喰い破った根で覆われていて、その先は顔にまでかかっていた。
「…マナには…私の最期を…見届けて…欲し…い…」

そういうユナにマナは泣きながらうなずくのが精一杯だった。

それをみたユナは満足そうに微笑んで、目を閉じた。


次の日、ユナは小屋から運び出された。
大きく育ち始めていた生命の木を地面に「植える」ためだ。
すでに言葉も出なくなっていたユナも生命の木の根と一緒に埋められる。

大きく掘られた穴に生命の木の根に覆われたユナが横たえられる
ユナに土がかけられていく。
マナはそれを涙を流しながらじっと見ていた。
ユナの顔を残してユナが埋まったのを見たマナはそのままユナに近づいていく
「これで…お別れだね…」
そういって表情の消えたユナにキスをした。
最期のキス。
伝わる味は数日前のユナのそれと変わらず、肌のぬくもりも残っていた。
わずかに目を開けたユナはわずかに微笑みを浮かべた。

ほどなくユナは再び目を閉じ、ふたたび開くことはなかった。

ユナは完全に埋められた。



2ヵ月後、マナはユナの植えられたところへ行き、顔のところを掘り返した
そこには植物の根に浮かぶようにしてユナの顔が浮かび上がっていた。
もう、それは生きている人間のそれではなく植物の根そのものになっていた。


その年は、例年に比べて雨に恵まれなかった。

雨以外の水源に乏しいこの島では雨が少ないことは致命的だった。
せっかく植えられた生命の木も、30センチくらいになったところで成長を止めてしまった。
葉っぱも落ちはじめていた。

残らず葉が落ちた生命の木は伸びなくなった代わりに徐々に太くなりはじめた。
「このままだとユナの栄養を吸い尽くした後は枯れてしまう」
村長はそういった。
わずかな雨で育てない生命の木は、地の水の代わりにユナの骸から
栄養を取ることで伸びようとするのだそうだ。

しかし、発芽で栄養を吸い尽くされたユナにそう多くの栄養は残っていないはずだった。
その夜、マナはいつかのようにユナの顔の辺りを掘り返した。
植物の根に浮かび上がるユナの顔は心なしか苦痛に歪んでいるように見えた
「お姉ちゃんも苦しんでいるんだ」
生命の木が大きくなった後より多くの栄養をもとめて抜け殻になった
ユナをむさぼっているようだった。
ついマナは視線をそらす。
そこにあったのはもはや一つの葉もつけなくなって棒のようになった生命の木だった。
その姿にマナは既視感を感じた。
かつてユナを苗床にした棒が脳裏に浮かんだ。
「お姉ちゃん?そういうことなの?」
マナがユナの顔に向きかえる。
動くはずのないユナの表情からマナは何かを読み取った。

「お姉ちゃんもお腹空いてるんだ…」

マナは衣服を脱ぎ始める。
月夜にマナの裸身が光を受けて輝く

マナは不意にユナの言葉を思い出した
「あの生命の木が私の子供よ」
お姉ちゃんとその子供のためなら…



マナは目の前にそびえる生命の木の上に腰を下ろした。
生命の木を慎重に持ちながら自らの秘裂へと導く。
「く…つ……」
ユナと同様に今まで男を受け入れたことのないマナの膣が
初めて受け入れる破瓜の苦痛にきしむ

「おねえ…ちゃんも…こうだったの?」
目の前のユナの顔にそうつぶやく。
マナは少しずつ体重をかけながら自らを串刺しにしていく。


「…う…はぁ…はぁ…」
半分埋まったころ、マナの膣の中にうごめくものを感じた
「あたしの膣内で…動いてる…」
思ったとおりだった。
生命の木はより栄養の豊富な苗床の存在に気づいてマナから栄養をとろうとし始めた。

うごめく生命の木はマナに苦痛以外のなにかをほとばしらせはじめた
「あぁ…ふぅん…や!」
それが快感であるのに気づいた頃、生命の木は根元までマナに咥えられていた。

マナの膣内を探る感覚。
そして、膣や子宮に少しずつ根が張られ始める感覚を覚える

マナはそれらがもたらす微妙な快感を求めて少しずつ腰を動かし始めた
「ああん…や…あん…」
漏れる声、そして目の前に見えるユナの顔。
マナはまるでユナに抱かれているかのような錯覚を覚えながら
腰をグラインドさせる。

自らの胸を開いた両手でもみしだきながら
徐々に腰の動きを激しくさせる。

「ふあ…あぁ…あ…」
マナの膣内の木が痙攣するように動いた

そして

「え? やぁぁぁああああっ!!!!」
膣内が爆発したように感じた。
生命の木が一度に大量の根を張り巡らして膣内を満たしたのだ
その一部は子宮にも入り込む。

失神しそうなほどの感覚の奔流の中、真っ白になったマナの頭の中に懐かしい声が響いた
「マナ?マナなの?」
ユナの声だった。
「おねえ…ちゃん?」
そう、そうだった。この生命の木はユナの体を苗床に成長した木だった。
生命の木はユナの子供であるとともにユナそのものでもあるのだ。

下腹部に満ちた生命の木の根が養分を求めて膣に根を張り、子宮を犯そうとする
快感の中に鈍い痛みが蘇りつつある
「これが…マナなの?マナの膣内…あたたかくて、気持ちよくて…」
ユナの声が悦楽を帯びたものになる
「…美味しい…」
ああ、今あたしはユナに食べられてるんだ
じゅるじゅると下腹部から響く音。
それはマナの膣や子宮から栄養を吸い上げる音だった。
「でも…おねえちゃんなら…いい…もっといっぱい食べて…
…お姉ちゃんのお腹があたしで一杯になるまで食べて……」
そうつぶやく声に導かれるようにマナの膣内の根はマナの下腹部を侵食する

「ああ、あたしのお尻が吸い上げられていく?お姉ちゃん?あたし美味しい?」
「とろりとしていて、甘くて…とても美味しいわ。
マナのお腹の中も食べちゃっていい?」
「嬉しい…食べられて嬉しいってなんか複雑な気分。
でも、いいよ…お腹一杯食べてね…」
食べるものと食べられるものが会話を交わす。
マナの体をむさぼる生命の木はそのままマナの内臓から養分を吸い上げていった。

「もう、胸もほとんどなくなっちゃったね…」
生命の木の根に食い荒らされて見る影もない胸を見下ろしながら
マナはつぶやいた。
「とっても美味しかったから…もっと味わって食べたかったな」
「ありがとう…あたしのおっぱい、どんな味がするのかな…」
「今まで人間のときに食べたどんなものより美味しいわ…
…でも、マナはこの味わからないのよね?」
ユナは少し残念そうな声で言った。
「ええ…あれ?何?これ…とっても甘い味が?」
マナの口の中に、ほのかに甘い香りが広がる。
今まで食べたことのない味覚だった。
「あたしも…なんか懐かしい感覚が伝わってきてるの。
まるで人間として生きてたときみたいな…お互いの感覚が溶け合ってきているのかな?」
ユナもマナもお互いに訪れた変化に戸惑う
「じゃ、これが…あたしの胸の味なの?美味しい…
…もっとあたしを食べて…そして…二人で溶け合おう…」
マナの体を蝕む根っこが伸びるスピードを増した
二人は徐々に溶け合いながらマナの体を食べあっていた。

数日後


久しぶりの雨が降ったとき、村人達が見たのは
大きく成長して実を結びつつある生命の木と、その表面に浮き上がる
ユナとマナの満足げな顔だった。

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最終更新:2010年05月06日 03:53