穏やかな陽気が漂う、ある晴れた春の日のこと。
ヒロは友人達と山へハイキングにやってきていた。
それは、ヒロの発案によるものであった。
なんでも、冬の間の運動不足で、肉が付いてしまったことが気になり、
身体を動かしたいとのことだ。
「さ、休憩所に付いたよ。ヒロ、お昼にしよう。」
正午近く、ヒロ達は、休憩所に行き着いたところだった。
開けた場所に木の椅子とテーブルがあり、そこから少しはなれてトイレが設けられていた。
「わたし、ちょっと…」
ヒロはそれまで我慢しており、早々に用を足しにトイレへ向かった。
その場所のトイレは、垂れ流し式便所だった。
個室には蜘蛛の巣が張りめぐっており、ずいぶんと使われていない様子がうかがえた。
「あんまり綺麗なトコじゃないな…早く済ませちゃおう。」
ヒロはパンツを下げ和式便器に跨ると、もよおしていた物を一気に解き放った。
小水の落ちた先には、何者かの気配があった。
頭に皿をかぶり、甲羅を背負っているその者は、河童と呼ばれる妖怪。
ここ数年この場所で干からびていた彼だったが、
頭の皿にヒロの聖水を浴びたことで、再び目を覚ましたようだった。
河童は頭上を見上げた。
金色の水が途切れた頃、河童の目に映ったのは、
ぷくりと膨らんだ、二つの肉の塊だった。
ぐうう。
数年ぶりに目覚めた河童は当然空腹で、そこに出会った肉は大層なご馳走に見えた。
よだれをぬぐうと、河童は壁伝いに肉の元へと上り始めた。
ヒロがティッシュで局部を拭ったその時、
ひたっと何かが尻に触れた。
「ひゃ!な、なにっ?」
ヒロが暗い便器の下を、目を凝らして見つめると、にんまりと笑う緑色の生き物がいた。
「きゃああ!」
ヒロは瞬間的にその生き物が河童だと判った。
そして以前聞いた、河童は人を襲い食す者だという話を思い出す。
ヒロは慌ててその場から逃げようとする。
しかし、尻が持ち上がらなかった。
「な、なんでっ?」
河童の手が吸盤のように尻にくっ付き離れない。
河童は舌なめずりをしてヒロの尻を見つめている。
「まさか、わたしのお尻を…」
河童はヒロのぷりんとした腰に齧り付こうと口を開ける…。
「このっ、離れなさいっ。確かに最近ちょっとお肉付けちゃったけど、
あなたに食べさせる為じゃないんだから!」
ヒロは無我夢中で河童の顔面を殴りつけた。
「グァアアア!」
河童は怒りを露にすると、ヒロの尻穴に指を押し込んだ。
「ひいっ!」
指は穴を押し広げ、手、腕とどんどん入っていく。
そして奥で何かを鷲づかみ、それを引き抜いた。
ずぼっ。
「ひあっ。」
河童の手には何か球体が握られている。
「ふえ、なにぃ?なんだか急に身体の力が抜けてくぅ…。」
力なくヒロは河童の懐に腰を落とした。
河童がヒロから抜き取ったのは、”尻子玉”と呼ばれるもので、
それを抜かれた人間はふぬけになってしまうのだ。
ヒロは焦点の合わない瞳で宙を仰いでいる。
その様子を見た河童は、再びにんまりと笑うと、
ヒロの臀部をぺろりと舐めた。
「やん。」
ヒロは目線を河童にやる。
「あなた、そんなにそれが食べたいのぉ?ふふ。まあいいわ、もう好きにしちゃって。」
ヒロは思考すらまともに働かなくなってしまった。
河童は今度こそヒロの尻肉に齧り付いた。
がぶっ!ぶちりっ!
「あん。」
がぶがぶ。むしゃむしゃ。
「あんああん。」
本来危険を知らせる信号として、脳に伝わるはずの痛みを、
今のヒロは快楽ととってしまうようだ。
もぐもぐ、もぐもぐ。
「良ぃ、なんだかすごくいいよぉ。もっとぉ…もっと…食べ…てぇ♡」
河童はそのヒロの尻肉の美味しさに、堪らず夢中で貪る。
ジューシーでとろけそうな舌触り。
ムッチリと脂っぽく、肉好きにはたまらない旨さだ。
がぶり。
「ひあああ♡」
尻穴回りの肉を食べられたとき、ヒロはオーガズムに達したらしく潮を吹いた。
じゅぷじゅぷじゅぷ。
その水分を得て益々活発になった河童は、
ヒロの膣肉から陰核、膀胱、子宮、卵巣と一気に食い進めた。
「はきゅうううん♡」
ヒロの新鮮な卵はふわふわと柔らかく、
ミルキーでなめらかな味わいがクセになりそうなおいしさであった。
「ひゅええぇ…あぷあぷ。もお、だみぇえ…。」
本来ショックで死んでしまう程の激痛を受け止めたヒロは、快楽と共に昇天していく。
「ねえヒロぉ、ずいぶん長いみたいだけど大丈夫?」
ヒロを心配して、個室の前まで様子を見に来た友人の声がする。
ホワイトアウトする意識の中で、ヒロにその声は届いていただろうか。
おしまい
最終更新:2010年05月06日 04:44