満月が照らす森の中
うっそうとした森の奥に一本だけそびえる大きな木

その木の枝にわたし達は吊るされている。
枝は足がかろうじて届く高さで、背の低い娘は足をブラブラさせている。
誰もが一糸まとわぬ姿のまま両手を枝に固く縛られていた。

わたしの名はノノ。
吊るされているのはわたしを含め10人ほどの近くの村の娘ばかり。
この森の近くの村に住む娘のうち選ばれたものが毎年こうやって木に吊るされている。
この森に住む鬼のための生贄として。

わたしはふと視線を目の前の森の向こうに向ける
満月のおかげで眼下に広がる山すその風景が浮かび上がっていた。
その向こうに見える海岸線と海。そして、かすかに小さな島も見えた。

わたしは生まれてからこの山の中の村でしか暮らしたことがなく、
眼下に見える海を見たことがないまま生涯を終えることになるのだ。

「行ってみたかったなぁ。海ってあれが全部水なんだよね。」
普段水汲みで苦労してきたわたしにはあれだけの水があるなんてちょっと信じられなかった。
「あの向こうの島にも、人が住んでるのかな…」
そう思いながら視線を近くに向けると、黒くて大きな影がこっちへ向かってきた。

鬼たちだ。

吊るされた娘達の中に緊張が走る。
泣き出す娘もいた。
しかし、誰一人として逃げ出すことは出来ないのだ。

鬼の姿かたちは意外とわたし達人間と大差ない。
生贄と交わって子供を作ってきたおかげで徐々に人間に近づいていったかららしい。

鬼達は顔を見合わせながら思い思いにわたしたちのもとへやってきた。
何をされるかはわかっていた。
鬼の一人が背の低い少女の足を掴んで開かせる。
少女は泣き叫ぶが、抗うことは出来なかった。
鬼の股間に屹立する巨大なペニスが少女を引き裂くように
彼女の幼い女陰に割り込んでいく。
悲鳴がひときわ大きくなり、首を振り乱しながら暴れた。

「ナツちゃん…」
村で一番歌のうまかった彼女が、今、その声をからしながら
鬼に犯されて泣き喚いている。

そして、それは私の運命でもあった。
他の娘達にも鬼が近寄って犯し始めたころ、わたしのところにも鬼がやってきた。

わたしのところにきた鬼は他の鬼たちよりひときわ大きく、逞しかった。
そして、そのペニスも強固な杭のようだった。
「ひっ…」
一瞬目をそむけてしまうくらいにそのペニスは凶暴なものに見えた。
わたしの足を広げて鬼はそのペニスを力ずくで押し込んでいく。

メリメリ…
たしかにそんな音が頭に響き、股間から体が二つに引き裂かれる痛みが走った。

「うぎぃ!!」
そのまま鬼は力ずくでわたしの膣内に大きなペニスを押し込んでいきました
わたしは体内を無理やり押し広げられる苦痛に悶える。
今まで男性を知らなかったわたしの純潔を踏みにじることに快感を覚えるように
奥へ奥へとわたしの中を犯していく。
子宮口へ達したら、一旦引いては叩き破るかのような勢いで再び突いてくる。
その度に引き裂かれる痛みがズキズキ疼く。

内臓を容赦なく抉られるような痛みに涙を浮かべながら、わたしは鬼の激しい突き上げに耐える。
せめて…少しでも早く終わるように念じながら目を閉じた。
「おっかさん……助けて!」
誰の声かわからない声が響く
生贄の誰かかもしれないし、わたしが上げた声かもしれない。
その区別もつかないほどにわたしは鬼に犯されていた。

意識がどこかへ消えていた。

知らぬ間にわたしは喘いでいたのかもしれない。
泣き叫んでいたのかもしれない。

それすら鬼の乱暴な動きに塗りつぶされていた。

そして…突き上げが私の体を飛ばすような勢いになった刹那
胎内に溶岩のような熱い塊が注ぎ込まれるのを感じた。

「ぁ…ぁ……」

股間からとめどない熱い液体がこぼれ落ちるのを感じていた。
わたしたちは股間から流れおちる鬼の精液をだらしなく垂れ流しながら泣いていた。

そして、他の娘達も同様になった頃、新たな鬼達がやってきた

それから、わたしたちは新たな鬼達に犯され続けた。
数を増した鬼達にお尻の穴も、口も、アソコも犯され続けた。
いつしか体中に精液をまといつかせるのが当たり前になっていった。
しかし、わたしたちは知っていた。
これが、ほんのはじまりに過ぎないことを

夜が明け、散々に犯されたわたしたちを鬼達が名残惜しそうな顔で見ながら去っていった。
「ノノ…やっと…終わったね」
ナツが枯れた声でわたしにそういった。
繰り返された喘ぎと悲鳴でかつての声はもう戻っていなかった。
ナツと、わたし自身を慰めるためにこういった
「次の満月…それまではもう何もないよ」

そのはずだった。
そして、次の満月には…わたしたちは食べられてしまうのだ。
あの鬼達に。

わたし達の体に変化が訪れたのはその後からだった。
吊るされっぱなしで感覚がなくなっていたわたしたちの手が徐々に茶色く変色し始めた
まるで枝と一体化したようだった。

それとともに、わたしたちは空腹を感じなくなり始めていた。
誰もおなかがすいたとも喉が渇いたとも言わなくなっていた。

そして、日がたつにつれて、お尻が膨らみはじめていった。
それは日増しに大きくなっていき、やがて下腹部とともにぷっくり膨れ始めた。

そして、満月が近づいた夜。誰ということなく体中から不思議な香りが漂い始めた
まるで、桃の実のような。

誰もが、半ば木と一体化したようにぼんやりとした視線を漂わせた満月の夜。

鬼達がやってきた。

わたしたちは覚悟したような表情を浮かべていた。
もう、動くことも出来なくなったわたし達に鬼たちに食べられる運命から逃れることは出来ない。
せめて、痛くないようにしてほしい。祈ることはそれだけだった。

鬼達は、手に手に大きな鉈を持っていた。
一人の鬼が、端の娘の足の付け根に鉈を当てる、
娘が顔を引きつらせた瞬間、鉈がすごい速さで娘の両足を切断した。

上がる悲鳴、ゴトリという不気味な音とともに地面に落ちる両足
奇妙なことに、切断面からは血は流れなかった。
かわりに透明で甘い香りを放つ果汁が滴り落ちた。

鬼達の鉈は次々と娘達の足を切り落としていった。
私の足にも、あの大柄な鬼が鉈を持ってやってきた

ヒヤリと鉈の感触が伝わり、それが離れた次の瞬間
激しい衝撃とともに足の感覚がなくなった。

ゴトゴトッとわたしの足が地面に落ちる音を聞いた。

全員の足が太腿から切断された後、鬼達は指笛を吹く。
どこからともなくやってきたのは獰猛そうな野犬だった。
野犬たちは地面に転がるわたしたちの太腿の肉や
ふくらはぎ、すねの肉をかじって食べていった。
弾けるような歯ごたえと肉質を持つ豊かな丸みを帯びた太腿は、争うようにして食べられた。
娘達の足の肉は野犬にとってこの上ないご馳走だった。
そして、木に吊るされたわたしたちは自分達の足が食べられるのを見ているしか出来なかった。

足が骨を残して食べつくされ、残った骨が野犬たちにしゃぶられていた頃、
鬼達は娘達の尻に手をかけた。
鬼がひときわ強く腰を引くと
ブチッという音とともに、丸く膨れた尻と下腹部が千切れた。

体から離れた腰は、丸い尻とともに芳香を立ち上らせながら地面に落ちる
それを鬼達は大きなお盆に載せて運んでいった。

私の番は、すぐにやってきた。
すっかり重くなった尻に、より一層の負荷がかかり…

ブチッ

という音とわたしのお尻が千切れる感覚を味わった。
そして、音はそれだけで終わらなかった
ゴロゴロ…

何の偶然か鬼達の予想せざる方向に落ちたわたしのお尻はそのまま茂みの中へ消えていった
鬼達が軽い騒ぎを起こしながら茂みの中へ分け入っていった。
それを見ていた私の横で、新たな音が聞こえた
ナツのお尻が千切れる音だった。

娘達の中で、おなかから下が残っているものはいなくなった。
これからが鬼達の楽しみだった。

鬼達は、大きな鉈を包丁に変えて、わたしたちの上半身を切り分けては食べはじめた。
柔らかい内臓は、艶を帯びたまま生で鬼達の口に入り、
胸の肉は茂みから飛び降りた山猿があばら骨とともに齧り取る
乳房は鬼達が丁寧に切り取ってはぷるんっとした肉がたっぷりの女の味をはじけさせながら
思い思いに食べられていった。

そして、鬼たちが去った後残った顔や腕のわずかな肉を、野鳥がついばんでいった。
わたしたちは、それをどうすることもできないまま食べられるに任せるしかなかった。
いつしか、意識が薄れていったわたしの目に浮かんだのは、つるされた直後に見た
海岸と海、その向こうの島の眺めだった。

その瞳も、すぐに野鳥が嘴でついばんでまるで卵のように噛み割った。

娘達が生涯を終えた翌日。
祭壇の上に娘達の残った尻が芳香を漂わせながら並んでいた。

丁寧に祈りを捧げた鬼達は、先を争うようにして娘達の尻にむしゃぶりついた。
程よい弾力を持つ娘の尻肉は、かぶりつく鬼達の牙におしげもない果汁と香りを漂わせては
噛み千切られていく。

一人の鬼がナツの尻のなれの果てにかぶりつく
柔らかな尻肉は、噛み千切られるとともに乙女の芳香を撒き散らし、
鬼の口の中で甘く広がる。
滴り落ちるピンク色の汁にもナツの味と女性の匂いが充満していた。

ナツの肉はかみ締めるほどにぷるんとここちよい弾力を維持していたが、
それもやがて鬼の口の中で咀嚼されては甘い汁と女性の香りを残して飲み込まれていった。

そして、尻の果肉が食べられていくにつれ、その真奥の空洞が露になる。
その中では、小さな小さな赤ん坊が、身を縮めて眠っていたのだ。

生贄に鬼の子種を残した娘達は、このような形で鬼達の子供を身ごもっていたのだ。
手に手に赤ん坊を取り上げる鬼達と、残った尻の肉にむしゃぶりつく鬼達。
喧騒の時間はそう簡単に終わりそうにはなかった。

茂みに落ちたノノの尻にも、鬼の子供は眠っていた。
ノノの尻は、茂みからわずかな隙間を転がり落ちて小さな沢に落ちた。
沢に落ちたノノの尻は、流れに乗って川に流れ、そのまま川下へ下っていった。

川下の村から洗濯に来ていた老婆が、ノノの尻のなれの果てを見つけたのは、
それからしばらくした後のこと。

老婆が拾ったノノの尻から生まれた子供が「桃太郎」と名づけられたことと、
その子供がノノが最期に眺めた海の向こうの島へ行って自分と同じ鬼達を
こらしめていったことはまた別の話である。

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最終更新:2012年01月05日 18:30