魔獣が捕獲されたらしい。

最近、近くに旅人や街の人間を襲い、
食らう魔獣が出没するとは聞いていたけれど、
それほど興味を惹かれる話題ではなかった。

特に外に用事のない街娘の私には、特別脅威でもなかったし、
頻繁ではないけど、魔獣自体特別が珍しいものでもなかったのだ。

ただ、生きたままというのは初めてだったのだ。

兵隊さんに捕まえられたという魔獣は、
どこにこんな、というほどの大型の檻に入れられ、
街の広場の隅に置かれ飢えるまで晒しものになるんだとか。

そんな話を勤め先の酒場で聞くと、今の時期、特に忙しくもないので
私は昼の休みにでも見に行くことにしたのだった。


小さくもないが特に娯楽も多くないこの街、
檻のある広場には魔獣を見に沢山の人が集まっている。

私も生きた魔獣をその目で見るのは初めてだった。
人混みの中、高台に置いてある檻に、その魔獣はいた。

長い毛で覆われた、獅子よりも大きな身体に、獣のような頭。
二本足で立ってはいるが、大きな爪の生えた腕は危険なので
後ろ手を鎖で縛られ、両足にも枷が付けられている。

その狼のような虎のような顔は、魔獣といわれるだけあって、
ただの獣と違い…表情がある。
愛嬌もなく凶悪。そしてただの獣には感じられない、
ある意味人間らしいとも言える「欲」のこもったような表情。
これが、魔獣なんだ。檻の中にいるのに、少しぶるっと怖い。


魔獣は囚われの身ながら、人々の喧騒も気にせずに、
特に臆することもなく、ただ然と街の人々を見下ろしていた。

もう囚われて数日は立っているだろうから、弱ってきても
いいころだろうに。

最初は少し見て帰ろうと思っていたのだけれど、
そのちょっとした怖さに惹かれたのか…私は
いつの間にか列の最前列にまで来ていた。



最前列は檻から5メートルぐらいのところだった。
人々を見回していた魔獣の目が、こちらを向く。

気のせいかもしれないけれど、
魔獣の目が、私に留まった。

こちらを見つめる、私はその魔獣から目を逸らすことが出来なかった。
私は自分の鼓動が大きくなるのを感じた。
動けなかった。

欲に満ちた魔獣の目で見つめられる感覚。

まるで男に性的な目で見つめられるような、そしてそれを更に大きくしたような
そんな快感が身体の中でくすぶっているのを感じた。


何秒の事だったのだろう。私は列の流れに押され、
我に帰った。
魔獣もまた次々と流れる別の人間を見下ろしていた。


心臓の鼓動はまだ収まっていなかった。
気がつくと、肩の出たドレスなのに、全身に冷たい汗もかいていた。

そして、自分の下腹部は、
性的な興奮を覚えた時と…同じ反応をしていた。



その日一日は、熱に浮かされたように、頭がぼーっとしていた。
夕方からが本番の酒場の仕事も今日は体調が悪いと店長に言い、
早退した。

自宅のベットで横になったが、眠ることは出来なかった。

気がつくと、深夜になっていた。
街の中は静かになっていた。

だけど、胸の興奮は収まらない。
今日は月が出ていて明るい。
眠れない私は、ふらりと…昼間の広場に向かっていた。






深夜の広場は、人一人居なかった。
昼間の喧騒も嘘のように静まり返っていた。
店も閉まり、住宅から離れた薄暗いその広場の端に、
昼間と同じようにその魔獣だけがいた。


私は、最前列にあった、危険、立ち入り禁止と書かれた
柵を乗り越え、檻に近づく。

魔獣は起きていた。

月夜に光る、金色の目で私を舐めるように見ていた。

「私が、そんなに欲しかったの?」

魔獣が鉄格子に近づく。
私と同じ高さに頭をかがめ、鉄格子の間から、
匂いを嗅ぐように長い鼻を出す。

私は恐ろしい魔獣を前にして、昼間以上の
興奮を覚えていた。

私を見つめ、求めるいやらしい目。
私の肉はそんなに魅力的かしら?

飢えた人食いの魔獣は牙を光らせ、私を求め鉄格子いっぱいに
頭を押し付け、私の身体に牙を立てたいと歯をむき出しにする。

興奮で息が荒くなる。魔獣ではなくて私のだ。

人食いの魔物が私を食べようと、今目の前で涎を垂らしている
そんな性癖が自分にあったのか、それとも今目覚めたのかは解らないが、
私は、今のシチュエーションに興奮しているのだ。

私は、昼間の時から着ていた、肩まで出ているドレスの胸元をつかみ、下ろす。
街でも大きいほうだと自分でも自慢だったおっぱいがこぼれる。



半歩、半歩と、更に檻に近づく。

魔獣は昼間の落ち着きとは代わり、大きく興奮し、鉄格子を揺らしていた。
その目は大好物なのであろう、乙女の柔らかな2つの乳房。
いや、胸の甘い肉を見つめていた。

「そんなに食べたいんだ…私の自慢なおっぱい、美味しそうなのかな…?」

魔獣の口から涎が溢れるのが見える。
…でも、さすがに食べられるわけにはいかない。

私は、魔獣の口が届かないぎりぎりのところで、挑発するように胸を揺らす。

酒場の制服なので多少肩の出た、露出度のあるドレスは着ていたけれど、
破廉恥といわれることはしたことはなかった。
それがまさか、魔獣相手になんて。

だけど乳首は限界まで充血し、大きく硬くなっていた。
おっぱいの柔らかさをアピールするように揉みしだくと、
我慢できなくなった魔獣が、舌だけでもと伸ばし、舐めようとする。

それでもぎりぎり届かない。
滴たる生暖かい涎が乳房にかかる。

ざらついた舌の先が乳首をかすめると、その感覚に、
私は「あっ…」と声をあげた。

本当は飢えていたのだろう。目の前の魔獣はますますその食欲を
私に向け、興奮してくる。私もそれと同調するように息も荒くなる。



「はぁ… はぁ…私の…こっちも食べたいんじゃないのかな?」
私は後ろを向くと、次はスカートを捲り上げる。
下着は身につけていない。

胸と同じように肉付きのいいお尻が顕になる。
たっぷりと脂肪の載った、食べ応えのありそうなお尻を目の前に、
魔獣の目がいやらしく細くなる。ああ、これも好物を目の前にした顔だ。

「ほら、美味しそうかな?いっぱい肉がつまってるよ…?」

私はそのおしりを、胸よりさらに檻に近づける。娼婦が挑発するように、
いやらしくおしりを振り、アピールする。

格子からいっぱいまで出た魔獣の鋭い牙が、がちりがちりとおしりの前で噛み合わさる。

「はぁ…っ!もうすこしで、食べられちゃう!お尻食べられちゃう!」

目の前にあるご馳走をもう少しで食べられなくて悔しいのか、
舌先を突き出すと、その尻を舐め回す。

すこしざらざらとした感触の舌が、柔らかい私のおしりをなでる。
この肉はどれほど美味しいのかと、いやらしくなんどもなんども魔獣は舐め回した。



やがて舌はお尻の真ん中に…太腿まで垂れるぐらいに濡れた、私の「女の子」の部分にたどり着く。

他の部分とは違う味に興味を示したのか、必要に舌を伸ばし、
2つの餅のような肉をかき分け、中の味を確かめようとする。

私は、その焦らすような気持ちよさに、声を上げそうになった。
だけど、舌はそれ以上入ってこようとはしなかった。
私の女の子の入り口以上には、舌が届かないのだ。

「はぁ…はぁ…」

これ以上下がってしまっては、本当におしりを食べられちゃう…
でも、私はこの興奮を中途半端に終えることはできなかった。
私は…

「そうだ、「男の子」のほうなら…」

私は魔獣に前向きになると、スカートの前をめくる。
そこには、「女の子」と同じように完全に興奮し、
いっぱいまで充血し、大きくなった…ペニスがあった。

いわゆる両性具有といわれるもの。
私の地方の人間にはそれほど珍しくはないものだ。
私には陰嚢が無く、特徴が女性に近かったため女の子として育てられた。
現在の体つきを考えるとそれは正解だっただろう。

女の子の上の部分から生えたそれは、恥ずかしいけれど、
人よりは少し大きい。時々…オナニーはするけど、
殆ど使ってないから、女の子の部分と同じようにきれいな色をしていた。
大きさの割に皮はすこし余っていて、
完全に勃起してもピンク色の先が頭からのぞくほどだ。

私はその男の子の部分を魔獣がどう反応するのかとも思いながらも、
欲求不満だった女の子の部分を指でさすりながら、腰を突き出し
檻に近づける。

魔獣は同じように鼻を突き出すと、ペニスの先の匂いを嗅ぐ。
そしてまた同じように、牙をむき出し、ペニスにかじりつこうとする。
胸の時や尻の時ほど食べごたえのある部位ではないが、
魔獣の目は同じように食欲を私のペニスに向ける。

柔らかい皮で包まれた、齧り付きやすそうな、肉の詰まった生きの良いウインナー。
先から見えるピンクの部分からは肉汁がしみ出て、さぞや美味いのだろう。

魔獣は舌なめずりをすると、にじみ出た汁をなめとるように、先を舐め回す。
私は快感に震えた。とても気持ちがいい。私は女の子の部分をいじり、興奮から身体は絶頂に近づいている。

「はうううううっっ!」
魔獣の舌がペニスの裏筋を捉えると、私は達した。
ペニスから白い液が飛び出て、魔獣の舌を濡らす。

女の子の部分からも、液体が吹き出る。こんなに興奮して、
頭が真っ白になるようないき方ははじめてだった。
魔獣の舌は精液の味が気に入ったのか、未だペニスの先を舐め回している。

長い余韻のあとだが、まだペニスは萎えていなかった。
「も、もういっかい…食べてもらおうかな…?」

一度達したというのに興奮も性欲も収まらなかった。
もう一度この危険な快感を味わおうと、さっきと同じように腰を魔獣の前に突き出す。
格子の間から顔を出した魔獣が、目の前の餌に舌なめずりをする。
ただ、今度は肉のほうでなく、私の方を見て…。
その時、魔獣の目が、笑ったような気がした。

途端、魔獣は口を開け、舌をつきだしたと思うと…
「!!」 先ほどは亀頭にやっと届くだけだったように見えた舌が、
急に長くなったように伸び、ペニスを蛇のように巻き取り、しめつける。

私は、その一瞬、忘れていた恐怖が頭をよぎっていた。
声を出すまもなく、力強くざらついた舌でがっちりと捕まえられたペニスが、
抜かれてしまうほどの勢いで魔獣に引き寄せられる。

「きゃ」という悲鳴と、あっという間に私は引っ張られ、
魔獣を閉じ込める格子に身体を打ち付ける。

立ち上がり、本来の目の高さになった魔獣が、私のドレスに噛み付くと、
そのまま格子の中に引きずり込む。
「あぁ~…ぁ…」
あっという間だった。
私は声にならない声をあげた。恐怖で何もわからなかった。

何も抵抗できないまま、檻の床に投げ出されると、残ったドレスをあっという間に牙で割かれ、
裸にされる。

うごけない。指先すらうごかなかった。

冷たい床の温度が後頭部に伝わった時、私は我に帰った気になった。
考えると、何故この魔獣の舌は最後にだけ伸びたのだろうか。
いや、最初から長かったのだ。それを、私を捉えるチャンスがくるまで
隠していたのだ。

金色の目で魔獣がうれしそうに私を見つめる。
やっとご馳走の時間だというように。


魔法、魔術の類に魔眼というものがあるのを聞いたことがあった。
見つめたものの動きを止めたり、洗脳したり、強力なものだと石化させたりするものまで
いるという。

この獣は本当に人間に囚われたのだろうか。
より獲物の多い人間の街の中で、自分の大好物の人間の肉を、
そしてどの人間が美味しそうなのかをどれかをゆっくりと選んでいたのではないだろうか。

冷静な頭で考えると、いくらなんでも、今の自分の行動は異常だった。
この昼、目を合わせた時からの興奮は、おそらくは…魔眼によるものだったのだ。
今、声も、指一つ動かせないのも…

とどかない檻の中から鼻だけ伸ばし、「しょせんは獣」との戯れだと思っていた、
私のほうが最初から遊ばれていたのだ。

魔獣は震える私のほほを舐めると、首から舌…胸元、乳首、と、私を涎で汚していく。

魔眼の力が解けていないのか。
このような状況になっても、未だ私は興奮していることに気がつく。

魔獣が私のおっぱいを口に含む。
わたしのおっぱいは、魔獣の大きな口からでもまだあふれるほどだった。
肉の柔らかさを味わってるのか、口の中で舐め、舌でねぶり回す。
鋭い牙が乳首をかすめる度に、私は快感で震えた。

さんざん涎で濡れた私のおっぱいから、魔獣が口を離す。
舌を口にしまい、まるでスローモーションのようにゆっくりと、牙をむき出し…

私のおっぱいにかじりついた。

ゆっくりと牙の圧力で張りのいい乳房の形が変わる。
やがて血が滲み、まるで柔らかい果実のように…私のおっぱいは大きくかじり取られる。

「……~~~っ!!」

痛みは意外と大きくなかった。むしろ、かじり取られ無いはずの私の乳房から、
先ほどの愛撫とは桁違いなほどの大きな快感が、私の頭を襲ってくる。
痛みそのものが快感に変わったような…

魔獣は口に含んだ食べ応えのある肉の塊を、くちゃくちゃと音を立てながら咀嚼する。

血と脂肪の混じったものが口の間からこぼれ、私を汚す。
もはや、つながっていない私の乳房から、快感が伝わってくる。、
まるで、肉の外から、中から、細胞の一つ一つ、性感帯を噛み潰されているような
気持よさ。

魔獣はよく口の中で甘い肉を味わうと、ゴクリと飲み込んだ。
私のおっぱいだったものが喉を通って行くのが見える。

魔獣は私のおっぱいの味を気に入ったらしい。またあのいやらしい目で見つめる。
私は齧られ、なくなっていく自分の体に恐怖しながら、
その反面私の身体は魔獣に食べられる快感を求めていた。

魔獣が残りのおっぱいに齧り付く。
私は目をつぶった。くちゃくちゃ咀嚼する音と快感で頭がいっぱいになる。
私のおっぱいがミンチになっていくのが解る。

気がつくと、私のおっぱいはなくなって、そこから肋骨が覗いていた。
魔獣はご馳走がなくなったことを名残惜しそうに、
おっぱいがあった跡を舐め回すと、また頭を下に移動させていく。


お腹に牙を立てて、内蔵を貪るのかと一瞬思ったが、舌は下腹部まで達し…

魔獣の舌は先程も舐め回したペニスにまで達していた。

興奮のためか、血をだいぶ失っているというのに
未だ完全に起立したペニスがそこにはあった。

(そ、そんな、だめ…食べないで)

もしおっぱいであんなに気持ちが良かったのならば…もしあれば
ペニスだと、どんな快感がくるのだろうか。


魔獣はそんな私を見ながら、舌に涎を滴らせ、牙を見せつけながら…
剃刀のように鋭い牙で、根元から私のペニスを食い切った。

「!!~~~~~!!」


抗えない、頭を中から叩くような快感に、私は声にならない叫びを上げた。
同時に私は何度も達し、精液を吹き出していた。

くっちゃくっちゃ くっちゃくっちゃ

暗闇の中、ご馳走肉と精液をじっくりと味わう魔獣の咀嚼音が聞こえる。
少ない肉だがその味が気に入ったのか、口の中でじっくりと攪拌する。
私の性感帯そのものが、牙で噛み切られ、ほどけていく。

その度に私は快感に身体をびくんびくんと震わせていた。
口からは涎がたれ、もはや眼の焦点はあわない。

魔獣は私の胸元まで口を近づけると、その顎を開く。

口の中は、私のペニスから出た粘液と、血と、細切れになった肉。
舌の脇にピンクの肉があった。

それは私の亀頭だった。魔獣は私の目の前で、舌の上で亀頭を転がすと、
最後に奥歯でゆっくりと噛み潰した。

その瞬間、また絶頂に達すると同時に、私は快感で壊れてしまった。



魔獣は私の「女の子」の柔らかい肉も引き剥がし味わうと、
鼻先で私を裏返し、先程食べそこねた尻の肉にかぶりついていた。
私は意識も薄れ、死が近づいていることも理解していたけれど、
不思議と怖くはなかった。もはや快感しか感じなくなった頭で、いろいろなことを考えていた。

本当に檻の中生け捕りにされたのは、魔獣ではなくて街の人間のほうではなかったのだろうか。

快感の中で死ぬのも悪くない。自分は最初からこうなるのを望んでいたのでは
ないだろうか。

尻の肉を食べ終わった魔獣が、太腿に牙を突き立てた。
それが最後の記憶だった。

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最終更新:2021年05月06日 07:58