うっすらと視界に光が戻る。
ぼんやりとした意識が少しずつ戻っていく
…あれ?あたし…食べられて…
香織は、どうしたわけか誰もが動きを止めた学校の中で人を食べる怪物と遭遇した。
そして、香織は美香とともに逃げまどい、最後には捕まって食べられた。
…じゃあ、食べられて死んだ今のあたしは?
そう思いつつ体に違和感を感じながら身を起こすと、目に飛び込んだのは巨大な長い爪をもった手だった。
「あ、目が覚めた。」
声のした方に顔を向け、香織は軽い悲鳴を上げた。
そこにいたのは自分を食べた怪物だったからだ。
「いや…こ…来ないで」
香織は必死に手を振り回すが、その手はそれまでの香織のものではなかった。
「落ち着きなさいよ。その手で気づかないの?今のあなたの姿を見せてあげる」
そういって怪物は大きな鏡を香織に見せた。
そこに映っていた香織の姿は、目の前の怪物と同じ姿だった。
「な、何?どういうこと?これ、あたし?」
気が動転したまま必死に言葉を紡ぐ香織に隣にいた怪物が声をかける
「あたしも驚いたわよ。だって、食べられたと思ったらこんな姿になってたんですから」
香織は取り留めの付かない思考から戻れないでいた
「あ…あなたは?」
怪物は、香織がうすうす感じていた通りの答えを返した
「あたしは美香よ。ちょっと姿は変わっちゃったけど。」
それから香織は美香と周囲にいた怪物たちから話を聞いた。
どうやら自分たちがいるのは時が止まった世界であるらしい。
しかし、たまに時を止めた世界の中で動ける人間が現れる。
そんな人もいずれは動きを止めてしまうのだが、そうなると止まった時の中にも元の世界にも戻れない状態になり、
行き場を失った魂が形を持つようになったのが目の前の怪物たち、そして香織や美香の今の姿だということらしい。
「じゃあ、みんな元は人間だったの?」
「そうよ。ちなみにあたしはみのり。あの娘は志穂」
そういって指差す怪物たちは到底そんな名前だったとは思えない姿だった。
「…ま、すぐには信じられないでしょうけど、今のあなたの姿が何よりの証拠よ。」
そういわれると納得するしかない。
「それで、あたしたちはこれからどうなるの?」
「どうもしないわ。あたしたちと同じように過ごすだけよ。それよりそろそろお腹すいてない?」
そういわれたら妙な空腹感があることに気付く。
「じゃあ、これから食事に行きましょう。どこかいいところ知ってる?」
みのりが顔を向ける。
「食事って…」
「もちろんあたしたちの食事は人間の肉よ。特に男女は関係ないの。でも、せっかくだから綺麗な女の子を食べたいじゃない」
香織と美香は顔を見合わせる。
やがて怪物たちが集まってきて、どこの娘を食べるかの話をした挙句、一つの場所が決まり、飛び立っていった。
その後を香織や美香がついていく。
誰に教わったわけでもないのに自然に空を飛べることを驚きながら。
やがて、怪物たちは美香たちのいた女子高にほど近い学校に降り立つ。
香織の表情に曇ったものがあった。
「じゃ、これからいつも通り各自解散してあの娘たちをいただきましょう」
みのりがそういうのをきっかけに怪物たちが校門から娘たちを食べていく。
「あの…あたしたちも…ですか?」
美香がおずおずと尋ねる。
怪物になった今の姿にはなんとか馴染めた二人だが、今すぐ目の前の人間を食べろと言われても抵抗があった
「そうよ。好きなのを選んで食べちゃいなさい。早い者勝ちだからね」
目の前で談笑している娘から制服をはぎ取りながらみのりは答えた
「あなたたちもあたしたちと同じ体なんだからお腹すいてるはずよ。でも、普通の人間の食事はこの世界にはろくにないし、
あったとしても今のあたしたちの体は受け付けないわ。」
みのりは裸身になった娘を見せつけた。
「その代り、ほら。人間の裸身がとてもおいしそうに見えない?食べたくならない?」
ごくり…
ふたり唾をのむ。
少し前まで自分たちの体でも合った人間の女性の裸身がそこにあった。
中学校だったらしく人間だったころの香織や美香より体つきは幼かった。
みのりは見せつけるようにその裸身を首からかぶりつく。
噛み千切られた胴体から立ち上る女性のにおいを感じる。
食べたい…しかし…
二人は懸命に食べたい衝動を理性で押さえていた。
まだ人間の女の子だった記憶も怪物に食べられた記憶も新しい二人にとって
今の衝動に負けたら何かが壊れていきそうな気がしていたからだ。
校庭ではすでにあちこちで食いちぎられた女生徒の手足が散らばっていた。
美香の目の前に誰かの下半身が飛び込んできた。
スカートもショーツも引きちぎられて、大きく股を広げた状態で転がってきていた。
それをみて美香の心の何かが壊れた。
「もう…我慢できない…」
それだけを言って美香は放り出された娘の股間にむしゃぶりついた。
初めて食べる女の子の性器と尻の肉の味。
口の中でコリコリとたしかな歯ごたえを感じさせてくれる女陰と膣、そして、まろやかな味わいと柔らかさの尻の肉、
かむたびに広がる若い女性の芳香。
美香は取りつかれたように初めての女の子の味を楽しんでいた。
それをみた香織は後ずさりして走り去っていった。
嫌だ…嫌だ…
あたしは…怪物なんかなじゃない…
そう必死で繰り返しながら走っていった。
香織は、そのまま一つの教室に向かって走っていった。
それをみたみのりはあきれたような溜息をつきながら他の娘を物色し始めた。
香織は教室を探し回って、そこに目当ての人がいないのを確認していた。
すでにあちこちに食い散らされた娘の肉片が転がっていた。
それを食べたい衝動と闘いながら学校内をさがしまわり、更衣室を開けた途端、そこに探し求めていた娘がいた。
「詩織…」
そこにいたのは怪物にわしづかみにされたまま服を引きちぎられて半裸になった妹の姿だった。
「どうしたの?この娘がどうしたの?」
香織は必死に訴えた
「お願い、その娘は食べないで。あたしの妹なんです」
しかし、怪物の答えはすげなかった
「と、いわれてもねぇ。この世界じゃ早い者勝ちだし。食べずに残すなんてもったいなくてできないわ。」
そういってから続ける
「そうね、あなたが食べるなら譲ってあげてもいいわ。あなたここに来て初めての食事なんだし」
香織は言葉に詰まった。
「嫌なら食べちゃうわよ。どうする?」
大きく口を開ける怪物。
あの怪物に食べられるのか、それとも…
「あたしが食べます!」
香織はそれだけを言って、妹を引っさらった。
「そう?じゃあ、どうぞ。初めての食事ね。」
香織は目の前の半裸の妹を目の前に生唾をのんだ。
勢いで言っちゃった…
しかし、もう後戻りはできそうになかった。
怪物は香織を面白そうな顔で見ている。
今から…あたし…食べるんだ…詩織を…
「ごめんなさい…」
そうつぶやくと詩織の足にかぶりつく。
予想より抵抗なく詩織の足は胴体から噛み千切られた
口の中でポロポロにちぎれる足の肉から広がる味わいに自我が消えそうな感覚を覚える。
柔らかいけど、しっかりと詩織の足は香織の牙を受け止めていた。
口の中に広がる味は、今まで経験したことのないものだった。
これが…詩織の味なんだ。
もっと…もっと食べたい。
そう思った。
香織は足を食べつくすと露わになっていた胸にかぶりつき、肋骨についた肉をこそげとり、乳房とともに咀嚼する。
太腿とは違った女の肉の味わいに香織は恍惚とした。
詩織の肉…美味しい。
半ば麻痺した感覚のまま、香織は無我夢中になって詩織をむさぼった
すでに足はもぎ取られ、胸は内臓が見えるほどまで抉られた詩織。
しかし、その顔は平常と変わらないまま姉の変わり果てた姿を見ている。
それに耐えられずに目を下にそらすとスカートから除く股間が見えた。
ゴクリ…
生唾をのみこむと、香織は詩織のスカートとショーツをはぎ取ると、誘われるように詩織の股間にかぶりついた。
口の中でコリコリと歯ごたえを残しながら噛み切られる陰唇と陰核。
噛むほどに女性の香りが口の中に広がる膣と子宮。
弾力と甘みを伝える尻肉。
あたし、今詩織を食べているんだ。
その実感と不思議な幸福感が心を満たしていた
すると、声が聞こえてきた。
「ねえねえ、この学校にも調理場があったわよ。みんなもここで焼いて食べない?」
変わり果てた香織は、その声に導かれるように妹の残骸を抱きかかえて調理場へ向かった。
細い二の腕に、くびれた無駄のないお腹。
香織は腕の中で姉によって無残に食いちぎられた妹を見下ろしながら、それらが焼かれた時の味を想像して喉をならしていた。
焦げ目をつけながらも肉のうまみが残る二の腕、じゅうじゅう肉汁を垂れ流すお腹。
その中で凝縮したうまみを残しているであろう内臓の味わい。
それらの味を想像しながらうっとりした表情で香織は調理場へ向かった。
最終更新:2012年11月28日 22:22