事の発端はといえば脱走したペットの鰐から始まるものであろう。
 ずっと美味い餌をたんと貰ってでっぷり太っていた最初のイリエワニ――後の鰐族の族長になるのだが――はある日、突然日光浴の時間に飼い主の追っ手を振り切った。
 壊れないだろうと思われていた鉄の柵を強力な顎の力で噛み砕き、脱走ざまに飼い主の娘をパクリと平らげて逃げていった。

 だが、あろう事か飼い主はこの事の露見を恐れ誰にもこの事件を伝えなかった。
 飼育が禁止されているイリエワニを飼っていた事の他にもいろいろと知られてはまずいことがあったのか、娘は行方不明になった事にしてそのままにしてしまった。
 そして一人でイリエワニを探し、捕えようと思っていたのだ。

 どうせ餌もないのだから、絶対に帰ってくるだろう、という気持ちもあった。
 また、ワニが逃げた経験などない彼はこれから起こるであろう事が全て想定外だったというのもあった。

 なんにせよ、彼は食欲旺盛で肉を求める鬼である、イリエワニを野放しにしてしまったのである。

 そしてこの前置きを元に、人類の歴史から見てもとても強大な悲劇が巻き起こる。
 それは、最初は小さな小川の橋の下から始まった――。

 小学校の通学路にもなっている田園風景の中に見える小さな小川と、そこに架かる橋があった。
 昔から子供たちがザリガニ取りをして遊んでいたりしていた、彼らのもっとも身近な水のある場所だった。
 今日という日も小学生とおぼわしき人影が数人見られた。

「見て見てー!!いっぱいカエルさん取れたよー!」

 一人の六、七歳の女子小学生がこう言うと、周りにいた数人の同学年ほどの女子小学生もそこに集う。
 カエルに抵抗がないのはさすが田舎の女児といったところであろうか。

 だが、その次の瞬間その少女は一片の食料となる。
 いきなり、何の前置きもなくワニの食料センサーが少女を捕えた。
 栄養価の高そうな、美味しそうな、口どけのよさそうな、柔らかそうな……などの基準で少女が狙われたのだ。

 ガバッ!という音とともに少女の頭はワニの舌にくるめられた。
 突如のことで唖然としている少女を、ワニの喉は強引に顫動し食道へと胃へと送り込む。
 そして口を上に上げて痙攣させ、重力を使って少女のまだ発達していない胸までを呑み込む。

 ワニの口からは少女の美しい穢れのない肌色のお尻とそこから分かれる二本の足が覗いていた。
 とっさの判断で少女はその美しい足をばたつかせ少しでも脱出しようと試みるが、既にヘソ辺りまで舌にくるまれている少女が足をばたつかせてもより奥に入るだけであった。
 ワニは器用に舌を使い、少女のズボンとパンツを脱がし、少しでも消化しやすいように、栄養になりやすいように加工する。
 服が橋の上に舞う。そしてワニはあっという間に少女の足の先までその口の中に収め、満足げに口を閉じると胃の中でもがく少女を感じていたのだった。

 そこでようやく少女を取り巻いていた数人が我に帰る。
 あっという間のことで何がなんだか判らなかったものの、なんとなく理解できる。
 今ここにいることが危険なことも、そして彼女は食べられてしまっていずれうんことなって排泄されるという事も。

 まず、一目散に一人が逃げ出した。
 ワニのディナーになどなってたまるかと逃げ出そうとした。
 しかしそれは間に合わなかった。

 今度はさっきと対照的に足から少女は食べられた。
 岸辺に手をつき、絶対に食べられてたまるかと踏ん張って見せるもののワニの舌の力にはかなわず少しずつ後退していく。
 下半身が唾液塗れになった所で少女は「やだよぅ……食べられたくない」と言おうとし、しかし言い終える前に全身が唾液につかることとなった。
 あっという間にワニの腹のうちに収められたその二人目の少女は胃の中で最初の少女とぶつかり合い、しかしそれがいい胃の刺激となりより多い量の胃液が分泌された。

 だがワニの胃袋はこんなものでは収まらない。
 毎日飼い主から大量のエサを与えられて育ったとても太っているワニである。
 全長13mはあろうかというその巨体の中に小さくて美味しい女子小学生が二人はいったところでいまだ前菜にも過ぎない。

 ワニは残り三人となった少女たちをねめつける。
 誰もが同じような体系をしていて胸がない分一人一人の量は少ないが、しかし三人も食えば十分であろう、と今晩のディナーの品定めをする。
 三人は目の前で二人も瞬く間に食べられたのを見たせいかまったく動くことが出来ず、ワニは正にスーパーマーケットで品定めしているも当然であった。

 一つ決断をするとワニは三人に抱きかかる。
 ワニは思いのほか軽々と三人を抱きかかえたまま小川に入ると、そのまま小川の上流のほうに泳いでいく。
 三人の少女は気絶し、ワニは舌なめずりをし、そしてワニの腹の中では二人の少女が暴れて、しかしその衝撃も胃の壁に吸収され、そのショックで胃液が分泌され、消化されていたのだ。
 少女たちは今、着々とワニの栄養分となりウンコになる、そんな準備をしていたのだ……。

 小川の上流に、ワニの隠れ家はあった。
 ゴツゴツした岩がたくさん散らばっている中、一部だけ整えられている場所がある。
 そこでワニは寝るのである、おつまみを頬張りながら。

 三人の少女たちの目が覚めたとき、ワニの体内では既に二人の少女は生きながら溶かされつつあり、そしてワニはいなかった。
 どこにいったのだろう、とそんな事を言っている暇はない。三人は一目散に逃げようと下流に降り立った。
 厳しい川の流れを乗り越え、丘を越えると……。

 そこには、「なんでここにいるのだ」といった顔をしたワニがいた。
 あまりにも厳しい現実で、激しい偶然だった。
 三人はとっさに食われると思ったがそんな事はなく、ただまたもとの場所に戻されたのだ。

 三人の少女は壁に立たされた。
 キッチンのようなものを意識しているのか、調理テーブルのような岩が置いてある。
 ワニはまず少女の身包みを剥ぎ取った。少女はもちろん抵抗するがそんな抵抗もワニの馬鹿力の前では無力であった。

 三人が生まれたままの姿になると今度はワニは少女を石で出来た皿の様な場所に無造作に入れた。
 ワニはどこからか持ってきた木の実の汁を、思いっきり少女たちにぶちまけた。
 淡い葡萄のような酸っぱい匂いとともに、少女たち三人は「自分たちがブドウと同じ食料」と見られていることに反抗する。

 ワニは少女のうち一人を選ぶとそれをまたもや丸呑みにした。
 ブドウの潤滑油がよかったのかスルリとワニの喉を通っていく女友達の姿を、後の二人の少女は見るほかなかった。
 ワニは「味付けはこれでいいな」という感想の元なのか、かったるそうな姿勢に戻った。
 今から二人の少女は寝る前のオツマミとされるのだ。

 いい月が出ていた。
 この情報化社会において、おそらく生き残った二人と、既に腹の中でこなされている真っ最中の三人は捜索願でも出されているのであろうか。
 二人の少女は「誰か、助けに来てください」との思いで必死だった。このままでは二人の少女は二人とも「ぶどう味少女」というオツマミとして呑まれ、ウンコになってしまうのだ。

 ワニは月を見上げながら一人のほうの少女を頭から飲み込んだ。
 涙が止まらないらしい頭をカプリとさも大事そうに甘噛みすると月に掲げるように少女を上に上げ、そして口腔内に収める。
 染み付いているブドウの紫が元来のピンク色の美しいお尻を引き立たせ、ブドウの香りがする美しく伸びた足もまた呑まれようとしていた。
 そしてそのまま胃の中まで送り届けるのかと思いきや、ワニは少女の全体が口の中に入ったところで口を閉じてそのまま舌でもてあそび始めた。

 器用な舌が少女の未発達で未開拓な膣や乳、口や耳の中に熱くてネバネバした唾液を流し込む。
 唾液もまた、立派な消化液である。少女はその不快感から「早く呑み込んで欲しいよぅ……」と叫んだが、それはワニの口に挟まれて外には聞こえなかった。
 舌はいつまでもかき混ぜるように少女を弄んだ。嫌がる少女は暴れるが、しかしそんな暴れてもワニの屈強な体に傷一つつかないのだ。

 ワニは「美味しくて幸せだ」といった済ました顔をしていまだ少女をかき混ぜる。
 舌の上には少女の汗や涙、また別な汁などが零れ落ちそれがまた素晴らしい味と食感を生み出していた。
 少女はザラザラしたワニの舌で全身を舐め回され、また唾液を体中につけられ、もはや気が気でなかった。

 少女が解放され胃の中という地獄に落とされるのは十五分も後であった。
 それまでずっと少女は舐めまわせられつづけていたのだ。少女はもはやどこまでも美味しい汁を出す極上の食材であった。
 少女が胃の中に入ったとき既に他の既に溶かされていた少女たちはドロドロで内臓などが露呈して、なんともグロテスクであった。
 しかしその内臓すらも新入りの少女を歓迎するかのように纏わりつき、そして少女もいずれ溶かされドロドロになり胆液をかけられ茶色いウンコへとなるのだ。

 ワニはその食べ物をペロリと平らげた後、後一人残った極上の食材に目を向けた。
 緊張から来る冷や汗すらも美味しい味のハーモニーを作り出す……。
 「中々いい味を出しそうだな」そうワニは思い、今度は足からでも頭からでもなくⅤ字にお尻の部分で曲げて、お尻の部分から丸呑みにする。

 とても奇妙な光景であった。
 お尻で180°に曲げられ胸と足がくっついた体制の美少女が大口を開けて喰らいつかんとするワニの口の中にスッポリ入っていく。
 少女は体が柔らかいわけではないらしく「イタタタタタ!!痛い!!痛いって!!」などと叫んでいるがワニの顎の力にはかなわず、そのまま喉の奥にスライドしていく。
 顔と足両方がワニの大口からのぞき、正に「助けて」といっているようだった。

 そして、助けの手は確かに今現れたのだった。

「見つけたわ!!」

 その助けの手は、右手だった。どこで手に入れたのか銃を持っている。
 そして、「実の妹」が食べられかかっているところを瞬間で把握し、ワニに連射する。

 バチンバチンバチン!!という激しい反射音がしたかと思うとワニの動きが止まった。
 今正に舐めまわしてやろうという舌の動きが止まる。弾丸が当たったところからワニの鮮血が吹き出た。
 ボロッと少女はワニの口から零れ落ちた。不自然な体形は自然な体形に直る。

「お姉ちゃん!!!!」

「大丈夫!?」

 お姉ちゃんと呼ばれた銃を持った少女も、妹と違うのはおっぱいのサイズぐらいで瓜二つの美人であった。
 小5、6ぐらいであろうか?その年齢には不釣合いのおっぱいの大きさと拳銃を持つほどの行動力が特徴的であった。

 そしてそのお姉ちゃんに全裸の妹は抱きかかる。
 長い長い抱擁だった。妹の体中についたワニの唾液にも気をかけずに。

「遊びに行くって言った他の子たちは?」

 お姉ちゃんの問いに少女は無言でワニの方向をさした。
 センセンと流れる大量の血液から見るに、どうやら死んでいるように見えた。

 お姉ちゃんはその行動力を持ってしてワニの口をかぱーっと開けると中を覗き込んだ。
 ワニの瞳孔は生きていない。これは死んでいると見てもいいだろう。

「お姉ちゃん危ない」

「うーん……もしかして結構奥まで入っちゃってるのかなあ」

 そういってワニの口の中に首を突っ込んだ瞬間。
 バクリ!!という音と共にお姉ちゃんの首から上は舌に巻き取られた。
 瞬時に唯一の武器である拳銃を取ろうとするがその手が拳銃に届くより先にワニはお姉ちゃんを上に掲げた。
 重力によってズルズル落ちていくお姉ちゃん。拳銃は岩場にカシンッといって落ちた。

「お姉ちゃん!!!!!」

 後世で、美少女を食べるのを生業とするワニはこの時こう思うと言う。
 「重力に任せて美少女のほうから体内に入ってくれる時、おっぱいの膨らみで入るのが阻害される、この時が一番達成感がある」と。
 ワニは口の中でお姉ちゃんの顔を舌で巻き取り思いっきり引きずり込み、大きなお姉ちゃんのおっぱいを強引に口の中に入れた。
 他の、これまでの少女より幾倍も大人びたフォルムでエロさを感じる美しいお尻と細長い足がワニの口から出て揺れる。
 そして、お姉ちゃんはワニの口の中に納められた。

 ワニの口の中で舌に転がされているのは今お姉ちゃんであった。
 ワニは舌の先を膣、そしてこれまでの少女とは違う、遊びがいがある巨大なおっぱい、そして口などに当てて、そのたびにお姉ちゃんは声を上げた。
 このお姉ちゃんはこの時一番美味しい少女だったと、このワニは言う。

 ワニは唾液塗れになったお姉ちゃんをいったん吐き出した。
 唾液の水溜りが周りに出来るほど唾液と一体化していたお姉ちゃんはそのショックと体中の電撃が走るような感覚で動けなかった。

 そしてワニは圧倒的な速さで妹の方を捕える。
 妹と姉を同じ場所に横たわらせ、「姉妹美少女うっすらブドウ味」の完成である。

 ワニは器用に手足や舌を使って姉の服を全て剥ぎ取った。
 美しい魅惑のボディが露となる。美しい乳首とさっきは見えなかったピンクの、毛がはえはじめのおまんこ。
 全て、今からワニの体内に納められるものなのである。ワニはよだれをたらし舌なめずりをする。

 ワニは姉妹を同時に先ほどのV字型に加工して、そして丸呑みにした。
 そしてやはりディナーらしく口の中で弄ばれて、もう使えないものは胃の中にポイ、されるのだ。
 妹は胸がない分、先に胃の奥底に運ばれていった。

 そしてお姉ちゃんのほうは全裸となってまだ成長の余地を残した美しいボディに唾液を塗りたくられる。
 お姉ちゃんをさまざまな感情が走る。「向こう見ず」「猪突猛進」「屈辱」「今食べられているという事実」……。
 ワニは最初から無傷であったし、死んだふりもお手の物だったようだ。暖かい粘り気のある唾液が肩にかかる。
 おっぱいとおっぱいの谷間にも唾液を孕んだ舌が通過する。体中がネバネバする。

 だが、ワニももう十分堪能したのだろうか。はたまた飽きたのだろうか。
 喉の顫動運動でお姉ちゃんのボディを胃の墓場に運んでいくのであった……。

 胃の中で六人は完膚なきまでに消化液で溶かされた。
 大腸につくころには既に固体とはいえないまでビシャビシャになっていたし、お姉ちゃんのおっぱいももはや判らなかった。
 そして胆汁や膵液がかかり、より人間からは離れていく。ワニの消化器官はとても強い物である。

 やがて小腸につくころには六人はおなじみの茶色い異臭を放つ物体となっていた。
 六人はもはや一体化し、ワニの体の中の一部を満たす茶色いウンコとして出される用意をしていた。
 だがウンコの中の一部には消化不良で残った髪の毛や肌などが残っていて、かろうじて人間かと思われた。

 六人は肛門に貯まる。
 一週間ほど経っただろうか。ようやく彼女たちの「外に出たい」という願いは果たされるのである。

 ブリブリブリィ……。
 やけに整った排泄所に出されているのは六人である。

 一週間の体内の旅を終えて。
 久方ぶりに見る光景はこれまでのそれとは一味違った。

「助けて!!」

 悲鳴が響く。食料として烙印を押された、どこで捕まえられたのかも判らない哀れな少女の。
 自分を食べたワニだけではなく数体の固体がいる。
 今だ知能はそれほど高いわけでもなく、ようやく縄を覚えたのか新しく体内に入るであろう順番待ちの少女たちは縄に繋がれていた。

 そこは小さな牢獄。
 そして、やがてあがむ事になろう、ワニの帝国の始まりであった。

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最終更新:2013年04月29日 10:34