儀式が終わり、部屋に戻された俺は罪悪感に苦しめられていた
あの女の子を食い殺してしまったのだ。
俺が人間に戻ることができたとしても、もうあの娘が生き返ることはない。
罪悪感に苦しむまま、俺は眠ってしまった
あの白い部屋
そこに俺はいた
全裸のまま
そう、初めて俺は自分が全裸であることを意識した
なぜなら、その目の前に、さっき自分が食べた娘が全裸でいたからだ
彼女はうつむき加減に俺の方を見ていた
その眼は、妙に恨めしいものだった
そうだ、俺が食べてしまったのだから
しかし、娘はその恨めしい視線のまま俺にはい寄ってくる
「寒い、寒いの…」
そういったまま娘は俺のペニスを口に含んだ
「え?君は一体?」
混乱した俺の意識に娘のフェラの快感が侵食する
そのまま娘は俺を押し倒して、上に乗りかかった
「あたためてください…そのお体で」
そういいながら、娘は俺の上に跨る
わけがわからないまま俺はあの娘と体を交わした
半ば無我夢中でされるがまま体を開く娘にペニスを突き入れた。
娘は目を閉じたまま俺を受け入れていた。
そして、すべてが終わった後、娘は満ち足りた表情で空へ昇って行った。
目が覚める
俺の腹の下に妙な異物感がある
動いてみたら、ゴロリと大きな物体があった
宝石のような輝きを持つが、その形は見覚えがあった
崩れていて、いくつもの塊になっているが、塊のひとつについてる半球形のものは、乳房そのものだった
目や鼻のようなものがついてる塊もあった
これは…
見回りに来たいつもの男がそれを見つけると、恭しそうに拾い集める
「崇神様がまたも奇跡を起こされた。これは昨夜召し上がった娘でございます。
かように美しい宝石になれてあの娘も喜んでいることでしょう」
そういって、娘だった残骸を片付けて去っていった。
その残骸を黒いスーツの男が引き取る。
黒いスーツの男はこっちを向くと、近寄ってきた
「なあ、おたくも突然のことで状況が呑み込めてないだろう?説明してやるぜ」
黒いスーツの男は俺の体をひとなでした
「ある程度は察してると思うが、ここはお前のような元人間の蛇を崇める宗教だ。
大抵の新興宗教がそうであるように、この世ならざる奇跡を見せられることで、みんな信仰もするし、寄付もあつまる。それでできたのがこの施設だ。」
宗教の名は、俺も記憶の片隅にあるものだった。
そういえば、目の前の男も見たことがある。
しかし、知っていたのは名前だけで、まさかそんな信仰だったとは知らなかった。
「といっても、全くのまやかしや故意でお前を蛇にしたわけではない。人間が蛇になるメカニズムは誰も知らないし、いつからこんなことが始まったのかも知らない。
もとは、この島の土着の宗教だったらしいが、文明化で島の人間が本土に行くようになってから本土の人間が蛇になるようになり、本土からも信者が出てきて今に至っている。
俺たちがやったのは、その土着信仰を宗教に変えただけだ」
男は俺に目をやった
「元人間の蛇の食料は人間の娘だ。それはお前さんも体験しただろう。しかし、俺のようなおっさんには食欲はわかない。だから俺は安心というわけだ。
そして、ある程度たったら蛇は姿を消す。消した後どこへ行くのかは俺も知らない。人間に戻るのかそれとも俺も知らないどこかへ行くのか。
わかっているのは姿を消した後また新たな人間がここへやってきて蛇に姿を変えるということだけ。今度はお前さんがその哀れな一人だったというわけだ」
つまり、元に戻る方法は誰も知らないということらしい。
男はさっきの宝石を手に取る
「で、お前さんが娘を食べた後に排泄物として出てきたのがこれだ。どうしたわけか食べた娘が排泄されるときにはこのような宝石になってる。
あの男は単純に奇跡だとありがたがっていたが、俺たちはこの宝石を石として粉砕して金に換えることにする。だから、俺にとってはお前さんは信者の信仰と宝石の収入両方で貴重な金づるということだ」
高笑いする男は暗澹とする気持ちの俺にとどめを刺した
「昨日食べたのは信者の娘で、最初からこうなることを知ったうえで体をささげてきた娘だ。
だが、いつもそんな娘ばかりというわけにもいかないから人間らしい良心は捨てた方がいいだろうな。今のお前は人間の女だけを食べる蛇なんだから」
男はそれだけを言って姿を消した。
男の言葉に嘘はなかった
その後も俺が腹を減らした頃にあの祭壇へ導かれては娘を差し出される
それを俺は湧き上がる欲望とともに食べてしまう
いや、食べずにはいられなかったのだ
空腹がもたらす蛇としての食欲と、一度覚えてしまった女性の味
それらが俺の体と心を動かし、娘を
丸呑みする
今度の娘は最初の娘と違って口の中で必死で抵抗した
しかし、抵抗すればするほど体中から湧き上がる女性の香りが口の中で広がり、甘美な感覚を脳に伝える
暴れながら腹の中へ送られる娘の体は最初の娘よりスレンダーだが、その分瑞々しいのど越しがあった
腹の中で消化されるまで、娘は腹の中でぐるぐる暴れ続けた
その結果、手足の肉がまず剥がされて溶けていき、そのあとは動きを止めた体からボロボロと内臓が零れ落ちるのが知覚できた
この体は味覚を腹の中でも感じられるらしく、新鮮な肉や内臓の味が溶けるとともに感じられる
娘のすべてが体の中へ浸透するような感覚だった
そして、それとともに俺の心に再び人としての罪悪感が湧き上がる
また、人を食い殺してしまった
しかも、あの男の発言が正しければ今度は普通の娘だったはずだ。
さらわれて、犯された娘を食い殺してしまった。
もし、あの娘と同じなら、今度も…
その夜、もしやと思った通り、食べた娘が全裸で現れた
最初の娘と同じ恨めしそうな目線のまま体は寒さをこらえようとしているのがわかる
その恨めしそうな視線に耐えられないまま俺は目をそらす
今度は体を交える気にはなれなかった。
じっと見ていたが、やがて恨めしそうな視線を向けたまま空へ昇って行った
俺の心には奇妙な寂しさだけが残った。
最初の娘の時とは違うものだった。
目を覚ましたら、腹の下にバラバラの娘のなれの果ての宝石があった。
その顔は苦痛にゆがんでいた。
その後しばらく俺は考え込んでいた
これだけの苦痛のまま人生を終えたあの娘を俺は抱いてやるべきだったのか?
最初に食べた娘の最後の表情と昨日食べた娘の恨めしそうな表情が重なる
次に饗された娘は中学生くらいの娘だった。
まだ未成熟な身体を数人の男に蹂躙されて泣きじゃくる娘を食べた。
柔らかい皮膚に包まれた若い肢体は口の中に入れるとピチピチと抵抗するように動いたが、やがて泳ぐようにするりと喉を通っていく。
喉の奥で幼い瑞々しさを感じる女の味を広げた娘の体は砂糖菓子のようなはかなさで溶けていった。
夜、夢に出た娘は上目づかいで不安そうな目線を向ける。
俺はその娘を半ば無理やりのようにして抱いたが、娘は抵抗しなかった。
まだ未成熟な膣に俺のペニスを押し入れるのを、顔をゆがめて受け入れる
最初は涙を浮かべていた娘だったが、俺がペニスを突き入れるたびに少しずつわきあがる雌の快感に染め上げられていった
まさか、人生の最後にこんなかたちで女性の幸せを感じるとは思わなかっただろう娘は自ら腰を振り始めた
最後の快楽をかみしめるように
そして、最後は俺がリードされるような形で絶頂を迎えた後、満足しきった表情で空へ昇って行った
それから、俺の中の何かが変わった
この体から元に戻ることはできない
そして、この体は女性を食べないと生きることはできない
俺にとって女性は食べ物なのだ
そう考えるようになってから、不思議と気持ちが楽になった
供された娘が泣きながら助けを乞うても、なんの罪の意識もなく食べることができた
口の中で暴れる娘から剥がれる乳房や尻の味をじっくり味わえるようになった
そのあとは、寂しそうな顔の娘を抱いてやり、満足させたまま空へ昇らせた
そんな日々が続いた
その日も俺はいつものように祭壇に導かれる
もう、今日の娘はどんな味かということにしか関心はない
前に食べたような肉感たっぷりの娘か、はたまた貧弱な身体で一生懸命放っている女性の香りが初々しい幼い娘か
そんな俺の目の前に供された娘を見て、俺は凍りついた
全裸で縛られて祭壇に上げられた娘は恵美だったのだ
恵美は涙を浮かべながら俺を見る
その視線が刺すように痛かった
恵美に、何人もの男が群がりよる
このままだと、恵美は犯される
俺はとっさに自らの巨体を振るって恵美に近寄る男たちを薙ぎ払った
今まで満足に動けないまま、自分の力も知らない俺の尾の力は強靭だったらしく、群がる男たちはすべて薙ぎ払われた
目の前には、全裸のまま俺を見つめる恵美の目があった
ウマソウ
湧き上がる感情が俺の心を占拠する
止めろ!俺は恵美を食べたくなど…
食べたくなど…
そのまま恵美に目を向けると、かつて食べてきた娘のそれと同じ女性の臭いが立ち込めた
タベタイ
俺は、泣きながら恵美を食べた
恵美の体は俺の口の中で溶けてボロボロになっていった
不思議なほど抵抗はなかった
その夜
夢に出てきた恵美は、なぜかとても晴れやかな表情をしていた
「ありがとう、私を食べてくれて」
それを聞いて、俺は信じられなかった
自分が食べられて嬉しいはずがない
目の前の恵美を疑う目で見る俺がいた
「あの蛇があなただったというのはなぜかわかってた。
でも、目の前の恐ろしい蛇に食べられる瞬間、あたしはとっても嬉しかったの。
目の前にいたのがあたしの望んでいたあなただったから」
全裸の恵美は笑顔のまま言葉を流した
「あたし、貴方にもっと積極的にあたしを奪ってほしかったの。だから、飢えた目であたしをみるあなたを見た瞬間、食べられてもいいかとおもったの」
その瞬間。あの喧嘩の時に自分がしてやれなかったことに気がついた
俺は、自分の気持ちを解放するように、獣のように恵美を抱いた
何もかもをかなぐり捨てて、悔いが残らないくらいに乱暴に恵美を抱いた
「犯す」というほどに
俺の下の恵美は、不思議なほどに満足な表情を浮かべていた。
そして、絶頂に達して、二人抱き合ったまま崩れるように倒れこんだ
時間の感覚もなくなるなか、恵美は起き上がる
「あたし、貴方になら食べられてもいいと思って食べられたの。それは今も変わってない」
そういって恵美は俺の目の前に右手を差し出した
「お願い。あたしを食べて。このままだとあたしは一人であっちへ行かなきゃいけなくなる。その前に、あたしを食べて」
なぜか、その瞬間、俺は何をすべきかが不思議なほどくっきり像を描いていた
俺は差し出された恵美の指をにかぶりついた
骨は噛むとすぐに砕けて溶けていった
代わりに、恵美の味が口の中に広がった
そこからは俺はむさぼるように恵美を食べていった
腕から胸に、肋骨を噛み砕いてはこぼれる内臓を口の中へ放り込んだ
俺の体は満腹感なく恵美を取り込み続けた
腹のくびれを食べたところで恵美の体は二つに折れた
俺は、恵美の下半身を食べ続ける
恵美は満足げな顔で俺を見届ける
残った上半身を抱え上げた
恵美はすっかり軽くなっていた
恵美は俺に言った
「おねがい。最後に、キス、して」
恵美と唇を重ねる
唇を話した後、目を閉じた恵美の顔を俺は食べた
無我夢中のうちに恵美は俺に食べられた
そして、恵美の体が食べつくされた後、俺の体は光に包まれた
光の中に浮かぶ恵美の顔
「さあ、一緒に行こう」
どこへ?というつもりはなかった
いくところはひとつしかなかった
恵美と二人、どこまでも浮かんでいく
視線を下に向けると、一人の男がいた
俺はこういった
「お前が跡継ぎか。少し驚くかもしれないが、悪いもんじゃないぜ。ま、後はよろしくな」
そのまま、恵美に包まれたままどこまでも昇っていた
どこまでも、どこまでも…
翌朝
「おお、崇神様が死んでいる。」
目の前には冷たくなって横たわる大きな蛇の骸があった
そして、どこかで一人の男が、新たな崇神様となるためにわけのわからぬ使命感とともに島へ向かおうとしていたのであった。
最終更新:2013年06月05日 11:21