タイトル 氷夢(ひょうむ)


浅くとは言え眠りについていた意識が浮上してくる。
まず最初に認識したのは音。

シャリシャリシャリ

まるでシャーベットか、カキ氷でも食べているかのような、
そんな音が薄暗い小屋の中に響いている。

次に認識したのは記憶。
なぜここに居るのか、自分がどうなっているのか。
そんな記憶がよみがえって来る。

そうだ。自分は、いや自分たちは遭難したのだ。
自分を含む3人でスキー場に来ていて、突然の吹雪。
山の天気は変わり易いと言うけれど、
いきなり視界のほとんどが白一色に塗りつぶされるような、
まるで何者かの意図すら感じるような、
猛吹雪。

あわてて麓に下りようとして、しかし道に迷ってしまった。
そしてこの小屋を見つけ、避難したのだ。
火を焚いて、温まっている内に眠ってしまったらしいのだが・・・
「琴美・・・・・?由梨・・・・?」

彼女の声に、薄暗い(なぜか火は消えていた)小屋にの中に響いていた音が止む。
その時になって彼女は気づく。
薄闇に浮かぶ、まるで死白装のような白い着物を纏った存在に。

(誰・・・・・!?)

声を出そうとした瞬間に気づく。
体がまるで氷付けにされたように動かないことに。
ソレがゆっくり振り返る。

闇を突き刺す青白い光を持つ眼、
その視線が彼女のそれと絡んだ瞬間、
彼女の思考はそれこそ氷付けにされたように停止した。
闇に眼が慣れてきたのか、それともソレの眼の光が意外と強いのか、
徐々に辺りが見えてくる。
ソレは、眼と、氷のように半透明に透き通った髪と、
格好さえ気にしなければ美しい女の形をしていた。

ソレの周りには、まるでナイフか何かに切り裂かれたようなスキーウェア。
そしてソレの口を思しき場所の亀裂には

(ひっ・・・・)

ヒトの腕。
肘から先しかない、それがくわえられていた。
あれは由梨だ。彼氏にもらったと言う指輪をしている。
ソレが口を閉じると、くわえていた部分が腕からえぐられ、シャリッと音が響く。
ソレは口に含んだものを数回咀嚼すると、飲み込んだのかコクリと微かな音をさせる。
そしてさらに手にしていたものに歯を立て、削りとる。
それを何度か繰り返すうちに由梨の腕だったものは骨すら残さず無くなってしまい、
最後にソレは何かを吐き出す。
指輪だった。

床に落ちているウェアは2着。他には何も残っていない。
いや、僅かにウェアに乗っている、片方には茶色っぽい髪の毛と思しき繊維が。
もう片方には少々赤みをおびた繊維が。
天然の茶髪だった琴美に、少し染めていた由梨。
それが彼女たちの残した、この世に存在していた証だった。

ソレが最後の一人である彼女に覆いかぶさった。
「ふぅ・・」とソレの吐息に触れた瞬間、
彼女のウェアはまるで液体窒素をかけられたかのように霜を付かせ、凍ってしまった。
そしてソレがウェアに手をかける。いや、爪だ。青いソレの爪がツゥと通った所は切れていて。

ソレはウェアをチャックに沿うように縦に切ると、次に袖も切っていき。
それが終わると次は下。

数分後には彼女は全裸になっていた。ただ、彼女もなすがままにされていたわけではない。
しかしソレの力なのか指一本動かすことはできなかった。

ソレは彼女の至る所に頬ずりをしていく。まるで愛おしい物にするように。
それが終わるとソレは彼女の乳房に手(比喩ではなく氷のように冷たかった)を伸ばし、愛撫するように手を動かす。
だがしかし、彼女の肌はまだ凍ってはおらず、果実のように鮮やかな赤色をしたそこは充血し、
凍結とは別の意味で徐々に硬くなっていく。

「や・・・・」

彼女は声を出せることに気づき、その希望にすがろうとして。
逃げようとした瞬間、希望は累乗倍されて絶望に変わる。
いつの間にか彼女の両手首、両足首は氷の枷がされ、その氷は床に貼り付けられたいた。

彼女の表情の変化に、ソレが口の裂け目を笑みの形に歪める。
まるで「絶望はもうひとつのご馳走さ」と言うように。
つまりソレは他の獲物を片付けて邪魔も入らないということで、最後の獲物で遊ぼうというのだ。
その意味でいくと(悲鳴すら残さなかったと言うことは、おそらく眠ったまま凍らされて食われたのであろう)
他の二人はまだましだったのかもしれない。
まだましと言うレベルだが。

ソレはしつこく彼女の胸の頂を攻める。舐め、甘噛み、さらにはミルクを求めるかのように吸う。
そしてソレの片手はもう片方の頂を弄り、残った片手は彼女の一番大事な所をさぐり始めた。

「ぃや・・やめてぇ・・・・」

彼女の声はむなしく響く。彼女の秘所は彼女の意思とは関係なく、否。
彼女は気付いていないのだろうがゆっくりと、しかし確実に彼女は感じ出していた。
秘所からソレの手を伝い透明な液体が溢れて来る。
ソレは一度手を口に運ぶと手に付いたその液体を吸い、笑みを濃くする。






「え・・・・・?」

彼女が呆けたような声を上げたのはソレが突然手を離したからだ。
ソレは、準備はできた とでも思ったのだろうか。
彼女に向かって両手をかざす。

改めていうまでもないかもしれないがソレは細部までヒトを模している。
が、ソレが人外の証拠であるようにソレの両の手のひらから、透明な線が生えてきていた。
1本2本3本4本・・・・・
それぞれ2本ずつ、計4本の、氷でできているような触手が彼女の、まずは胸を探り始める。
そしてソレの手と同じように頂を弄り始め、

「ひっ!」

彼女がビクンと四肢を拘束された体を震わす。

「あ・・・いた・・・・痛い・・・・・っ!!」

触手が、小さな穴を無理やりこじ開け、彼女の胸の中に侵入したのだった。
その証拠に小さな頂は極々僅かに大きくなり、時々乳房が内側から蛇がうねる様な形に不自然に盛り上がる。
と、ソレの手から新たな触手が生じた。今度のはそれまでのよりほんの少し太く、
管になっているらしく、中が空洞のようでやはり数は4本。
「あ・・・・うっぁ、あ~~~」

小さいほうの触手が2本ずつ彼女の乳房の中に侵入し、左右に分かれることでその入り口を限界まで広げる。
その触手と触手の間の無理に作られた隙間に管の触手が1本ずつ入り込んでしまった。
小さいほうの触手は用は済んだとばかりに頂から抜き取られ、今度は彼女の秘所へ向かう。

「いっ・・・・ゃ!! いやぁ!!」

触手は完全に充血したクリトリスには構わず、彼女の尿道に胸と同じようにして管を1本入り込ませる。

すぐに管の中を黄色い液体がソレの方へ運ばれていく。

「やめて!!そんな事しないで!!」

羞恥に首まで真っ赤にした彼女が叫ぶ。
その願いを聞いたのか、管の中を運ばれていた液体は彼女の尿道の中へ戻され、管も抜かれる。
がその次の瞬間、秘所のほうに伸びてきていたもう一方の管が彼女の尿道に突き刺さる。
その管の中は空洞ではなく・・・・・

「はっ・・・ぅ・・・・・?」

しばらくすると、彼女の下腹部、ちょうど膀胱のある辺りが少しずつ膨らんでくる。
その管は実は直前まで彼女の秘所に入り込んでいて、中に彼女自身の愛液を吸い込んでいたのだ。
その愛液を送り込まれているせいで膀胱が膨張していることが彼女にも分かってしまった。
なぜなら抜き取られた方の触手が今、愛液を集めている真っ最中だからだ。

「いや!!いや!いやぁ!!!」

そんな彼女の声が響くなか、愛液を蓄えた管がもう片方の管が突き刺さったままの尿道に入り込み、
膀胱への注入を開始する。
排泄欲求(つまり膀胱の容量が限界に向かいつつある)に駆られた彼女は腹に力をこめるが、
多少薄くなった黄色の液体は外へは出ず、刺さったままの管の中をとおり、しばらくするとまた膀胱へ戻される。
もう片方の管は秘所と尿道にせわしなく交互に潜り込み、膀胱の容量を増していく。

「もう・・・・もう・・・・駄目・・・!!」

彼女の尿道からのびた管の中を、黄色い液体が音を立てそうなほどの勢いよく流れていく。
ほとんど失禁のような、しかし排泄欲求から開放される感覚は快感と言ってもいいほどだったが、
それも長くは続かなかった。いったん管の中を通った液体がまたもや膀胱へ吐き出される。
膀胱は容量オーバーに耐え切れずまた管の中に押し出し、管は膀胱へ押し戻す。
排泄と注入。それはまるでシーソーのような、終わりのないソレの遊びだった。

遊びはそれだけではない。

いつの間にか彼女の胸が一回り大きくなっていた。しかも管の刺さったままの頂からはトロトロとミルクが漏れていて。
管の中は依然として透明。何かの液体を注入されているのだとしても、それは間違いなく彼女のミルクだった。

そしてさらに、ソレは新たに触手を生やした。
今度は何種類も同時に。これまでと同じサイズの管や、管を太くしたようなもの、ツララのように太い棒もあった。

まず管が乳房に巻きつき、ミルクを啜っていく。
さらにツララが丸い先端を秘所に押し当て、一気に入り込んでいく。

「っ・・・ぎぃ!!!?」

彼女の鋭い悲鳴とともに秘所から血が飛んだ。ツララに処女膜を粉砕されたせいだ。
血に染まるツララは彼女の膣の最奥に届き、そこへの到達と同時に花開くように先端を開いた。
そこから一回り小さな触手が何本も伸び、子宮口を押し開いてツララ本体を子宮に招き入れる。

「がっ・・・・~~~~っ!!~~~~~~~!!!」

子宮口を無理に拡張される激痛に彼女は声にならない悲鳴を上げる。
さらに今度は太い管が彼女の秘所の、少し後ろの窄まりに押し当てられた。
これも一気に押し込まれる。

「あああああああああああああああああ!!!!!」

太すぎたせいで何箇所も切れ、そこから溢れ出る血が管を余すところなく赤に染め上げる。
それほどの血が噴き出したのだ。しかしそれらの血は何本も伸びてきた細い管に吸い取られ、
最終的にはミルク等と一緒にソレの(腹の?)中に納まっていく。
しかし地獄はこれからだ。後ろを貫いている管と同サイズの管が彼女のへそに押し当てられ、
その先端に付いていた無数の棘がまるで牙のように腹を食い破った。
管はそのまま進み、管の中に彼女の皮、脂肪、そして内臓が収まり、それらは管の中をソレに向かって
運ばれていく。そしてその光景は彼女の後ろに刺さっている管も同様であった。

内臓を食われていく彼女の悲鳴が響き渡る。
普通ならもう死んでいてもおかしくないくらいの出血をしているはずだが、
彼女の抉り食われた傷跡からはほとんど血は出ていなかった。
なぜならそれもソレの力か、傷跡だけにほんの薄皮一枚ほどの厚さの氷が張っており、
それが出血を抑えていたのだ。

と、ソレが彼女に近寄り、本来の口で、彼女の肩に食らい付いた。
そして氷すら抉り噛み砕くその顎と歯でその部分の肉を食いちぎる。その傷からも血は出ないが、
彼女の悲鳴が一層大きくなったことから、痛覚はそのままあるのだろう。
そしてソレは外から内から、彼女を食らっていく。
胸の管もいつの間にか液体の注入を止めて血の混じった胸の脂肪とミルクを吸引し始めていた。
彼女は外見はどんどん『小さく』、なかはどんどん空洞になっていった。

ソレがまだ口で彼女の肉を抉りつつ、管を引き抜いたそこから見える範囲では内臓はほとんどなく、
つまり内臓のほとんどを食い荒らしたらしい。
しかしまだ彼女は生きていた。白目を剥き、口をパクパクさせて(中は横隔膜より上、外は首より上が無傷)
いたが、逆にソレにとって、彼女はまだ生きていなければならなかったのだ。
そしてソレは締めくくりの遊びを始める
ナイフより鋭いその爪を使い、彼女の腹の傷を縦に広げる。
開いた腹腔はほとんどがらんどうだったが、彼女の生殖器はツララをくわえ込んだままの姿で一式残されていた。
しかしいきなり子宮が膨らみ始め、腹の裂け目から飛び出す。まるで風船のように大きく膨らんだあと、
 パン とあっけなく弾けとび、同時に彼女の心臓の鼓動が止まる。
あとに残ったツララには、管のように穴があき、そこから空気が送り出されていた。

心行くまで遊んだソレは、彼女の残った部分を他の二人同様凍らせて

シャリシャリシャリ

と食べつくした。小屋の窓から見える景色ではもうじき夜が明けるようだ。
触手を戻したソレは手についていた彼女の血を舐めとると、どこへともなく去っていった。



遺体の見つからなかった彼女たちは行方不明扱いとなるだろう。



氷夢 THE END

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最終更新:2008年05月18日 15:35