では次に、諜報部から依頼されてた例のモノの報告をしてくれ」
「はぁい、こちらをご覧くださぁい」
「どうでもいいがその言葉遣いは治らんのか」
「いつものことでしょう局長」
「……で、そのカゴの中のトカゲが例のモノか?」
「はぁい、名称FV337、通称ダブルテレパストカゲ、あたしはテレちゃんって呼んでます」
「ダブル……?」
「テレちゃん達はつがいで、自分が見た事をパートナーにテレパシーで伝えますぅ。
そしてその時パートナーの脳波を解析することでぇ、見たものを映像化できますぅ」
「なるほど…これなら盗聴の心配は無いし、小さいから何処でも潜入出来る!」
「諜報部の注文通りね…で、このコ達はちゃんと言うこときいてくれるの?」
「この前みたいに暴走して放送室を襲ったりするのは勘弁してくれよ」
「大丈夫ですよぉ、この子達は頭が良いし、局長ん家のワンちゃん並に言うことききますよぉ」
「(それは大丈夫じゃ無いだろ)まあ、小さいから暴れても被害は出ないだろうしな…」
「それじゃあ、実際に使って見せてくれ」
「そーゆーと思って準備しときました。画面をご覧くださぁい」
「…………」
「ここは…下水管か何かか…?」
「ご名答~現在テレちゃんのカレシのテリーくんを、既にうちの下水に放ってます」
「実験体放って何させてるのよ」
「ミッション!開発部の排水口から下水に潜入し、そこからシャワー室へ忍び込め!」
「ナニをさせとるんだ君は!!」
「怒らない怒らない…あ、下水の本流に出たみたいですよ?」
「…あれ?下水に何かいますよ?」「…猫娘!?しかもデカイ!?」
「テリーくんがちっちゃいんですよぉ…えっとぉ、大きさは普通の猫サイズですね」
「ウチにあんな小娘いたかしら…?」
「こんなヤツは登録されてない筈です…腕の刺青から判断して、他社の者ですね」
「ああ、黒死蝶団とかいうイタイ名前の」
「つまりスパイだな!?よし、殺れ!テリーくん!」
「殺れって……あ、猫娘が縮んだ」
「驚いたか!!テリーくん達はコモドドラゴン級に巨大化できるのだ!!」
「あー、驚いて立ちすくんじゃってるよ」
「あ、猫娘の脚に喰らい付いた」
「噛まれてやっと暴れだしたか…でも戦闘力は高くない様だな」
「オイ、カメラが揺れてるぞ…ってなんだ、頭を振ってるだけか…」
「…………」
「カワイソーに、左脚もげちゃったよ…」
「しかも何度も床に叩き付けられて骨折十数箇所…って所かしら」
「おー、千切れた脚が画面下に消えてくぜ、これって飲み込んでるんだよな」
「あ、猫娘が逃げ出した…でも這ってじゃあムリね…」
「よ~しテリーくん、そのままやっつけちゃえ!!」
「よし、右脚に喰らい付いた!」
「しっかし酷い表情ねぇ…なんか言ってるみたいよ」
「音声入んないから何言っても分かんねーや」
「ついに腰まで飲み込んだ…腹を上にして呑んだら良かったのに…」
「おっぱいも下のアングルから見られますからねぇ~」
「何を言っとるんだ君は…あ、手で頭がカメラが押さえられた」
「カメラじゃなくて眼ですよ…このまま飲み込むにしても、手はどうすんだろ?」
「あ、手が退いた…ってまた画面揺れてるし」
「また床に叩き付けて、肩外したみたいね…」
「あー、息はあってももう動けないみたいですね…」
「お…一気に呑み込む気か!?」
「…………」
「ウィナー、テリーくんッ!!」
「…最期の横顔、今夜辺り夢にでも出そうね…」
「…で、この後テリ公はどうするんだ?」
「えっとぉ、消化とかに暫くかかりますしぃ、呑み込んだままだと元の大きさにはなれません
よって、しばらく実験は中止しますッ!!」
「……………」
「…我々もメシでも食いますか…」
「…そうだな…」
「あ!じゃああたしパスタが食べたいですぅ!」
「お前は待機だ。テリ公が動けるようになったら元に戻して回収しろ」
「えぇ~~!?」
「当たり前だ!!誰が生物兵器創れっつった!巨大化させてどーする!?」
「身内が襲われたらコトだしね…」
「じゃ、そーゆーことで……まあ頑張れ」
「そ…そんなぁ~~」
完
最終更新:2008年08月07日 20:05