3人の女の子が、道を歩いていました。
名前は、裕香、麻耶、麻奈。
その3人の目の前に、一人の少女が近づいてきました。
彼女は真っ黒な三角帽子に真っ黒なマントを羽織っていました。
「ねぇ、あなたたち、ハンバーグとエビフライとケーキ、どれがすき?」
裕香は「ハンバーグ!」
麻耶は「エビフライ!」
麻奈は「ケーキ!」とそれぞれ答えました。
少女は、満足そうにうなずき、彼女たちの前に手をかざしました。
彼女たちは、視界がぐにゃりとゆがむのを感じ…そのまま意識を失いました。
裕香はひんやりとした感触がお尻を冷やすのに気づき目を覚ましました。
「え?あたし…裸?」
いつのまにか自分が裸のままガラスの中に閉じ込められているのに気づきました。
「え?でられない?誰か、助けて!」
分厚いガラスをたたきますが、誰も返事がありません。
裕香を囲むのは円形のガラスの器。その上には蓋が閉じられ、力いっぱい押しても開きません。
足元には、十文字の大きな金属板。少し力を入れるとくるくると回転しました。
「ここ、どこなんだろ…あたし、どうなっちゃうんだろ」
そういってガラスの向こうに目を向けた瞬間、激痛とともに彼女の視界が真っ赤に染まりました。
そのガラスの向こうには、意識を失ったまま寝そべっている二人の少女がいました。
次に意識を取り戻したのは麻耶でした。
彼女は、全身が痺れた状態のまま、誰かに転がされているのを感じ、目を覚ましたのでした。
「え?これ、なに?うわっごほっ、ごほっ」
とっさに開いた口にパン粉がまぶされ、むせる麻耶。
何度も視界が地面と天井を向く彼女の視界の隅に、形を整えられたひき肉が目に入りましたが、
彼女にとっては気にするどころではありません。
パン粉に続いてぐちゃぐちゃする玉子の中に放り込まれて、体中がべとべとになっていたのです。
逃れようにも身体が動かないまま、フラットな身体を衣に覆われた彼女を大きな手が抱え上げました。
彼女の目に入ったのは大きな油の煮える鍋でした
「え?やだ、いやだ!ママ!助けて!」
大声で叫びましたが、身体はまったく動かず、麻耶は煮えたぎる油の中に身を躍らせました。
じゅぅぅ…
麻奈が高熱の中で目を覚ましたとき、彼女の身体はすでにオーブンの中で焼かれつつありました。
「いやぁぁぁぁぁ!!熱い!!助けてぇぇ!!」
必死で声なき声を上げるも焼かれた身体はまったく動かず、
自分の体を炎と熱が嘗め回すのに任せるだけでした。
麻耶の意識は、自分の身体がこんがりと揚げられ、皿に乗せられた後でも残っていました。
「うぅ、うぅ」
麻耶の身体は全身に火が通りながらも、衣によって包まれた身体は旨みをぎゅっと閉じ込めており、
パリッとした衣にはソースがかけられてゆきました。
「あたし…エビフライになっちゃったの?」
皿に横たわり、ソースをかけられながら、意識を失う前のやり取りを思い出した麻耶。
その麻耶の横に、大きなハンバーグが乗せられました。
柔らかなハンバーグの表面にはじゅわっと肉汁が滴り、その上にソースがかけられてゆきます
「裕香?裕香なの?」
必死で問いかける麻耶の耳元にかすかな声が聞こえました
「麻耶…あたし…ハンバーグになっちゃった…」
身体をひき肉にされ、どこにも原形をとどめなくなったハンバーグ。それが今の裕香でした
「やだ、こんなのやだよぉ」
すすり泣く麻耶の前に、狐色に焼けた少女が引き出されました
それが誰かはもう、あきらかでした
「麻奈ぁ」
麻奈の裸身は狐色に焦げ、その表面を飾るように白いクリームがべっとりと塗られていました
傍目に見ると白い衣装をまとったようにも見える麻奈の身体にフルーツが乗せられてゆきます
大きなテーブルの上に乗せられたハンバーグとフライとケーキの前に大きな少女が座りました。
あの、黒い三角帽子とマントの少女でした。
少女は満足そうな笑みを浮かべると、さっそくハンバーグから食べ始めました。
少しずつ切り刻まれ、少女の口の中へ消えてゆく裕香
「裕香ぁ…やだぁやだぁ」
必死に目の前の切り刻まれる裕香から目をそらそうとしますが、フライになった身体は
まったくいうことを聞かず、裕香だったハンバーグが少女の口に消えるのを見せ付けられました。
そう思うや、少女はナイフを持ち出し、麻耶のほうにナイフとフォークを向けました。
麻耶の身体はフォークを突き刺され、ナイフで腰の辺りから切られようとしていました。
すでに火が通っていた麻耶の身体は痛みこそ感じませんでしたが、
身体を両断される感覚に全身を悶えさせました。
やがて、両断され、下半身を口に運ばれる麻耶の目には、切断された腰の断面と、
つぼみのままの子宮の断面が映っていました。
ハンバーグを食べつくし、少女はフライを食べつくそうとしていました。
有頭エビフライがそうであるように、頭だけを残して首にナイフを入れるつもりのようです。
ごりっごりっ
不気味な音とともに、麻耶の首は皿の上を転がり、上半身は少女の口へと消えてゆきました。
残された麻奈はあまりの寒さに身を震わせていました。
オーブンで焼かれ、熱を生産できなくなった麻耶の身体は、クリームを乗せるまでに十分に冷やされ、
今まで感じたことのない寒さを感じていたのでした。
寒い、寒い。
ナイフで身体を細切れにされながらも感じていたのは寒さだけでした。
徐々に少女の口の中へ消えて行くにつれ、麻奈は寒さが消えてゆくのを感じました。
あ、あたし、食べられてるの?
徐々に小さくなってゆく自分の体。麻奈は食べられた部分から寒さを感じなくなっているのに気づきました。
はやく、あたしを食べて。この寒さから助け出して
いつしか麻奈はそう考えるようになっていました。
少女はそんな麻奈の首にフォークを突き刺し、口の中へ放り込みました。
少女の口の中で噛み砕かれる麻奈。彼女は鈍い痛みとともに、少女の口の中のぬくもりをかんじていました。
ケーキを食べつくし、手持ち無沙汰になった少女。
彼女は、皿の上に残った麻耶の首をつまみあげると、
そのまま口の中へ放り込み、数回噛み砕いた後、飲み込みました。
「みんな仲良くわたしのなかで消化してあげる」
少女はお腹をなでさすりながらそういいました。
最終更新:2008年05月19日 11:25