「ねぇ、お姉ちゃん。トイレついてってよ」
夜中に肩をゆすられて目が覚めた。
「もぉ~だから寝る前に水飲んじゃダメっていったでしょ」
目をこすりながらおきる姉。
寝ぼけ眼をこすりながらゆっくりおきだす姉を不安げに見ている妹
家人を起こさないよう気を使いながら妹の手を引いてトイレに行く姉
田舎に帰省で帰った母についてきた姉妹たちは、そのまま家の中のトイレを目指す。
たどり着いたトイレには明かりがともっていた。ドアには鍵がかかっている。
「あ、誰か入ってるね。少し待とうか、葉子」
葉子と呼ばれた妹は、足をばたつかせてもじもじしている。
「もう、待てないよ…」
顔は汗だらけで、もう我慢の限界に来ているのが見て取れた。
「何でそんなになるまで我慢してたのよ。」
そう思いながら、姉は昼間に見た庭先の小さなトイレを思い出した。
「じゃ、外のトイレ行こうか」
「う、うん」
もう、少しも耐えられない表情の妹は姉に付き従って家の外へ出た。
真っ暗なトイレ。手探りで木の扉を開け、電気をつける。
木の扉はボロボロで、ところどころ腐っていて、板がはがれていた。
ぼんやりとした明かりの中へ踊りこむ葉子。
姉は、扉を閉めてやると、真っ暗な闇の中で待っていた。
その扉に貼られていた一枚のお札。それが扉の開閉ではがれていったのだが、
真っ暗な夜の闇はその事実すら闇へ塗りつぶしていた。
ちょろろろろ~
「ふぅ」
一安心の葉子。
さっそく水を流そうと思ったが、それらしいものがない。
「え?どこで水を流すの?」
しゃがんだままあたりを探すが、まったく水のコックが見当たらない。
「そういえば、紙もないや。おね…」
姉を呼ぼうとした声は唐突に打ち切られた。
「あ…な…なに?なんなの?」
突然、股間にべろりと舌で舐められる感覚が襲った。
おもわず便器の下をのぞく。
そこにあるのは真っ暗な深淵。そこに、光る目があった…とおもったら
「ぐぎぃっ…お…おねえちゃ~ん!助けて!」
股間に何かが突き刺さる衝撃を受けた。
まだ幼い秘裂は乱暴な侵入者に裂かれ、鮮血を花びらのように散らす。
おもわず力が抜ける腰は、そのまま重力の法則によってへたり込む形になり、
ますます侵入者の侵入を許す形になった
「痛いよう、痛いよう!助けておねえちゃ~ん」
必死で絶叫する葉子の平滑な股間には漆黒の甲虫のようなものが食い込んでいた。
そのころ、妹の声を聞いた姉は必死でトイレの扉をあけようとするが、ビクともしなかった。
「なぜ?なんで開かないの?」
ドアを何度も開けようと試みる姉の耳に妹の絶叫がむなしく響く。
そんな姉の背後に、闇にまぎれて漆黒の甲虫が近づいていた。
「ひ…ぐ…」
なき声も弱弱しくなったころ、葉子の胎内を蝕む甲虫に変化が起こった。
「あぁぁぁぁっ!!やん!やぁっ」
突然体の中に何かが注ぎ込まれる感覚。
それとともに、それまで身体を貫くようだった痛みがウソのように消えた。
「ああ…ああ…」
股間からとめどなく血を流しながら、痛みに耐えていた葉子は、
すでに、精魂が半ば尽きており、痛みが消えても放心状態のまなざしを虚空に向けるだけだった。
やがて、甲虫が更に奥へとその身をもぐりこませ、お腹の中でうごめくようになると
その表情は恍惚のものへと変わってゆく。
ぐちゃ、ぐちゃ…
一瞬、叫び声が消えて静かになった便所に、葉子の内臓をかき回す音が不気味に響く。
すでに下腹部は空気が抜けた人形のように凹み、胸も暴れまわる虫によって食い荒らされていた。
葉子はトイレの地面にへたり込み、されるがままになっていた。
「あ…ふぅ…」
もう、彼女には腸も膣も残っていない。下半身を襲う喪失感と、
痛みが消えることでますますはっきりわかるようになったもうひとつの感覚だけが彼女の脳をしめていた。
「お腹…食べられてる…たすけて…あたし…食べられてるの…虫に…お腹の中…」
もう、まともな判断などついてなかった。
自分が食べられている感覚を受け止めるすべなどなかったのだ。
虫はすでに体すべてを葉子の中へ潜り込ませ、空洞になった股間からは喰いちぎられた子宮や腸の破片、
そして、食べ残しの血や肉片をだらだらと垂れ流していた。
虚ろな葉子の目の前にあった便所の扉が開いたのはそのときだった。
「おねぇ…ちゃん…」
もう、立ち上がることも大声を上げることもできなかった。
内臓を食い荒らされた葉子に、姉はゆっくりと近づいた。
姉は葉子を抱き上げ、葉子に顔を向けた
「たす…けて…おねぇちゃ…ん…はがっ…うげぇ」
かろうじて肺は残っていたが、それも時間の問題だった。
頼れるのは、目の前の姉だけだったのだ。
姉は、葉子の目を見て、虚ろな表情のまま口を開いた。
そこから、あらわれたのは黒い甲虫。
今、葉子の身体をむしばんでいるそれと同じものだった
「あたしも、その虫にお腹の中食べられちゃったみたいなの。」
姉の股間には真っ赤なモノが滴り落ちていた。
いうまでもない、姉の内臓だったものだった。
「今、あたしはあたしじゃなくなってる。頭の中に、真っ黒な虫がいて、あたしを操ってるの」
口を開くたびに、黒い甲虫の尻尾が出入りした。
「もう、お腹の中は空っぽ。とっても、お腹が寒いの。」
姉の目に不気味な光が宿っていた。
「今、葉子の身体、とっても美味しそうに見えてるの。だから、お願い葉子。あなたの身体、あたしに食べさせて」
そういうと、姉は大きく口を開き、妹の首筋にかぶりついた。
中から食い荒された葉子の首は、空洞となっていて数回噛んだだけでかじり取られた。
葉子の首は、そのままポロリと胴から落ち、便所の中へ入っていった。
姉はがらんどうになった妹の身体をかじり続ける。
首の切断面からは、完全に内臓を食べつくした甲虫が顔を出し、
目下妹にむしゃぶりついている姉の身体に食いつき始めた。
二人抱き合うように折り重なりながら、姉妹はその中の虫の意思によりお互いを食べあっていた。
最終更新:2008年05月19日 11:31