――「彼は主を遠くから見つけ、駆け寄って来て拝した。」

――「彼は大声で叫んだ。『いと高き神の子よ。いったい我に何をしようというのか。神の御名によって願う、どうか我を苦しめないでくれ』」



ここは会場内のとあるサナトリウム、そこでは無数の患者がベッドに括り付けられた状態で横たわっていた。

彼らの身体の一部はあり得ないほどに肥大化しており、何かしらの異常が発生していることは明確であった。

そしてそんな患者たちのそばには、異様な姿をした女性がいた。

昆虫のように細く、カギ爪のついた腕をして、また全身にブドウのような球体をくっつけた姿をした女性だった。

彼女の名前は黄色ブドウ球菌。人体の皮膚や腸内に生息する常在菌で、また腸内では悪玉菌に分類される細菌である。

「さぁて、そろそろ時間のようね。じゃあ、さっさと生まれてきなさいよ、"ライダー"」

「苦しい助けて苦しい助けて苦しい助けて苦しい助けて苦しいたす……!」

そうやって彼らが苦しみから解放されることを望んでいると、突如として彼らの肥大化した部分が鳴動し始めたのだ。

その後、患者たちの身体から穴が空き始め、そこから大量の何かが現れ始めた。

それは鋭いかぎづめと反り返った角、そして無数のとげが付いた甲羅を背負った怪物だった。

彼らは、黄色ブドウ球菌がこの聖杯戦争で召喚したサーヴァントだった。

「ふう、これでさらなる力を手に入れられるな、ワガハイよ」
「そうだな、ワガハイ」
「しかし他のサーヴァントに勝つには、これでも足りないのではないか?ワガハイよ」
「ならばもっと増え続けるしかないな、ワガハイ達よ」

彼らは一様にして同じ言葉遣いをしており、またさらなる力を求めているような言動をしていた。

「……しっかし、いつ見てもアレな光景ね。"ウイルス"だから、他の生き物を使わなきゃ増殖できないことは分かってるんだけどねぇ?」

彼女は、そんな彼らを見て気持ち悪そうな顔をしてそう吐き捨てた。

そう、いま彼女の目の前にいる怪物は"ウイルス"が基となった存在なのである。

故に彼らは他の生物に乗り移る存在として、"ライダー"のサーヴァントとして召喚されたもの達であった。

「……そう邪険に扱わないでほしいのだがな。それに、ワガハイ達の能力は知っているだろう?奇しくも、貴様らと同じ能力を持っていることを」

そして彼らは、明らかに自分たちを嫌悪している様子の彼女に対して若干イラついた様子で言葉を返していた。

「……そうね、アンタは私たちと同じように『自分の仲間たちと合体し、強化される』という能力を持っているらしいわね」
「なんでウイルスであるアンタたちがそんな能力を持っているのか、本当にわけわかんないわよ」

それに対して彼女は、ウイルスとして異常としか言えない能力を持った彼らに対してそう返すのだった。

「……それはワガハイが、『ある存在を倒すために、人工的に生み出されたウイルス』だからだろう」
「……ふぅん、人間って時々訳の分からないものを作るのね?自分たちを滅ぼしかねない危険なものを作るなんて」
「違いないな……実際ワガハイの宿主も、自分の身体を失いかける結果を生んでいるのだから、愚かな存在だろうな、グワッハッハッハッハッハ!」

そうして彼らはひたすらに、人間たちの愚かさを笑い続けるのであった……。



――「それは主が、『汚れた霊よ。この人から出て行くのだ』と言われたからである。」

――「主が、『おまえの名は何か』とお尋ねになるとそれは答えた。『我が名はレギオン。我々は、大勢であるがゆえに』」

52: 集まれば、強い ◆L9WpoKNfy2 :2021/06/27(日) 23:58:09 ID:5bce4Nx60
【クラス】ライダー
【真名】ヒャクニンリキン
【出典】ドクターマリオくん
【性別】なし(外見上は男性)
【属性】混沌・悪

【パラメーター】

(通常時)
筋力:B+ 耐久:B+  敏捷:E 魔力:B  幸運:C 宝具:EX


(『果てなき成長』発動後)
筋力:B++ ~ EX 耐久:B++ ~ EX  敏捷:E 魔力:B  幸運:C 宝具:E


(『果てなき成長の果て』発動後)
筋力:E 耐久:E  敏捷:E 魔力:E  幸運:E 宝具:E


【クラススキル】

対魔力:C(A++)
 第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
 大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。
 しかし後述する宝具によってランクを上昇させることが可能。

騎乗:C
 騎乗の才能。大抵の乗り物、動物なら人並み以上に乗りこなせるが、
 野獣ランクの獣は乗りこなせない。
 彼はとある大魔王を強化するために感染させられたウイルスであり、
 ほかの生命体へと感染した逸話を持たないため若干ランクが下がっている。


【保有スキル】
感染:C
 細菌やウイルスの形状を取った己の分け身を他の生物に感染させ、己の領域を広げるスキルであり、
 彼の場合は自分の分身を無数に生み出すことに特化している代わりに感染力が弱まっている。
 これはライダーに感染したのは一人だけであり、またそれについても医療器具を使って
 故意に感染されたものであることに起因している。

吸収:D
 周囲の魔力や生命力を強制的に吸い上げ、自らに還元する。
 霊格や魔術次第で対抗可能。

自己増殖:B
 自分の一部を切り離して、分身を作り出すことができる。
 彼の場合は前述した『感染』スキルと併用することで、他者の身体を介して
 自分の分身を無数に作り出すことができる。


【宝具】

『果てなき成長(ヒャクニンリキン)』
ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:1~1000 最大捕捉:1000人
自分の分身たちを取り込んで、幸運と敏捷以外の全てのステータスと対魔力スキルを上げ続ける宝具。

取り込んだ数に応じて胸の数字が変化し、またその数字だけ自身の能力を上昇させ続け、
本来の何倍もの能力を手にすることができる。


『果てなき成長の果て(仙人リキン)』
ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
ライダーが自分の分身を1000人取り込んだ際に自動で発動する宝具で、
限界を超えた力を手にした結果として逆に弱体化してしまうというもの。

この宝具が発動したら最後、杖を使わなければ歩けないほどに衰弱した老人の姿に変わってしまい、
全てのステータスが最低ランクにまで低下してしまう。

更にこの姿となった場合には自己増殖スキルが使えなくなってしまうなど、完全なる自滅用宝具となっている。

【weapon】
 鋭いかぎづめと無数のとげが付いた甲羅、また口から炎をはくこともできる。

 なおこれは本来の感染者の持っていた能力をコピーしたものである。

【人物背景】

 本来の感染者である『クッパ大王』と瓜二つの姿をした人間大のウイルス。

 「クッパ大王がマリオに勝利できるようにする」という目的のために人工的に開発されたウイルスで、
 感染すると数千人に増える上に百人が集合する事で宿主の百倍の強さを誇る怪物へと変貌する。

 しかし千人と集合し『千人力』になろうとした際に誤ってクッパ本人を吸収した結果エラーを起こし、
 弱体化してそのままマリオに敗北して消滅した。

 ……完全に余談だが彼が登場している作品はギャグ漫画であり、断じて本作のようなホラー的な展開はないので
 悪しからず。


【サーヴァントとしての願い】
 打倒マリオ。

 ……あと、ピーチちゃんと結婚したい。
【マスター】
黄色ブドウ球菌@はたらく細胞

【マスターとしての願い】
人体を介して増殖し続ける。

 あと白血球やマクロファージに復讐する。

【weapon】
 鋭いかぎづめと、下半身に存在する鋭利な尾。

【能力・技能】
 援軍として大量の細菌を呼んだり、自身の同族と合体して巨大化するなどがある。

 ……ただしこの聖杯戦争において彼女は人間と同じ大きさになっている関係上
 それらを行使することは不可能となっている。

【人物背景】
 ブドウ球菌の一種で、人体の皮膚や腸内に生息する常在菌。また腸内では悪玉菌に分類される。

 黄色いボディカラーにブドウを思わせるような球体部分が体中の各所に存在する、名が体を表す風貌が特徴的な菌類。
 また女性的な言動で、別の細菌の侵入結果を確認して下調べを行うなど勤勉な性格をしている。

【方針】
とにかくライダーを増殖させ続けることで長期間の戦闘への下準備と、ライダー本人のパワーアップを図っていく。

……なお千人以上合体させて自滅する可能性については一切考慮していない(というか知らない)。

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最終更新:2021年06月29日 20:12