『このまま逃げられるとでも思ったか?
 これで終わったとでも思ったか?』

 遠くで雷鳴。冷たく傲慢な、嘲笑う声が廃ビルに、男の脳内に鳴り響く。
せっかく与えられたサーヴァントという暴力を使って、
気分良く悪党どもをなぶり殺しにしていたのに、なぜ。なぜ。

『貴様が罪人だからだ、慮外者め!
 傲慢にも社会のルールに逆らい、大罪を犯したな。
 現行犯で逮捕し、即時死刑執行だ!』
「ば、バカな! ここにいる連中は、マスター以外はNPCだろ!?
 別に何してもいいやつらじゃねえか!」
『汝、殺す勿れ。神の定めた法は絶対だ!』

「見ぃつけた」

 別の声に振り返る。
背後から、両腕に異様な籠手を装備した人影がやってくる。
サーヴァントを呼んでも来ない。やられてしまったのか。
人影が駆け寄って来る。男は必死で暗い廃ビルを逃げ惑う。

「こ、殺すなっていうんなら、テメエらが俺を殺すのもダメじゃねえか!
 だいたい警察とか裁判所とか、法律が」
『黙れ。ここでは俺が法律で、裁判官で、処刑人だ。
 俺は地獄の最高検事総長だ』

話が通じない。狂ってる。何が。なぜ。

 不意に目の前が開け、暗雲の垂れ込めた空間に足を踏み入れた。
見回せば巨大な鎖がジャラジャラと動き回り、
足元の床には牙のような長い棘が出たり引っ込んだりしている。

 高いところから見下ろすのは、角と尻尾が生えた悪魔めいた女性。
そのバストは豊満だ。彼女は傲慢に嘲笑う!

『捕まえたぞ! 原罪執行装置起動!』

 がぐん、と足元が揺れ、棘の床がこちらへ迫ってくる!
「うおおッ!?」
 必死にジャンプして回避! だが四方から鎖が迫る!
「うひいッ!?」
 右、左、上、下、鎖はどんどん増え、動きが早まる! 躱しきれない!
「ぐわあーッ!?」

 ついに鎖に捕まった! 男は手足や首を拘束され、身動きが取れぬ!
そこへ鎖がさらに飛来し、鞭打つ! 床の棘が伸びて足を貫通!

「ぐわあーッ!?」
『苦しんでもらうぞ罪人め! 執行装置の具合はどうだ?
 降参すれば貴様を消し去ってやるぞ!』
「ひいいーーッ! 助けて! 殺さないで! 真人間になります!」

『希望を捨てろ! 運命は既に定まっている!
 貴様を縛る鎖はみな、貴様が持ち込んだもので作った。
 エゴ、欲求、退廃、己の禍で鞭打つがいい!』

「ああ、ああ、あああああーーーーッ!」

 男は絶望と恐怖、悔恨に身をよじり、泣き叫び、鎖から噴き出した地獄の炎で焼かれて消滅した。

「……なんだ、キミが殺しちゃったの」
『遅かったな、マスター。愚か者のブザマな死に様を楽しませて貰ったぞ。
 サーヴァントは無事に倒せたのか?』
「大したことはなかったよ。このガントレット、もう少し縮まないかな」

 元の廃ビル。
先程の女悪魔と、両腕にトンファーつきガントレットを装着した少年が向かい合っている。
彼の肩には黒い学生服。

『気にするな! 使ってるうちに馴染んでくるさ。
 俺の武具を装備できる人間なんて、なかなかいないぞ!
 次は俺がサーヴァントを狩るとしようか』
「まあ、いいけど。僕はそろそろ寝るよ」

 あくびをする少年の両腕からガントレットが消え、トンファーを持った手が現れる。
学生服の左腕には「風紀」と書かれた腕章。

『ハハハ! よく眠り、魔力と体力を蓄えておけ!
 ガキはおネムの時間だが、悪魔の時間はこれからだ!』

【クラス】
ルーラー

【真名】
ジャッジメント@Helltaker

【パラメーター】
筋力A 耐久B 敏捷B 魔力A 幸運C 宝具EX

【属性】
秩序・悪

【クラス別スキル】
真名看破:A
 直接遭遇したサーヴァントの真名・スキル・宝具などの全情報を即座に把握する。
あくまで把握できるのはサーヴァントとしての情報のみで、
対象となったサーヴァントの思想信条や個人的な事情は対象外。
また、真名を秘匿する効果がある宝具やスキルなど隠蔽能力を持つサーヴァントに対しては、
幸運値の判定が必要となる。持ってはいるが使用するかどうか不明。

神明裁決:A
 ルーラーとしての最高特権。
召喚された聖杯戦争に参加している全サーヴァントに対して、2回まで令呪を行使できる。
他のサーヴァント用の令呪を転用することは出来ない。持ってはいるが使用するかどうか不明。

対魔力:B
 魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。
大魔術・儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。彼女は高位の悪魔である。

【保有スキル】
束縛願望:A
 戦闘において麻痺・封じ・石化などの拘束系の物理攻撃や特殊能力の成功確率が上昇するスキル。
反面『縛り付ける』事を日常にし過ぎているため、通常攻撃で相手に与えるダメージが10%低下する。
鎖で束縛してから電流や地獄の炎でダメージを与えてくる。

最高検事総長:EX
 地獄の法の番人にして執行者であることを示す「権能」。
「影の風紀委員長」「処刑人」「対邪悪」のスキルを含み、
属性が悪のサーヴァントや悪行を為した者に対するダメージが向上する。
たとえ如何なる状況であっても、風紀や法律の乱れを見逃すことがない。
司法権の独立を主張し、無慈悲に懲罰を下す圧制者。
自らやマスターの風紀紊乱や法律違反を指摘されても耳を貸そうとはしない。彼女は悪魔なのだ。

【宝具】
『原罪執行装置(チェインズ・オブ・ザ・シン・マシーン)』
ランク:EX 種別:結界宝具 レンジ:1-50 最大捕捉:100
 ルーラーが展開する巨大な懲罰装置。
傲慢(Sperbia)、貪欲(Avartia)、性欲(Luxuria)、絶望(Despair)の4種の鎖を縦横無尽に放ち、
触れた者を拘束して責め苛む。床からは無数の牙が現れて動きを阻む。
鎖は複雑ながらパターン化された動きをし、破壊も可能だが、4回鎖に接触すると地獄の炎で骨まで焼かれて死ぬ。
装置を展開せず鎖だけを放つことも可能。鎖は相当に長く伸び、それぞれの罪を持つ者を嗅ぎつけ、特効となる。

【Weapon】
 トンファー&鉤爪つきガントレットと宝具である鎖。ガントレットはマスターに貸与している。自在に出し入れ可能。

【人物背景】
 ゲーム『Helltaker』に登場する地獄の悪魔のひとり。事実上のラスボス。
二つ名は「最高検事総長(the High Prosecutor)」。白髪・銀目・褐色肌でバストは豊満、
頭の左右に角があり、背が高く筋肉質でビキニ&ホットパンツという露出度の高い服装をしている。
黒いジャケットを羽織り赤い腕章をつけ、両手にはトンファー&鉤爪つきのガントレットを装備し、鎖を操る。
腕章とジャケットの背にXXの文字があり、腰から悪魔の尻尾が生えている。

 奔放な見た目と高圧的な口調、好戦的な表情に反し、性格は非常に頑固で真面目。
地獄CEOのルシファーに対しても司法権の独立を主張して命令に従わず、罪人であれば同じ悪魔にも容赦はしない。
実はルシファーと同じく堕天使であり、生まれついての悪魔ではない。可愛い動物が好き。

【サーヴァントとしての願い】
 なし。悪人や罪人を処罰し、地獄へ帰還する。

【方針】
 悪人や罪人であるマスターやサーヴァントを積極的に狩る。マスターは自由に振る舞わせておき、ヤバいようなら加勢する。

【把握手段】
 原作。

【マスター】
雲雀恭弥@家庭教師ヒットマンREBORN!

【Weapon】
 トンファー。鉤や棘、玉鎖など様々な仕込みが施されている。リングや匣兵器は持っていない。
ルーラーから貸与されたトンファー&鉤爪つきのガントレットを装備しており、サーヴァントにもダメージを与えられる。

【能力・技能】
 喧嘩が強い。

【人物背景】
 漫画『家庭教師ヒットマンREBORN!』の登場人物。CV:近藤隆。
黒髪で切れ長の目をした細身の少年。身長169cm、体重58kg。
並盛中学校の風紀委員長であり、不良の頂点に君臨する謎の男。
学校指定のブレザーではなく学ランを肩に羽織っており(根性で落ちない)、
左腕に「風紀」と書かれた腕章を身に着けている。

 愛校心は強いが集団や束縛を嫌い、気に入らない者や群れる弱者は仕込みトンファーで滅多打ちにする。
母校だけでなく町内の病院や裏社会も仕切っており、ショバ代を暴力で回収するなど傍若無人。
素性には謎が多く、家族も年齢も不詳。バイクに乗る。喧嘩は滅法強く、突然現れて理不尽な暴力を振るう。
自分を頂点捕食者と考えており、ブン殴ることを「咬み殺す」と言い、弱者は草食動物呼ばわりするが、
可愛い動物や自分に好意を抱く者にはそれなりに優しく接する。好戦的で強者と闘うのは好き。

【ロール】
 神出鬼没の不良中学生。

【マスターとしての願い】
 元の世界への帰還。

【方針】
 全員咬み殺して帰る。

【把握手段】
 原作漫画。

【参戦時期】
 不明。桜クラ病は克服済み。

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最終更新:2021年06月29日 22:27