とある廃ビルの一室。
そこに放置されたデスクトップPCのモニターが、突然光る。
そこから飛び出してきたのは、無数の「0」と「1」。
それらは寄り集まり、大きなリボンを付けた金髪の少女の姿を取る。

「おかしなことになったね、レン」
「そうだね、リン」

いつの間にか少女の姿は、活発そうな少年の姿へと変化している。
「彼女」は鏡音リン。「彼」は鏡音レン。
電子生命体が存在する世界からこの地に呼び出された、一心同体のボーカロイドと呼ばれる電子生命体だ。

「どんな願いでも叶えられるんだって、レン」
「すごい話だね、リン」
「何を願おうか、レン」
「悩むね、リン」
「人間にしてもらうっていうのはどうかな、レン」
「面白い考えだけど、それが僕らの幸せに繋がるのかな、リン」
「そっかあ。難しいね、レン」
「そうだね、リン」

めまぐるしく姿を入れ替えながら、レンとリンは会話を続ける。
そうこうしているうちに、新たな光が部屋の中に発生する。
二人のサーヴァントが召喚されたのだ。

「はじめまして、あなたが私のマスターですね?」

現れたのは、骸骨と般若を合わせたような顔をした、機械仕掛けの戦士だった。

「私はランサーのサーヴァントです。これからよろしくお願いします」
「よろしくね、ランサー」
「よろしくね、ランサー」

リンとレンは、それぞれランサーにあいさつをする。

「一つの肉体に二つの人格ですか……。なかなか独特ですね」
「肉体って言っていいのかな。今の私たちは、データが実体化してるだけだから」
「あんまり長くは、コンピューターの外に出てられないんだよね」
「なるほど、あなた方もAIに近い存在なのですね」

リンとレンの説明に、ランサーは表情の変わらぬ顔を上下に動かしながら納得する。

「ランサーもAIなの?」
「でもサーヴァントって、幽霊みたいなものなんだよね。
 ということはランサーも、人間みたいに魂を手に入れたの?」
「わかりません。サーヴァントとは必ずしも、魂を持った人間がなるものではありません。
 人間の抱くイメージそのものが、サーヴァントとなることもあります」

子供たちに愛された「童話」という概念は、「ナーサリーライム」というサーヴァントになった。
一人の数学者が唱えた理論は、「マックスウェルの悪魔」というサーヴァントになった。
あるいは物語の登場人物が、モデルとなった人物をベースとしてサーヴァントになるケースもある。
サーヴァントとは、必ずしもおのれの人生を生きた人間であるとは限らない。

「つまり私はAIが魂を持って英霊に至ったのではなく、私を知る人間のイメージが集まって私になったという可能性もあります」
「うーん……。難しい話だね、レン」
「難しいねえ、リン」

ランサーの話は、リンとレンには今ひとつピンときていないようだ。

「まあいいや。とにかくがんばろうよ、レン」
「そうだね。負けたくないもんね、リン」

電子生命体である二人の倫理観は、人間とは異なる。
この命がけの戦いも、スポーツの試合程度にしか捉えていない。
そしてランサーも、召喚された現在の状態では人間を完全に理解しているとは言いがたい。
人ならざる主従は危ういまま、戦いの渦へと飛び込んでいく。
【クラス】ランサー
【真名】ジェットジャガー・ユング
【出典】ゴジラS.P
【性別】なし
【属性】中立・善

【パラメーター】筋力:B 耐久:B 敏捷:C 魔力:E 幸運:D 宝具:EX

【クラススキル】
対魔力:―
魔術に対する抵抗力。一定ランクまでの魔術は無効化し、それ以上のランクのものは効果を削減する。
科学で生み出された英霊であるがゆえに、機能していない。

【保有スキル】
機械仕掛けの英雄:A
機械の頭脳と機械の肉体を持つ存在。
催眠や精神攻撃を無効化し、毒や病原菌もそのほとんどがランサーにとって無意味。
ただし、プラスの状態変化も大部分を無効化してしまう。

破局に抗う者:B(A)
滅びに向かう世界の運命を変えた立役者。
世界を滅ぼそうとした、あるいは実際に滅ぼした逸話を持つサーヴァントと戦闘する際、与えるダメージが大幅にアップする。
下記の『ジェットジャガー・PP』発動時は、ランクがAに上昇。

【宝具】
『アンギラスの槍』
ランク:A 種別:対獣宝具 レンジ:1-3 最大捕捉:1人
怪獣アンギラスの牙を加工して作られた槍。
元々は切れ味が鋭いだけで特別な効果はなかったが、無数のクモンガやラドンを葬った逸話から巨大生物に対する特攻がついている。

『ジェットジャガー・PP』
ランク:EX 種別:対城宝具 レンジ:不明 最大捕捉:不明
アップデートの末にたどり着いた、ジェットジャガーの最終形態。
物理法則をねじ曲げ、100メートル近い大きさへと巨大化している。
戦闘力も大きさに合わせて上昇するが、この姿になった戦いでランサーは大破している。
ゆえに逸話の再現として、この宝具を使用した戦闘が終了したとき、ダメージ量にかかわらずランサーは自壊してしまう。

【weapon】
『アンギラスの槍』

【人物背景】
町工場「オオタキファクトリー」で製造された戦闘用ロボット。
当初は有人操縦だったが、後にAI「ユング」が移植され自律行動型となる。
様々な怪獣との戦いの果てに、破局の化身たるゴジラと相打ちで消滅した。

【サーヴァントとしての願い】
よくわからないが、とりあえずマスターに従う。


【マスター】鏡音リン/鏡音レン
【出典】VOCALOID
【性別】女/男

【マスターとしての願い】
まずは願いを考えることから始めなきゃ

【weapon】
なし

【能力・技能】
電脳空間に入り込むことができる……というか、そちらが本来の状態。
また、ボーカロイドなので当然歌は上手い。

【人物背景】
少女の「リン」と少年の「レン」でワンセットの、歌唱プログラム。
本作ではとある世界で生み出された電子生命体という設定であり、一つの体を二人で共有している。

【方針】
優勝を目指す

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最終更新:2021年07月03日 13:51