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「聖杯戦争って知ってるか? 人のお願いを何でも叶えてくれる魔法の器を巡って、勇者同士で殺し合うんだとよ」

 地球の、日本の、とある墓地で。久しぶりに会った旧友が、突然そんなことを言い出した。
 友と呼ぶほど良好な仲かというと首を傾げるところもあるが、長い付き合いの相手への平易で妥当な呼び方ということで、とりあえず彼は旧友だ。
 じりじりとひりつく暑さの中だというのに、気取ったスーツ姿は以前会った時から変わらず。這う蛇のように、人を敢えて不快にさせようとするような粘りついた声の抑揚も変わらず。いっそ安心感すら覚えるほどだ。

「どうせ蠱毒の類だろ。似たような言い伝えなら何度も聞いたな」
「そう言うなよ。どこの宇宙の魔術師様もやってるらしい大人気のパーティースタイルだぜ」
「それで、お前さんはその聖杯戦争とかいうのに参加でもする気か?」
「は。それができたら今頃こんな辺鄙なところに駆け込んでねえよ」

 けらけらと笑う旧友の姿に、また余計なことをしでかして追われる身になっているのだろうなと察した。先程気前よく饅頭をご馳走してくれた壮年の住職の顔を思い出しながら、お寺に迷惑だけはかけるなよと釘を刺す。

「つまり俺達には関わりの無い催しだってことか」
「そうとも限らないんだよな。何せ、いつかお前が呼ばれることもあり得るからな」

 旧友の語るところによると。
 歴史に名を残した英霊を影法師として召喚して二人一組となり、彼らを競い合わせるのが聖杯戦争の基本である。そして地球で誰もが知る、既に亡き偉人であることが、英霊の座に登録される条件だという。
 それはつまり。

「お前も死んだら、冥府から引っ張り出されてどこぞのお坊ちゃんお嬢さんにこき使われるかもしれないってことだ。愉快だと思わないか? 地球を守ったスーパーヒーローさんとしては」
「どうだかなあ。俺はそんな大それた男じゃない」
「くだらねえ謙遜してんじゃねえよウルトラマンが」

 舌打ちも悪態も、涼しい顔で受け流す。慣れたものだ。
 近くの細道を走り抜ける自動車のエンジン音がよく響くくらいの静かさの中、西の空に星が輝くのが見えた。

「おっ。じゃ、俺はそろそろ行くわ。あいつらがはるばるお越しになったんでな」
「あいつら?」
「ああ。地球人を真似て聖杯戦争など執り行わずとも、幾万の血肉を供物として注ぎ込めばぁ~、とかほざいて、いろんな惑星に侵略仕掛けまくってた連中がいてな。ったく、んなもんてめーの星だけで賄えっての」
「おい、まさかそんな奴らが地上に降りてくるのか。だとしたら俺も迎え撃……」
「要らねえよ。最後まで聞け……そんなんだから、たまたまあの宙域まで来てた警備隊の奴らに悪事がバレて計画パー。ドンパチの始まりってわけだ」

 たまたま、の部分に含みがある気がしたが、敢えて問うまい。

「恨めしい俺を追跡して遠路はるばる飛ばしてきたようだが、もう無理だな。今頃あの大気圏の向こう側で鎮圧されてるだろうよ。どうだ、挨拶くらいしてくか?」

 俺は別になんだっていいが、ゼットと出くわしたりしたらめんどくせえからな。怪しい宇宙人はとっととずらかるに限る。
 そう言いながら、旧友は墓前を後にしようとする。

「おいジャグラー」
「あ?」

 そんな彼を、なんとなく呼び止めた。せっかくの数十年ぶりに再会した時間を惜しむような気もしてのことだったが。

「あばよ」

 他に何を語り足りないというわけでもないのだ。いつものように、何年後か何十年後か何百年後かにどうせまた会うだろうと信じて、一時の別れを告げた。
 旧友は振り返ることもなく、ひらひらと手を振りながら消えていった。

「俺が死んだら、ね」

 旧友の言葉を思い返す。この胸にあるのが一つの命である以上、きっといつの日か力尽きる日が来るのだろうとは理解しているが。

「いったい何千年、何万年後の話になるんだろうな。なあ?」

 墓の底で眠る彼女へと語りかける。当然、返答は無い。ふと生じた一抹の侘しさを、聖杯がもたらす奇跡の力で埋めようとも、思わない。
 死に別れた誰某と再会したいとか、理想の美しい世界であってほしいとか。いつか抱いた大望の数々は、長い永い時の中で、納得とも割り切りとも呼べるものへと昇華してしまった。
 彼女のことを今でも鮮明に覚えている。つまり、彼女とは今も繋がっている。今はもう、これだけで十分だ。こうして再確認できるという点では、墓参りとは有意義なものだ。
 花は既にあいつが供えていったようなので、買ってきた二本のラムネのうち一本を置いていく。瓶の底の円形が、石の固さとぶつかって、かつんと音を立てた。






 気付けば、セイバーの両足は円の中にあった。
 棒で土を抉って描かれたらしい、随分と大きな円形の中の、幾何学的な模様……のような何か。これが果たして本当に意味や法則性を持ったものなのか、セイバーにはわからない。ただの見よう見まねで描いたのではないかと思った。

「おー、ほんとにきた」

 驚愕しているのは確かだろうに、どこか平淡なようにも聞こえる声が、暗がりの中の清んだ空気に響く。
 透明感。目の前に立つ少女の姿を見て、セイバーが真っ先に連想したのはそんなフレーズだった。
 ただ顔立ちが小綺麗に整っているから、だけではない。照りつける陽光を反射する水面のようにも、途方もない海底のようにも映る瞳が、彼女の佇まいを象徴していると思えた。光なのか、闇を抱いているのか。どちらにも見えてしまうような、透過率。

「呼べるじゃん。ミステリーサークル」
「なんだ。魔方陣じゃないのか、これ」
「え? あー……そっか、そういうやつ描くとこか」

 ミステリーサークルは自分で描いて作るものではない、という指摘さえ、する気にならなかった。

「あんた、サーヴァントじゃなくて宇宙人でも呼ぶ気だったのか?」
「違うの……ですか? えーっと……」
「……セイバー。俺はセイバーのクラスで呼ばれた。そういうことになっているらしい」
「うん。じゃあセイバー。で、セイバーは宇宙人じゃない、んですか?」

 違うか。イカっぽくないし。UFO乗ってこなかったし。少女は一人で得心したようだった。

「あいにく、そうでもないんだな。ほれ……こう見えて、俺も宇宙人だ。あと、別に敬語じゃなくても気にしないぞ」

 二本の脚で立ち、二本の腕をばっと広げる。どこからどう見ても少女と同じくホモサピエンスである容姿は、しかし、紛れもなく地球外生命体のそれなのだ。

「えー……普通に人じゃん」
「宇宙人も人だぞ」

 特に失望したわけではないのだろう。彼女は口許に薄笑いを浮かべていた。
 これから戦争という儀式に臨むためのパートナーと対面しているということさえ、忘れてしまいそうになるほどの緩やかな一時が、浅倉透という人間との間で形成されていた。
 静かな、しかし寂しくはない、そんな夜のことであった。






「ぼーとく的って感じしない? たこ焼きって」
「ん?」

 昔ながらの様相を色濃く残すその駄菓子屋は、たこ焼きを提供していた。業態として厳しいだろう中でも、変えるべき部分を変え残すべき部分を残しながら、旧き良き文化を今の時代まで継承している店だった。
 そんな店で二人分のたこ焼きを買い、軒先のベンチで頂こうとする夕方のことだった。

「今日は晩ごはんすき焼きだって。今チェイン来た。お母さんから」
「それはめでたいな。ご馳走じゃないか」
「どうしよ。このたこ焼きあんまり食べれないじゃん」
「……じゃあ、半分貰っとくか?」
「ん」

 セイバーの手に持った紙の舟の上へ、たこ焼きが二個三個とひょいひょい乗せられていく。小腹を埋めるにはちょうどいい程度の量だけが、透の手元に残された。
 セイバーが透のもとに召喚された翌日、彼女の発案により催された小さな親睦会。ギャラ貰ったからと豪語する透にこうして飯を奢られ、サービスの増量までしてもらえたのだから、アイドルとは気前の良い職業なのだなとセイバーは感心する。

「で、何が冒涜的なんだ? 腹が膨れるからか?」
「たこ焼きってさ、おやつになるじゃん。小麦粉使ってるけど」
「ああ」
「主食にできるのにおやつじゃん。食べなきゃ駄目な時間じゃないのに食べてる。ごめんよー、タコ」

 そう言いながら、透は躊躇なくたこ焼きを口に入れた。

「間食ってのも大事だろう。生きるのに必要な栄養だけ摂って終わりにしないのも、食事を社交の一環に仕上げた人間の特性だと思えば、俺は嫌いじゃない」
「おー。深いね」

 頂きますの一言と共に、セイバーも食事を始める。ソースはやや濃いめの甘口で、いつかあの事務所でたらふく食べた時のものよりも味付けは好きかもしれないと、小さな満足感を覚えた。子供舌というやつなのだろうか。

「好きだからな。飯食うの」

 この宇宙には、地球人以上に処理能力の優れた脳機能を持ちながら定型的な摂食のみ行う生命体も、そもそも摂食と呼べる行動さえ必要としない生命体も沢山いる。
 食物連鎖という循環の中で、生理的活動以上のものへ発展した食事という形態は、人間の築いた文化の一つだ。
 セイバーは、食事が好きだった。この星の生態系が織り成す環の中で、他の命と共に在るような気分に浸れたから。

「じゃあさ、食事は駄目だぞって宇宙人もいるのかな」

 その突飛な思い付きに、思わず苦笑してしまった。

「……いたな。そういうやつ」

 ただの思い出話として、透に明かすことにした。次元の彼方から地球へやって来た、『裁定者(シビルジャッジメンター)』との戦いの記憶だ。
 地球人がどれほど歴史を積み重ねても戦争から逃れられない根本的な原因は、同じ星の中で他の生命を奪うことで成立する食物連鎖という残虐な構造を模倣していることにある。よって、人類を含めた地球上の全ての生命体は、間違った進化を遂げた食物連鎖という生態系ごと根絶されるべきである。
 ……などという言い分を振りかざした敵を、かつて倒したことがあった。奴の同種と呼べる存在は今でも宇宙に蔓延っているが、もし再び出会ったとしても、決して和解などできないのだろう。

「やば。駄目じゃん、地球」
「真に受ける必要は無いぞ。あれは極論の中の極論だ」

 そう忠告するセイバーは、現に争いの渦中にいる。清濁問わず願望を胸に抱く者達による戦争のために最適化された、仮想の都市の中に。
 他者を蹴落としてでもただ一人の我欲を貫くことを是とする聖杯戦争は、元を辿れば紛れもなく人間によって開発された儀式。人間の、人間らしい在り方を表出させているとも言えた。
 奴のように愚かと断じることは容易だ。しかし、セイバーはその判断を下さない。
 地球を慈しみながらも、やはり異邦人である己が引くべき一線として。同じ星の住民同士による争いの形式そのものに対して、非難や否定をしない。聖杯戦争というシステムを未来へ遺すべきかは、後世に生きる人間自身が決めるべきことだろうと、セイバーは結論づけていた。
 今は、この状況下で自分達がどのように在りたいかを検討するべき時でしかない。
 沈黙の時間。無垢な子供達のはしゃぎ回る声が聴こえた。

「みんなさ、聖杯が欲しいわけじゃん」
「だろうな」
「でも、私たちは聖杯なくても平気でしょ」
「ああ」

 透は、聖杯の恩恵を求めていないと言った。この東京から抜け出し、帰るべき場所まで無事に辿り着ければそれで良いのだという。
 しかし、この地に喚ばれた多くの者達は、透やセイバーとは違うはずだ。
 人々を苦しめ、世界を破滅させるような邪悪な願いを掲げる者ならば、討つべきだろうと思う。そうでないならば……願いの如何にとやかく口出しする資格などセイバーには無く、透も同じく考えているようだった。

「ただの無気力な人でしょ。私」
「それを言うなら俺だって似たようなものだぞ」
「セイバーはさ、偉い人じゃん。みんなのために死ぬほど戦ったから、こうやって呼ばれてる……他のサーヴァントも、みんな」
「……そういう見方も、できるな」
「勝てるかな。他のマスターに。ちゃんと頑張ろうとしてる人たちにさ」

 透がマスターとして選択できる戦術や戦略の優劣とは、全く別の話をしているのだと、セイバーはすぐに理解した。
 聖杯というゴールが設けられている場で、懸ける熱意の違いは勝敗を決める重要な一手となるのだろう。
 ならば、もしも聖杯戦争から穏便にリタイアする方法さえ発見されれば十分で、聖杯戦争に勝ち残ることへの意欲が薄い透は、どんな妥協も遠慮もしない敵と対峙した時、果たして生き延びられるのだろうか。
 透は、死ぬのが怖いのか。それとも、敗北者であることが辛いのだろうか。

「……帰りたいというお前の思いは、他人に劣るようなものなのか?」
「え?」

 問うと共に、喉を一度潤すため、たこ焼きと一緒に買ったラムネを呷る。
 透は、セイバーの手元を見つめていた。

「あー」

 ガラス瓶の中で、水面の小さな揺らぎが生まれる様に、どこかの遠い光景を見出だしているような、そんな表情にも見えた気がした。

「違った。負けないと思う。たぶん」

 それは簡潔な、しかし明瞭な返事だった。
 生還する。その願いは、聖杯の必要性の有無に関わらず強いものなのだと、納得をできたようだ。
 透が自らの生きる世界で何を成そうとしているのか、セイバーは知らない。それは彼女との交流を通じて、これから理解していくことになるだろう事柄だ。

「こういう理由でも、いい? これなら胸張れる気がするけど」
「それは透が決めることだ。お前が、自分で決めていいことだ。そうしてくれた方が、俺も力を貸しやすい」
「そうなの?」
「ギリギリまで頑張っている人間の味方になる。先輩のウルトラマンの方々がやってきたことだ、俺も倣うとするさ」

 人々の救世主、英雄として数々の宇宙で名を残した彼らは、しかし時に人間に対して突き放すような姿勢を見せることもあったのだという。
 無駄な努力なんてしなくても、どうせ彼が解決してくれる。無謀な真似で命を危険に晒しても、すぐに彼が助けてくれる。そんな甘えに対する厳しさであり、裏を返せば、人間がいつか自らの力で彼らに追い付く日が来ることへの祈りでもあった。

「それ、私の味方でいいんだ。いっぱいいると思うよ、頑張り屋な人」
「こうして袖が振り合ったからな。理由としては十分だ」
「さんきゅー。それいいね、そのうちパクろ」

 尤も、今のセイバーは人類という種への祈りを捧げているわけではない。何の因果か出会った少女に、ただの隣人として、彼女が彼女なりの最善を尽くせることを望むだけだ。
 またたこ焼きに爪楊枝を刺す。これで四個目だが、一番綺麗な円型だった。

「なんかさ。あったらいいよね。うまい感じに出れる方法」
「……まあ、無いなら無いで、最後まで生き延びさせるだけの味方はするさ。無闇に人の命を奪わない、救える限りの命を救う方向でな」
「うん……あっふ」

 透は最後の一つのたこ焼きを頬張っていた。熱に苦しみながらも、もきゅもきゅと噛み砕いて、飲み込んだ。透の肉体の糧となったのだ。

「私たちは、生き残る……めっちゃ、頑張って」

 吐き出された透の意思を、鼓動の高鳴りを訴えかけるような熱の籠った眼差しを前にして。
 何故かセイバーは、地球上の万物を貪り尽くそうとした大怪獣の姿を想起した。ただ息を吸うように有機物も無機物も見境なく呑み込んで、崩壊した食物連鎖の跡地に君臨せんとした、雑食性の孤独な魔王だ。
 もしかしたら、透はいずれ争いの勝者に、捕食者の側になってしまう未来もあるのかもしれない。だが、それでも。
 人が魔王にならないためのものを、透は既に持っているのだろうと、セイバーは安堵のようなものを感じていた。



【クラス】セイバー
【真名】クレナイ ガイ
【出典】ウルトラマンオーブ
【性別】男性
【属性】中立・善

【ステータス】
筋力B 耐久B 敏捷B 魔力A 幸運C 宝具A
(オーブオリジン変身時のステータス)

【クラススキル】
対魔力:B
 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

騎乗:D
 騎乗の才能。ランクはやや低め。UFOには乗らない派。

【保有スキル】
光の戦士:B
 数多の宇宙で人々の救世主として伝説が残される存在、ウルトラマン。
 彼らは(一部の例外を除いて)この宇宙に満ち溢れるエネルギーを生命活動の源とし、それ故に食物連鎖という軛からも解放され、半永久的に生き続けることとなる。
 太陽光のような宇宙由来の強い「光」を浴びて自らの魔力に変換することができる。事実上、一般的なサーヴァントよりも効率の良い回復が常に行われる状態となる。
 同ランク相当の魔力放出スキルの効果も兼ねる。
 ちなみに、セイバーは後天的にウルトラマンとなった身であり、尊敬する先輩達の格にはまだまだ及ばないことから、スキルランクはAから一段落ちる。

変身:B
 セイバーの肉体は地球人に近い性質のヒューマノイド型であり、宝具の解放によっていわゆる人間態からウルトラマンの姿へと変わる。 
 本来ならば身体が約50メートル級に巨大化するが、サーヴァントとして召喚されたセイバーはウルトラマンの姿でも約2メートル級まで身体サイズを制限される。
 ウルトラマンとしての活動には激しいエネルギー消費が伴い、ある程度の段階まで消費された時点で変身は強制的に解除されてしまう。
 状況にもよるが、ウルトラマンとして一度に活動可能な時間はおよそ3分間である。

人世の居候:C
 スキル「変身」を発動させていない間に有用なスキル。
 人間態のまま活動している時のセイバーは高確率で他者の魔力感知による捕捉から逃れ、また実際に姿を目視されてもサーヴァントであるとは認識されない。
 ただし、セイバーの正体を「サーヴァントである」「ウルトラマンである」と一度認識した相手に対しては、以後このスキルの効果は発揮されない。

さすらいの太陽:EX
 彼は銀河の渡り鳥。悠久の時の中で出会いと別れを繰り返し、人と繋がる愛しさを胸に刻みながら、今日も気ままな旅を続けている。
 A+ランク相当の単独行動スキルとして機能する。
 そしてスキル「光の戦士」との相乗効果により、セイバーはマスターに魔力を一切負担させることなく十全の戦闘行為に及ぶこと、仮にマスターを喪っても再契約することなく従来通りの活動を継続することが可能である。
 (ただし、極端なペースで魔力を消費し続けた場合はその限りでない)
 また、もう一つの効果として、条件を満たすほどセイバーの能力値に上方補正が掛かる。その条件とは単純で、「セイバーがこの地で他者と交流を重ね、縁を築くこと」である。
 セイバーへ向けられる一方的な信仰ではなく、あくまでも互いの人柄を認識し合うことが必須となる。

【宝具】
『勇士よ集え、輪光のもとに(フュージョンアップ)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:‐ 最大補足:2人
 ――光の力、お借りします。
 輪状の結晶を基とした手持ち型の器具「オーブリング」と歴代のウルトラマンの力を宿したカード「ウルトラカード」を組み合わせた、ウルトラマンオーブへの変身プロセスそのものが宝具とされている。
 クレナイ ガイは本来の姿への変身能力を喪っていた頃、こうして先輩達の力を「お借りする」ことでウルトラマンオーブへと変身していた。
 一度に二つの力を融合させることで、それぞれのウルトラマンが持つ特性を効果的に活かすことのできる形態を獲得する。
 多くの出会いを経たガイは、十種類以上の形態を自在に使いこなすようになると伝えられている。
 しかし、セイバーとして召喚された彼が持ち込むことのできたウルトラカードは、魔王獣の退治の逸話に基づいたものに限られている。
 そのため、この宝具で変身可能とされる形態は『スペシウムゼペリオン』『バーンマイト』『ハリケーンスラッシュ』『サンダーブレスター』の四つである。

『銀河色の聖剣(オーブカリバー)』
ランク:A 種別:対人・対獣宝具 レンジ:1~50 最大補足:1人
 ――覚醒せよ、オーブオリジン。
 クレナイ ガイが惑星O‐50で授かった聖剣であり、「本来の」ウルトラマンオーブへの変身デバイス。
 この宝具を介することで、オーブ本来の姿『オーブオリジン』へ変身することができる。
 人間態からオーブへ変身するデバイスとしての短剣形態、変身後の武器としての大剣形態を持つ。大剣形態はかなりの重量があり、振るう時は基本的に両手持ちでの大振りとなる。
 宇宙各地で獲得した四つのエレメントを使った火・水・風・土の属性を持つ技、そして必殺光線オーブスプリームカリバーの発動は、この宝具によって行われる。
 なお、ガイがセイバー以外のクラスで召喚された場合、この宝具を持ち込むことはできない。その代わり、クラスに応じた種類のウルトラカードを与えられることとなる。

【weapon】
ウルトラマンオーブとしての能力全般。

【人物背景】
どこかの星で生まれて以来、何千年間にも渡って宇宙を旅する風来坊。
惑星O‐50での試練を乗り越えたことで、光の戦士・ウルトラマンオーブとなった。
地球では魔王獣と呼ばれる怪獣や、闇に堕ちたかつての同胞との戦いを繰り広げた。
その後も、いくつもの並行宇宙を股にかけて活躍したらしいことが語られている。

なお、今の彼はサーヴァントの身でありながら、霊体化を行うことができない。
一生命としての死を観測されることなく地球を去った長命種の彼をサーヴァントとして再現したことで生じた、ある種のバグ故か。
或いは、『界聖杯』によってこの地に召喚されたセイバーこそが、一時的にサーヴァントとしての規格に収められた、他でもない「オリジナル」のクレナイ ガイその人であるが故か。
真相は、定かではない。

【サーヴァントとしての願い】
流れ者である俺に、大層な願いなど無い。
ただ、邪悪と呼ぶに値する願いの成就は防ぎたい。



【マスター】
浅倉透@アイドルマスターシャイニーカラーズ

【マスターとしての願い】
帰るべき場所へ行きたい。そのために、頑張りたい。

【能力・技能】
アイドルとしての技能はそれなりにある。
しかし最も特筆するべきは、その存在感。

【人物背景】
283プロダクション所属のアイドル。高校2年生。
幼なじみ4人で結成された、透明感あるユニット「noctchill」のメンバー。
自然体で飾らない性格。周囲からどう見られるかということを気にせず、おおらかでマイペース。
しかしその透明感あふれる佇まいには誰をも惹きつけるオーラがある。
「そういう存在がいるんです。全部のんじゃう、全部のんで輝く――捕食者が」

【方針】
ここから脱出するための方法を探す。
もし聖杯戦争に勝ち残ることがどうしても必要なら、そうする。

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最終更新:2021年07月03日 21:39