「ここはどこだろう」
レイリは目を覚ますと知らない納屋の小屋にいた。
一番最後の記憶は村にやって来た戦士(ヤザタ)の二人、クインとサムルークの様子を見に行ったところだ。
そこで彼女らにすごい剣幕で静止を促されたと思ったら、もう帰るって言われ、それが悲しくて、帰らないでってお願いしたら、胸に剣が生えていた。
「ああ、わたし。死んだんだ」
レイリはあっさりと自分の末期を理解した。
六歳の幼女である彼女が自分の死について淡泊なのはいた世界が殺伐としていたためである。
善と悪が戦う世界でレイリは善の村人だった。
悪なる人々──不義者(ドルグワント)の中でも強力な個体を「魔将(ダエーワ)」といい、レイリのいた星では凶悪な魔将によって都市が三つも地図から消えた。
しかしながら疑問が残る。
レイリのいた村では善なる人々──義者(アシャワン)しかいなかったはずだ。
ならば自分を殺したのは一体誰なのだろうか。
しかし疑問はすぐに別の感情に上書きされた。
「寂しい……」
レイリは孤独だった。
母親は死に、村全体が暗鬱としていた。
それがレイリには寂しくて、苦しかった。
善と悪の闘争は量と質の戦いであるがゆえに数に頼る義者は弱い。
母は死に、不義者に虐げられる義者は暗く、はじめに暴れ回る魔将から守ってくれる人はいなかった。
だからカミサマに祈った。
するとクインとサムルーク、マグサリオンという善の戦士が現れて魔将を倒してくれた。
村は歓喜に包まれた。皆が明るくなり、レイリも嬉しかった。
だがクインたちは派遣されてきた戦士だ。敵を倒せば帰ってしまう。
それが嫌で、カミサマにお祈りしたけど、今回ばかりは通じず絶望したまま訳も分からず死んだのだ。
レイリの体感的には絶望した直後なので孤独感は拭えていない。
「あれ、何でわたしはカミサマを持っているんだろう」
レイリの手元には自分が『カミサマ』と呼ぶ流動する水銀のようなものが握られていた。
部屋の祭壇に置いて祈っていたものをなぜ持っているのかという疑問はすぐに解消した。
「そうか、カミサマはわたしを助けてくれるんだね」
レイリは戦士ではない。
だから祈るだけだ。
お願いです。どうか優しくて強いお方をわたしのところに遣わせてくださいと。
するとレイリの左手の甲に手の甲が浮かぶ。
そして──
「サーヴァント……ん、ダエーワ? 何よこれ」
祈りが通じたのか。風が吹いたと思ったら、目の前に恐ろしい黒い戦士がいた。
その属性は混沌にして悪。紛れもなく不義者。間違いなく魔将。
「ん? どうしました。その顔は」
なのに、なぜかその人は親しげで私に語り掛けた。
黒い旗。黒い剣。黒い鎧。なのに肌と髪は白磁の如く。
「まあいいわ。サーヴァント・ダエーワ。ジャンヌ・ダルク。召喚に応じ参上いたしました。
さあ、契約しましょう。お嬢さん」
カミサマに祈った結果、■■が召喚された。
その因果をまだレイリは知らない。
【マスター】
レイリ@黒白のアヴェスター
【マスターとしての願い】
寂しくなく、明るいところで生きたい
【weapon】
流動して次々と形を変える水銀のような小物。
その正体は魔将の王が作った作品の一つ。
機能は「“みんな”の祈りを吸って魔将を生み出す」というもの。
召喚された魔将は召喚主は襲わないが周囲に甚大な被害を与える。
善の人々の中でも弱者に分類されるレイリにはこれが邪悪な一品だと気付けない。
【能力】
カミサマに召喚される魔将の強さは祈りの強さに比例する。
レイリは特に祈りが強く召喚された魔将は災害級だった。
アヴェスター。
相手が善悪のどちらに所属するかが分かり、かつ自分とは逆であれば敵対する本能のようなもの。
レイリは善であるゆえに悪の人物(サーヴァント問わず)を感知し、自動的に敵対する。
ただし呼び出されたサーヴァントは例外のようだ。
【人物背景】
善なる幼女。
真我に囚われた世界は宇宙単位で善悪の闘争が行われており、レイリのいた星だけが戦いの場ではない。
しかし、そんなことはレイリには関係なく村を救ってくれた救世主──クインたちにずっと村を守ってほしかった。
結果、『カミサマ』にお祈りをし、命を奪われた。
ちなみにレイリの村の周りで暴れていた魔将もレイリと村人の祈りを吸って生まれた存在である。
つまり無知な人々によるマッチポンプだったのだ。
【方針】
誰か、わたしを、守って
【サーヴァント】
【真名】
ジャンヌ・ダルク・オルタ@Fate/Grand Order
【クラス】
ダエーワ(魔将)
【属性】
混沌・悪
【ステータス】
筋:A 耐:C 速:A 魔:A+ 幸:E 宝:A+
【クラススキル】
ダエーワのクラススキル。
我力と呼ばれる「我意で世界を歪める力」を使うことができる。
Cランクだとスプーンですくうような動作で建造物3棟をえぐり取るようなことが可能。
善の存在の認知および敵対行為をする本能。
ジャンヌ・ダルク・オルタの場合、人間全てが復讐対象であるため善は勿論、悪を喰らう悪である。
したがって善悪の立ち位置は関係ない。
クラスは魔将であるが復讐者のクラススキルは失われていない。
しかし「悪とは邪気が微塵もなく好き勝手に生きる」という特性があるためランクダウンしている。
恨み・怨念がわずかに貯まる。
クラスは魔将であるが復讐者のクラススキルは失われていない。
しかし「悪とは邪気が微塵もなく好き勝手に生きる」という特性があるためランクダウンしている。
彼女の憎悪は忘れえない。
クラスは魔将であっても大して変わらない。
魔力を微量ながら毎ターン回復する。
聖杯の願望で生み出されたためか、特級の回復量。
聖杯による特級改造。
聖女を完全反転させ、混沌・悪まで堕としめている。
邪竜百年戦争で猛威を奮ったスキル。
低級の竜種を支配下に置き、旗の一振りで操ることができる。
同時に規格外の騎乗スキルを兼ねており、このスキルを獲得することで竜種に騎乗することすらも可能。
個人の願望、幻想から生み出された生命体。
願望から生まれたが故に強い力を保有するが、同時に一つの生命体としては永遠に認められない。
全てが終わった後、彼女は静かに眠りに就く。
【weapon】
旗と剣。あと魔力の炎。
【人物背景】
聖杯によって生み出された「復讐を望む魔女ジャンヌ・ダルク」。
つまりジャンヌ・ダルク本人ではない贋作である。
しかし、ジャンヌ・ダルクが復讐するのではないかという人々の信仰が篤かったゆえに彼女は霊基を高めてサーヴァントとして成立させることに成立した。
サーヴァントクラスはダエーワであるが、ほぼアヴェンジャー時と変わらない。
サーヴァントのマスターに対する忠誠心のようなものと真我による善への敵対心が拮抗している状態。
つまり苦しい上に復讐者として全身が焼かれる痛みが常に襲ってきている状態であるはずだが、よく考えたら日常的なことなので苦にならない。
「アレ? これアヴェンジャー先輩(アンリ・マユ)の世界観じゃない」と本人は少し面白そうにしている。
【方針】
マスターとちゃんと契約したい。
最終更新:2021年07月05日 22:09