斎藤一は、珍しく困惑していた。
気がついたときには背広を着て、未知のものがいくつも置かれた部屋にいた。
それらは見たことがないはずなのに、名前も使い方もわかった。
どうやら聖杯戦争という超常の催しが、この不可解な状況を作り出しているらしい。
どうしたものかと考える間もなく、目の前に突然刀を持った少女が現れた。
彼女が自分にあてがわれた、サーヴァントなる存在らしい。
その少女は自分を見るなり、「うわっ、斎藤さんじゃないですか!」と声を上げた。
なぜ自分を知っている、と尋ねると、こともあろうに少女は沖田総司と名乗った。
あり得ない。沖田は何年も行動を共にした仲だ。
間違っても女ではなかったと断言できる。そもそも、顔がまったく違う。

「そりゃ私は、斎藤さんから見れば並行世界の沖田総司ですからね。
 名前と立場は同じでも、人間としては別人です」
「並行世界……。よくわからんが、俺がいた世界とは似て非なる別の世界ということか……。
 昨日までの俺なら、狂人の戯言と切って捨てるところだが、実際ここまで荒唐無稽なことが起こっていてはな……」
「そうです! 素直に受け入れましょう!
 その方があなたも私もストレスフリーです!」
「だがそれなら、なぜおまえは俺が斎藤一だと知っていた?
 おまえの世界の斎藤一も、俺と同じ顔だったということか?
 いや、それにしてはおまえが『違う世界の斎藤一』であることに気づくのが早すぎた」「そりゃあなたは、数多くの斎藤さんの中でも一番有名な斎藤さんですからね!」
「おまえの世界では、そんな簡単に他の世界の情報を得られるのか?」

斎藤の指摘に対し、沖田は少しためらってから答える。

「そういうわけでもないんですが……。
 一時期、その辺がゆるい世界にいたもので」
「意味がわからん」

沖田の返答を、斎藤はバッサリ切り捨てる。

「まあいい。とにかく、おまえが俺の僕だというのなら俺の命令どおりに動いてもらうぞ」
「それはもう! で、どのように立ち回るおつもりで」
「決まっている。了承も取らず何十人もの人間を見知らぬ土地に連行し、あまつさえ殺し合いを強制するなど言語道断。
 悪・即・斬のもと、聖杯とやらを叩き切る」
「ヒュー! さすが斎藤さん!」
「その反応なら、異議はないようだな」
「ええ、ありませんとも。ただ、一つだけお願いがあります」
「なんだ?」
「牙突! 生で見せてくださいよ、牙突!」
「…………」

曲がりなりにも沖田じゃなかったら、顔面に蹴りを叩き込んでいた。
斎藤は、後にそう語った。


【クラス】セイバー
【真名】沖田総司
【出典】コハエース及びぐだぐだエース
【性別】女
【属性】中立・ぐだ

【パラメーター】筋力:C 耐久:E 敏捷:A+ 魔力:E 幸運:D 宝具:C

【クラススキル】
対魔力:E
魔術に対する抵抗力。一定ランクまでの魔術は無効化し、それ以上のランクのものは効果を削減する。
Eランクでは、魔術の無効化は出来ない。ダメージ数値を多少削減する。

騎乗:E
乗り物を乗りこなす能力。
騎乗の才能。「乗り物」という概念に対して発揮されるスキルであるため、生物・非生物を問わない。
新撰組が騎馬を駆って活躍したという逸話は無く、申し訳程度のクラス別補正である。

【保有スキル】
心眼(偽):A
直感・第六感による危険回避。虫の知らせとも言われる、天性の才能による危険予知。
視覚妨害による補正への耐性も併せ持つ。

病弱:A
天性の打たれ弱さ、虚弱体質。沖田の場合、生前の病に加えて後世の民衆が抱いた心象を塗り込まれたことで、「無辜の怪物」に近い呪いを受けている。
保有者は、あらゆる行動時に急激なステータス低下のリスクを伴うようになる、デメリットスキル。
発生確率はそれほど高くないが、戦闘時に発動した場合のリスクは計り知れない。

縮地:B
瞬時に相手との間合いを詰める技術。多くの武術、武道が追い求める歩法の極み。
単純な素早さではなく、歩法、体捌き、呼吸、死角など幾多の現象が絡み合って完成する。

【宝具】
『無明三段突き』
ランク:なし 種別:対人魔剣 レンジ:1 最大捕捉:1人
稀代の天才剣士・沖田総司が得意としていた秘剣「三段突き」。
超絶的な技巧と速さが生み出した、必殺の「魔剣」。
「平晴眼」の構えから“ほぼ同時”ではなく“全く同時”に放たれる平突きで、放たれた「壱の突き」「弐の突き」「参の突き」を内包する。
放たれた三つの突きが“同じ位置”に“同時に存在”しており、この『壱の突きを防いでも同じ位置を弐の突き、参の突きが貫いている』という矛盾によって、剣先は局所的に事象飽和を引き起こす。
事実上防御不能の剣戟であり、結果から来る事象飽和を利用しての対物破壊にも優れる。効果範囲こそ狭いものの命中個所は「破壊」を通り越して刳り貫いたように「消滅」するほど。

『誓いの羽織』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人
幕末に京を震撼させた人斬り集団「新選組」の隊服として有名な、袖口にダンダラ模様を白く染め抜いた浅葱色の羽織。
サーヴァントとして行動する際の戦闘服と呼べるもので、装備する事によりパラメータを向上させる。また通常時のセイバーの武装は「乞食清光」だが、この宝具を装備している間、後年に沖田総司の愛刀とされた「菊一文字則宗」へと位階を上げる。

『ぐだぐだの旗』
ランク:C 種別:対軍宝具 レンジ:1-50 最大捕捉:100人
新撰組隊士たちを召喚する「誠の旗」が、何か余計な情報が入ったせいで変質してしまった宝具。
新撰組の代わりに、織田信長、李書文など、諸々の事情で縁を結んだ英霊たちを召喚する。
しかし縁がちぐはぐのため、召喚できる英霊や人数はランダムで変化してしまう。
例外として、ライダーさんだけは強制的に呼ばれる。

【weapon】
「乞食清光」

【人物背景】
幕末の京都を中心に活動した治安組織、新選組の一番隊隊長
……の、ギャグ時空での姿。

【サーヴァントとしての願い】
牙突を覚えて帰る



【マスター】斎藤一
【出典】るろうに剣心
【性別】男

【マスターとしての願い】
悪・即・斬

【weapon】
無銘の日本刀

【能力・技能】
「牙突」
「同じ相手と複数回戦うことがまれな戦場では、一撃必殺の技が一つあれば十分」という理念の元、極限まで磨かれた突き。
斎藤のアイデンティティーとも言える技である。

【人物背景】
元新撰組三番隊隊長。
明治維新後は藤田五郎と改名し、表向きは警官として、裏では密偵として
自分たちが敗者という形で作り上げた明治政府を守るために戦っている。
参戦時期は人誅編終了後。
ロールは警視庁の刑事。

【方針】
悪・即・斬

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2021年07月14日 22:08