ここは虎ノ門ヒルズのビル群、その屋上では二つの影が月と人工的な明かりに照らされながら駆け抜けていた。
一つは青い髪に赤い着物をまとった歌舞伎役者のような男……
そしてもう一つはシルクハットに黒いマントをした、まるで怪盗のような恰好をした少女だった。
彼女はこの聖杯戦争に呼ばれたマスターで、彼女とともに行動している男はそのサーヴァントであった。
そんな彼女たちが何故ビルとビルの間を飛び回っているかというと……
「へへっ!楽勝楽勝!このアサシン様に、盗み出せねえ代物は無えのよぅ!」
「フッ、怪盗ナイトシェードの大勝利なり!」
彼女たちが他の人たちから様々なものを盗み出して、そこから逃げだしているからであった。
「しっかし、この盗み出したものを本来の持ち主に返しに行く、ってことでいいんだよなぁ?マスター」
「無論だ、あたし…じゃなかった、我は正義の大怪盗!故に貧しい人たちのために悪党から物を盗み出すのだよ!」
しかしそれは彼女たちが悪意を持ってやっていることではなかった。
彼女たちが盗みを働いているのは、貧しい人たちの為であった。
「……そうだよなぁ、だからこそ俺はアンタに召喚されたんだからな」
「協力、感謝しているぞ、ゴエモン……じゃなかった、アサシンよ!」
そうして彼女たちがビルの間を駆け抜けていると、衝撃的なことが起こってしまった。
「……ってキャアァァァ~~!!」
なんと少女が足を滑らせてそのまま落下しかけてしまったのだ。
「危ねえマスター!」
その光景を見たアサシンがすかさず彼女の足首を掴み、落下を阻止したのだがここで問題が発生した。
―― 今アサシンは彼女の足首を持っている……。
―― そしていま宙づりになっている彼女は、スカートをはいている……。
―― つまりアサシンから見ると……
彼女のパンツが丸見えになってしまっているのである。
「……んがあぁぁぁぁっ!!」
そしてうっかり彼女のほうを見たアサシンは、大量の鼻血を出しながら悶絶してしまった。
「ちょっ!アサシン!こっち見ないでよ!って落下するから早くなんとかして~!」
……この後二人そろって落下したが、アサシンが下敷きになったおかげで何とか事なきを得たのだった……。
……ちなみにアサシンの顔面に彼女の大きな胸が押し付けられたせいでアサシンがさらに鼻血を吹き出してしまい、結果として彼女の服が血まみれになったのは完全に余談である。
【クラス】アサシン
【真名】義賊ゴエモン
【出典】モンスター烈伝 オレカバトル
【性別】男性
【属性】中立・善
【パラメーター】
筋力:B 耐久:C 敏捷:A 魔力:D 幸運:A 宝具:C ~ A+
【クラススキル】
気配遮断:C
サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している
完全に気配を断てば発見する事は難しい
ただし、自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。
【保有スキル】
矢よけの加護:A
飛び道具に対する防御
視界外の狙撃手からの攻撃であっても投擲武装であれば、対処できる
ただし超遠距離からの直接攻撃は該当せず、広範囲の全体攻撃にも該当しない
黄金律:C
身体の黄金比ではなく、人生において金銭がどれほどついて回るかの宿命。
富豪になれるほどの金ピカぶりだが、散財のし過ぎには注意が必要。
なお彼の場合は悪党たちから盗み出した金銭がほとんどである。
盗用:B
敵対するサーヴァントの所持品を盗み出すことができる。
ただし彼の場合は『対象のマスターも含めた、その所持金』を盗み出すことが多く、
その武具などを盗み出すことはまれである。
【宝具】
『痛くも痒くもねぇぜ!(天下御免の見栄っ張り)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
自らの気配遮断スキルを解除し、自分の姿を相手にさらすことで発動する宝具。
自身にBクラス相当の『戦闘続行』スキルを付加し、またこの宝具が発動している状態で
盗用スキルを発動した場合に、100パーセントの確率で相手の所持品を盗み出すことができる。
しかしこの宝具の真価は別にあり、相手の宝具に込められた魔力をも盗み出して
一時的に宝具の使用を封印または強制的に解除させてしまうということもできてしまう。
『もってけドロボー!(万両振る舞い)』
ランク:C ~A+ 種別:対軍宝具 レンジ:1~100 最大捕捉: 100人
自身の周囲に歌舞伎の舞台を作り、そこから大量の大判小判を相手めがけてばらまくという豪快な宝具。
自身とマスターの持つ金銭によって威力が変動する変則的な宝具であり、使えば使うほど威力が下がる上に
金銭面の余裕もなくなっていくという、ちょっと家計によろしくない代物。
【weapon】
アサシンの家系に先祖代々伝わる純金でできたキセルで、アサシンにとっては何よりも大切な物。
なおチェーンとかは出てこず、本当に只のキセルだったりする。
【人物背景】
とある城下町に住む天下の義賊で、黄金のキセルを片手に悪党たちから大判小判を盗み出し、
それを貧しい人たちに振舞う正義の大泥棒。
喧嘩っ早いちゃきちゃきの江戸っ子で、曲がったことが大嫌いで困っている人を見過ごせないお人好し。
またかなりの女好きだが節操はそれなりに弁えている。
なお容姿や出典こそ異なるが、『がんばれゴエモン』シリーズの主人公『ゴエモン』とは同一人物である
(厳密に言えばゲスト参戦したゴエモンがパワーアップしたのがこのサーヴァントである)。
【サーヴァントとしての願い】
聖杯みたいな、世の中を混乱させるようなモンはあっちゃいけねえなあ……。
【マスター】
ワルナスビ@フラワーナイトガール
【マスターとしての願い】
義賊として、聖杯を貧しい人たちのために使う。
【weapon】
トランプ手裏剣
【能力・技能】
祖父直々の怪盗技術。
……ただし本人がドジなためあまり役立っている様子はない。
【人物背景】
『悪党から財を盗んで貧しい人に分け与える義賊の大怪盗』だった祖父に憧れて”怪盗ナイトシェード”を名乗り、
祖父直々の怪盗技術を習得して怪盗活動をしている少女。
そのため普段からクールな役作りをがんばっているが、話に夢中になると素の明るい性格が出てしまう。
なお怪盗活動の大まかな流れとしては、
1.行方不明になった盗品などを隠している悪人の家にワルナスビが予告状を出す。
2.彼女のライバルである【探偵】が現場に現れて怪盗行為を阻止する。
3.予告状のおかげで【悪人が白日のもとに晒される】ので結果的に善行になっている。
しかし彼女自身は品物を盗めなかったので失敗したと思っているなど、無自覚に善行を働いている。
【方針】
悪党たちから金銭を盗み出す傍ら、ほかの参加者の情報を集める。
もし悪党でないなら協力は惜しまない。
最終更新:2021年07月18日 15:26