私がこの聖杯戦争に参加させられてから、数日がたった。
もちろん最初は何でこんなことにとは思ったけど、
一度人間からタヌキ獣人に急に変化してしまい、すべての生活を捨ててアニマシティでの生活という新環境に適応したことのある私は、
この聖杯戦争という環境もなんとかすぐ把握して、行動指針を決めることができた。

私のこの世界でのロールは自宅通学の高校生。
もともと獣人になる前に通っていた状況とそう変わりはなかった。
優しい両親と再び生活できることは嬉しかったけれど、どうしても違和感があった。
それはきっと東京都という地域での生活に、無理やり人物を当てはめようとしたからなんじゃないかと思う。

私は自分のタヌキ獣人としての姿のままで好きに行動したいと、もちろん思っていた。
でも人間態で過ごし様子を見ると、この東京都に住んでるのは、少なくとも外見的には普通の人間だけだった。
だから自分が獣人としての姿を出していたら、きっと人々を混乱させて騒ぎになる。
その後は異質な存在として排除されるかもしれないし、逆に注目されすぎるかもしれない。

獣人は獣人の匂いがわかるから、獣人同士は匂いで相手が獣人だとわかる。
でも狼獣人の士郎さんの鼻を模って遠くまで探しても、わかる範囲ではこの街に獣人はいないらしかった。
もしかしてこの世界には獣人はいないのだろうか。

だからその後私が何をしていたかというと、部屋にこもっての情報収集だった。
急に不登校になるのは家族には悪いけど、優しい家族は私が獣人になってしまったときのように、
部屋にこもった私に強く触れないでくれている。

自分のスマホで情報を調べていく。
アニマシティについて調べても何一つ情報が出てこない。
東京都以外の情報が遮断されているのか、本当に存在しないのか。
銀狼教団について調べても何も出てこない。この世界に親友のなずなは存在しているのか。
獣人について調べても都市伝説的な情報が僅かに出てくるだけで、私の世界の獣人の的を射る情報はない。

仮定としてだけど、聖杯戦争の舞台が人間だけの世界として設定されてるなら、
私が獣人だとバレたら即座にマスターとバレてしまう。
いずれはバレるんだろうけど、まだサーヴァントを召喚できてない今バレてしまうのはまずいと思ってた。

獣人であるのがバレるのを避けるためには、あまり外出しないことだ。
私は人間態でいた経験が短いから、獣人はテンションが上がると人間態から獣人態になってしまうというのがどれくらいで起こるのかよくわからない。
まあそれでも少しは気楽にやりたいから、家の中とか人目に触れない環境では獣人態になっているんだけど。
人間態でいるのは、ハイヒールを履いて歩くみたいに体の動きが制限されてるみたいで疲れて嫌なんだ。

ネットの情報以外に周りの状況も知りたいから感覚だけは研ぎ澄ませていた。
兎の耳、鳥の目、狼の鼻を模ったりして感覚を向上し、家やその近くから時々周りの様子を窺ってた。

そしてサーヴァントを召喚しているマスターの姿をある時見つけた。
その時に召喚の儀式の方法は目や耳を利かせて読み取っておいた。
でも自分がサーヴァントを召喚するとなるとやっぱり少し怖いし自身もない。

しかしその日から人が襲われる悲鳴や血の匂いが感じ取れるようになっていった。
急いでその場所へ行ってみたりもしたけど、何も証拠が残ってなかった。

ここまで短時間で証拠を残さずできるのは、もしかしたら魔術なんかを使っているのかもしれない。
現場をもっと急いで抑えるしかどうにかする方法はない。
でも、サーヴァントは基本的にマスターが敵う存在ではないらしい。
私がこの世界で戦うためにも、人々を護るためにもサーヴァントの力が必要だと思った。
◇◇◇◇◇◇◇◇

「お前が私のマスターか」

私が夜中の自室で召喚の方法を模したところ、ちゃんとサーヴァントは召喚された。
赤いマントに膝上までのソックス、白い装飾のついた豪華な杖に、白い布を角の後ろに垂らすティアラ。胸を強調した服。
不思議と匂いは人間のものではない。でも獣人のものでもない。

「そうよ。召喚に応えてくれてありがとう」

キャスターが興味を持ったのはやはり私の外見だったのか、私の体を上から下まで見る。
これから共に戦ってくサーヴァントだから、最初から獣人態を見せているからだ。

「お前は……尾もあるし……犬顔だし……」
「……やっぱり驚くよね?」
「……そうか!お前はコボルトの類縁種か!?」
「……ええ??」

聞きなれない単語を聞いて困惑。どういうことだろう?

「コボルドの親戚としては、背筋も伸びて線も細くてなかなか可愛らしいわね。
 お前が私のマスターで嬉しいわ、フフフ……」
「あっ、そ……そうかなぁ」

タヌキ獣人になった後では単純に見た目を可愛いと言われたことはなくて、少し気恥ずかしい。

「それでも今の私の姿とは比べるまでもないけれどね。フフフフフ……」

キャスターが見惚れるほど美しいのは事実だし、自覚してるならそう言いたくもなるよね。

「とまあ人間ではなくてモンスターの仲間でよかったわ。
 人間だったら召喚の直後に殺し合いになっていたかもしれないからね」

なんか物騒なこと言ってる。
私は人間で今は獣人なんだけど……まあコボルトの仲間ということにしても構わないか。
さっきはちょっと嬉しかったし。きっとキャスターの世界の生き物に似てるんだろう。

「キャスター、いきなりだけどこの近くにはほかのサーヴァントが毎夜動いて人間を襲ってる。
 それをどうにかして止めたいと思うんだけど、どうかな」
「そうか……。私の力がどうなっているのかも、調べたいと思っていた所だからね。丁度いいわ」

キャスターは少し考えた後応えてくれた。とりあえずは明確な悪人ではなさそうで良かった。

「ありがとう! キャスター!」
◇◇◇◇◇◇◇◇

殺人を繰り返していたサーヴァントとは召喚後ほどなく出会うことができた。
被害者はなんとか逃がすことができた。

私とキャスターで力を合わせてサーヴァントと戦ったけど、キャスターは直接戦闘がそこまで得意じゃないらしかった。
キャスターは私の傷を回復したりもできるらしい。ほんとに魔術が使えるんだとわかった。

そして状況を打開するためにキャスターが切り札を使ったんだ。
完全獣化する獣人のごとく、キャスターの姿が巨大な赤いドラゴンへ変貌した。
士郎さんの完全獣化した姿よりも、もっとずっと大きかった。
そしてすぐさま口から火炎を放射した。射線上には相手のサーヴァントだけじゃなくてマスターもいる。

……私は本能的に動いて下半身をチーター獣人の物に変身させ、相手のマスターを射線上から救け出した。
マスターは恐怖したのかそのまま逃げていった。
◇◇◇◇◇◇◇◇

「ハハハハ!私のブレスは全ての生物を焼き尽くす!
 ちんけな防護など意味をなさんわ!必死で逃げれば助かったかもしれないのにね……!」

火が収まった後、キャスターは人間の姿に戻った。
私はあまりの出来事に何も動けない。それに魔力が吸われたとでもいうのか謎の疲労感を感じている。
敵のサーヴァントは完全に燃え尽き灰になり、それも光となって消滅しつつある。

「さて、無残な敗者から戦利品を獲ないとね……」

キャスターは歩いていき灰の先に杖を当てた。光がキャスターの方へ吸収されていく。

「……何をしてるの?」
「レッドドラゴンが食すのは肉だけではないわ。獲物の灰にもエネルギーがあるからね……」

あまりに常識外の出来事が続いている。
でも……相手のマスターも死ななくてすんでよかった。

「ところで……お前何故、相手のマスターを逃がした?」

キャスターが威厳ある声で告げてくる。キャスター的にまずかったのかな。

「……マスターは生きてる人間だよ。死なせる必要なんてない。
 自分の意志でサーヴァントに協力してたとしても、力を失えば元に戻るかなと思う」
「……なんとも下らんな。モンスターのお前がなぜ人間を活かし助けようとするのか」

そうか、キャスターと私の世界はきっと全然違う……それに基づいた常識だって違うんだな。

「キャスターの世界と私の世界は違うよ。私はモンスターじゃなくて獣人という種族。
 そして世界的には獣人は差別されて、獣人と人間はいがみ合ってる人も多いけど、良心のある人なら助け合ったりもする」
「ほう、私もモンスターたちを統べる者として、人間やそれに利する種族どもは大嫌いだ。
 お前の世界でのいがみ合っている側しかいないのが、私の世界なのだろうな。
 ……私は聖杯で復活して、人間どもの社会を滅ぼそうと考えている」
「……そんなことって……!」

私は恐ろしいサーヴァントを召喚してしまったらしい。
人間を強く嫌ってて士郎さんみたいな人だけど、人間を滅ぼそうとまで考えてるなんて次元が違う……。

「まあこの世界の人間どもまでどうかしようとは思ってないし、お前の世界も関係ないこと」

……少し安心はしたけど、でもキャスターの世界の人間は脅威にさらされているんだ。

「お前だって私の世界やこの世界は関係ないと思わないのか?
 この世界の人間や別世界から来たマスターが死のうとどうでもよいではないか」
「そんなことないよ!聖杯に作られた世界の人間だとしても、みんな日常を送って生きる権利はあるよ!
 他のマスターだってそうじゃない!この世界でロールを全うしたり、終われば元の世界に戻ったりして過ごすんだよ!
 願いをかなえる過程で人が死ななきゃならないなんて間違ってる!」

平和な世界に生きてきた人間らしい価値観かもしれない。でもこれを折るわけには絶対に行かない。

「お前とて、絶対に人が死ぬ事が許せぬわけではないのではなかろう?」
「そんなことない! 目の前で死にそうな人がいるなら私はできる限り絶対助けたい!」
「だが、お前は私がサーヴァントを消し飛ばしたことまでを怒ってはいない。そうだろう」
「え……!どういうこと……!?」

「サーヴァントは霊体といえど、強き意思を持って願いを叶えようとしている。
 それは普通の知性のある生き物と何が違おうか」
「それは……!あのサーヴァントはキャスターがああしないと止められなかっただろうし……仕方ない……のかな」
「そうか、お前は仕方ないと思えば殺せるのだな」

私は感情的に否定したかった……でも、そうだ、士郎さんと一緒に暴走した矢場を止めようとしたとき。
矢場の暴走を止めて私を助けるために、士郎さんが銀狼の姿になって矢場を切り裂いて、殺した。
でもその時も今も、死ぬかもしれなかった。状況のせいでそうするしかなかった。
仕方なかったと割り切っていられるからこそ、今の私の心情がある。

「そうだよね……どうしようもないことって、きっとある。
 でも私はできる限りそれも否定したい」

できる限り人を死なせたくないって、そういうことなんだろう。
聖杯戦争の初めての戦いだから、こんなに考えるのかな。

「今度マスターを"仕方なく"殺してしまったら、肉を食べてみてはどう?
 お前だって肉食獣の一族なのだから、肉を美味しいと思うかもしれないね……フフフフ」

キャスターは女性的な口調になって嘲るように言ってきた。

「嫌だ!!絶対にそんなことしない!!」

「好き嫌いは仕方ないわ、でも一度くらい試すのも良いんじゃない?」

「……だめだ、空想上のモンスターみたいな悪の心を持っちゃだめだ、
 私は人間なんだから」

キャスターはやっぱり邪悪な存在なのかもしれない。
でもそれだけは譲っちゃいけない。そう自分の心に言い聞かせる。
◇◇◇◇◇◇◇◇

キャスターは戦っても強いけど、陣地作成と道具作成スキルを持ち一箇所にとどまることで本領を発揮する。
でも家にいるつもりもない。再現されたものとはいえ家族を聖杯戦争に巻き込みたくない。
だからとりあえず私たちは新しい拠点を捜し歩く。

スマホで色々見てみたけど、この世界の東京の構造自体は私の世界と同じみたいだ。
それなら東京の地下には水害に備えて巨大な水路があるって聞いたことがある。
そういえば奥多摩の方には大きな洞窟があるって聞いたことがあったっけ。
私のためにもキャスターのためにも、この世界の人達に被害を出さないためにもいい場所に動かなきゃ。

「キャスター、ここにはいろんなマスターやサーヴァントがいるでしょ。
 みんなで話し合って力を合わせれば、聖杯の力を借りずに解決できる願いもあるんじゃないのかな。
 ……そういうことをした後で、どうしても聖杯を必要な人たちで被害を出さないように戦ったりって、できるんじゃないかな」

情報を調べながら考えたことを私はキャスターに言ってみる。
キャスターは気に入らないのか、威厳を増した声で応えた。

「くだらんわ。私はただ復活し、人間どもの国を壊滅させて魔物の蔓延る世界にしたいだけ。
 そこに至るまでの道が聖杯を手に入れるという方法で用意されているというならば、それに全力を尽くすだけだ
 タダで相手のための行動をするなど全くくだらんことだ」
「でも、戦わずに願いがかなって降りてくれる人がいるなら、それは戦わなきゃいけない相手が減るってことでもあるんだよ?」
「何、戦ったら戦ったでその躯を私は魂喰いできるではないか。
 それに、魂喰いだろうと撹乱だろうと人間どもに被害を及ぼすことは勝ちに行く上で合理的であろう。
 何ならば先程のサーヴァントも、魂喰いをしなければ本領を発揮できなかった質ではないのか?
 私は低級な人間を襲って魂喰いなど、不味くて敵わんと思っておるが」
「でも、できる限り皆に選べる道を提示しなきゃ。
 人殺ししか願いを叶える方法がないなんて、悲しすぎるよ!!」

キャスターを強く見据える。キャスターはそれを嘲笑うかのようだ。

「だが、確実に願いを叶えたい者がいる限りは人間は死に続けるぞ、フフフフフフ……」
「私にとっては笑える問題じゃないんだよ……。
 でもキャスターが協力できなくても、私はできる範囲で頑張らせてもらうから」
「まあ、最終的に勝つことを忘れなければ、お前が思うように行動するのは構ぬさ。
 私は勝つまでの過程を楽しむのも良いと思っておるのでな」

……まあ、そういうことを言うんじゃないかとは思ってた。
でも、キャスターは自分以外の存在を見下すし、蹂躙し殺すことも楽しむだろうけど、決して殺戮そのものをだけ好むような凶暴な性格じゃないんだ。
自分と対立する者や手の内の者ががどう動いていくか見たいし、自分の企みにて導いたりするのも面白いと思ってるような余裕がある。
結構他人に興味があるんだ。だからその方向性を少し変えたい。色んなことに興味を抱かせたい。
そして最終的には人間への悪感情を緩和させられればいいんだけど。

まずはキャスターの話には乗らないで、私が十分な力を見せて人を殺さなくても聖杯戦争を進めていけると証明する。
そうすれば私の話を聞いてくれる可能性も上がるはずだ。
万が一願いが叶えられるとしたら、獣人と人間の融和のように、キャスターの世界でもモンスターと人間の融和がありますように。

アニマシティでは色んな人たちが獣人たちを救うため私を助けてくれた。
ここでも人々を護るためにいろんな協力してくれる人がいたらいいんだけれど。
キャスターの悪どそうな所も受け止められて、協力して少しでも聖杯戦争を良い方向へ導けそうな人……難しそうだけど何とかしなきゃ。

◇◇◇◇◇◇◇◇

このかわいいコボルトもどきの少女は意志が強い上に、押し付けがましい。
強硬手段を取るとためらいなく令呪で制御してくるのかもしれんな。
まあ、人類と敵対しているドラゴンの私を受け入れてくれてるマスターというだけでもマシではあるが。
善の側に居ながら悪の私と普通に会話ができる相手というのは貴重だろうな。

部下のナグパがいれば洗脳ができたかもしれないが、そんなことを考えても仕方ないわ。
それに洗脳は万が一解けるとあのテルエレロンのようにこちらにより強い憎悪を向けるだろう。
マスターは力こそサーヴァントには及ばないが、令呪を行使できる以上用心すべきであろう。

だから、すこしずつ少しずつその信念を曲げさせ、魅了してやるのだ。
あらゆる殺人を起こすことは仕方ないと思わせてやろうか。力を発揮して蹂躙するのは楽しいと思わせてやろうか。
戦闘能力はわが四天王にも匹敵するであろうから、どんどん誉めなければな。
どう変貌していくのかもそれはそれで楽しめる事項ではあるな。ハハハハハハ……!

それに地下を選ぶのは実に都合がよい。ダンジョンを築くだけでなく、
魔人の召喚の準備も進めることができるからな……。

◇◇◇◇◇◇◇◇

みちるはアニマシティにて場当たりながらも数々の人々を助けて、その心を動かした。
予選期間の間、聖杯戦争参加者でないNPCだろうと彼女はできる限り助けようとするだろう。
やがてNPCの間に人を助ける獣人少女の話が広まり善性を持つ他の参加者を動かすのか、
あるいは怪物として暴虐を尽くすキャスターの本性がより発揮されてしまうのか。

お互いがお互いを導こうとしながら、彼女たちはこの聖杯戦争を生きていこうとしている。

【クラス】
キャスター

【真名】
シン@ダンジョンズ&ドラゴンズ シャドーオーバーミスタラ

【パラメーター】
筋力C 耐久C 敏捷D 魔力A 幸運B 宝具A+

【属性】
混沌・悪

【クラススキル】
陣地作成:A
 人間の建物や自然の洞窟などをダンジョンに改造して陣地を作成できる。
 ダンジョンの完成度に応じ、原作にも登場した雑魚敵やボスたちが出現し来訪者に襲いかかる。
 (なおレッドドラゴンは手下でなくほぼ同格の者なので来てくれない)

道具作成(偽):B+
 陣地作成スキルの進行度合いに応じ、ダンジョンにて収められていた宝物を使用可能。
 またクレリックの習得呪文の中には、道具に効果を付与するものがある。

【保有スキル】
クレリック:A
 人間態時の職業はクレリックであり、クレリックが使用可能なすべての魔法が使える。

 本編ではクレリックの7レベル呪文、ホーリーワードをデモで使っている。
 (ゲーム補正のためプレイヤーの使用時とは効果が異なるが。)

バリア:C
 人間態での戦闘時に任意で発動可能。
 未熟な冒険者の攻撃くらいなら全て無効化する程度の耐久力を持つ。

 ゲームの没ネタとして人間態のシンがバリアを張って、
 攻撃を無効化しながら一方的に攻撃してくる案があったとのこと。
 本編でも冒険者とリッチとの戦闘中には後ろでバリアを貼って様子を見物している。

復活魔法:A
 死者の死体が手元にあれば、魔力消費で復活させることができる。
 クラリックの標準使用できるアンデッド作成魔法より高性能であり、
 もともとがアンデッドだろうと復活可能で、
 生前の能力もほぼ完全に復元するが、術者が意識を完全に支配することもできない。

 ただし聖杯戦争という形式のため制限されており、復活させられるのは同時に1体のみであり、
 さらにはキャスターが消滅するとともに魔法の効果も消滅してしまう。
 またサーヴァントは敗北イコール消滅なので、通常はこの魔法の対象とはできない。

 本編では前作のラスボスであるデイモス(リッチ)を復活させて冒険者達にけしかけた。

【宝具】
『混沌の紅き巨龍(ヒュージ・レッドドラゴン)』
ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:1-40 最大補足:100
 立ち上がったときの大きさは30mを越えると思われる、巨大なドラゴン。
 使用中は全ステータスがA相当になる。

 その体躯を活かした引っ掻きや噛みつきだけでも強力。
 両手からはファイヤーボールを放ち、流星を降らせる最強の攻撃魔法メテオをも使いこなす。
 地下の場合はメテオではなくほぼ同等の落石攻撃で代用してくる。

 レッドドラゴン特有の火のブレスも使用可能。
 万全の状態で放たれたブレスならば、同ランクの防御を以て防がなければ焼き尽くされ即死する。
 ブレスはドラゴンの体力が減少すると威力も減少するが、最低の威力でも人間が即死する程度の強さは保っている。
 ブレスは体内に燃料を蓄える必要があるため、一日に3回までの使用制限がある。

 原作ではドラゴンの鱗から作成したドラゴンシールドならば、大ダメージにはなるがブレスに耐えられる。
 なのでドラゴンの鱗並みの神秘を含んだ防護ならば、即死しないくらいにダメージを軽減することは可能。
 だからといって助かるとも限らない。
 (原作でもブレスを食らって転倒した後起き上がりに残った判定がヒットして死ぬパターンがある)

『ミスタラを滅ぼせ、天を覆う魔人(シャドーオーバーミスタラ)』
ランク:A 種別:対城宝具 レンジ:1-60 最大補足:300
 シンが復活を目論んでいた魔人は、聖杯戦争の舞台でも召喚することができる。
 本来はシンの使用する復活魔法に加えて、シャドウエルフ達を儀式のために動員することで召喚していた。
 ミスタラという地球クラスの惑星の文明をすべて破壊できるほど強大なはずだった。

 しかしミスタラという世界の基盤がない以上、本来よりは弱体化されている。
 具体的には模倣東京都を数日で破壊し尽くせる程度で、100m級の超高層ビル程度のサイズとなっている。
 その分、協力者がいなくとも陣地作成スキルにより召喚用の基盤が完成すれば召喚可能。

 一度発動すれば模倣東京都の主要地域を廻り破壊し尽くし、それを邪魔する者も攻撃する。
 特殊な力は持たないが、その巨体を以て破壊の限りを尽くす。
 破壊活動が終了するまでは消滅することはない。
 ただし、本編の飛行戦艦からの多重砲撃のような対城宝具クラスの攻撃を当てれば戦意を喪失し消滅する。
 また生命そのものに干渉するような宝具があれば、普通に攻撃するよりは楽にダメージが通るはず。

 土地のマナを吸い取り活動するため、一度発動すればキャスターやマスターの魔力とは関係なく動く。
 通常の復活魔法とは別枠であり、キャスターが消滅しても動き続ける。
 その分キャスターの手でも制御することは不可能。

【weapon】
  • スタッフ
 きらびやかな装飾の杖。殴打武器としても使用可能。
 魔法の効果を高めるが、無くても魔法の使用自体に支障はない。

【人物背景】
ミスタラ世界において魔物たちを率いて人間たちの国を滅ぼそうとした黒幕。
前作のゲームで前日談に当たる「タワーオブドゥーム」のラスボスであるデイモスも彼女の指揮を受けた協力者。
数多のモンスターや強力な四天王を率いて人間社会を破壊した。
しかし彼女を倒そうと冒険者達が立ち上がり、多くの難関を乗り越え強くなっていく。
四天王のナグパとともに冒険者達を一度は好きにできる状況に置くも、
眠らせただ放置するという圧倒的な余裕を見せつける。
しかしその後も成長を続けた冒険者たちは遂にシンの本拠地の城に辿り着いて、シンを打ち倒した。
しかしシンのもう一つの目的は巨大な魔人の復活であり、自分を倒そうと魔人の召喚はすでに止めることができないと告げて息絶える。
しかし公国の率いる飛行船団から集中砲撃を受けた魔神は戦意を喪失し召喚は中止され、世界は守られた。

なお、ドラゴンの角で作った武器はドラゴン特攻。ドラゴンの鱗は炎耐性。

【サーヴァントとしての願い】
復活し、今度こそミスタラのすべてを破壊して支配する。
そのため魔人を本当に人間では手のつけられない強さに強化する。
なお召喚された魔人は破壊以外の意思は持たないので、聖杯にかける願いも持たない。

【把握資料】
ミスタラ英雄戦記のタイトルでPS3のゲームとして移植されています。
archive.orgで発売当時出版されたゲーメストのムックがアーカイブされてるので、
資料として使えると思います( Gamest mook volume 34 )。
また2chのスレのテンプレに昔の攻略サイトのアドレスがたくさん貼られてるので、archive.orgで確認できます。
旧盤ダンジョンズアンドドラゴンズ関連の書籍はあれば便利かもしれませんが、たぶんネット上の資料でなんとかなります。
世界観は参考になっていますが、かなり独自のJRPG的な演出も多いゲームなので、厳密に基づいてなくても良さそうです。

【マスター】
影森みちる@BNA ビー・エヌ・エー

【マスターとしての願い】
できるだけ被害を出さずに、幸せになれる人を増やして聖杯戦争を終わらせたい。

【能力・技能】
  • タヌキ獣人
 人間態と獣人態の2つの体の状態を持つ、人間から派生した種族が獣人。
 獣人態のモチーフとする動物は、個人個人が持つ獣性によって決まる。
 獣人は人間を大きく上回る身体能力を持ち、また獣性に応じた性質や能力を持つ。
 みちるはタヌキらしい性質を見せることは特にない。それはおそらく本質が人間だから。

  • 身体変化
 彼女は獣人と化した特別な事情から、体細胞分裂能力が急激に発達している。
 獣人態の姿ならば、身体を変形させ他の獣性を持つ獣人の能力を発揮できる。

【人物背景】
人間と獣人という種族が存在する世界。
獣人は人間より体は強いが粗野で社会性の弱い傾向が強く、近代以降はより人間から迫害される。
みちるは元々は人間の高校生だったが、ある事情によりタヌキの獣性を持つ獣人へと変化してしまった。
たった一人で獣人達の街だというアニマシティへ逃亡しそこで生活していくことになる。
しかしアニマシティは獣人たちの抱える問題を濃縮させたような都市でもあり、毎日事件が発生する。
みちるは狼獣人である大神士郎とともに、人間に戻る方法を探しながら問題の解決に当たっていくことになった。

【ロール】
都内の高校の高校生。両親と自宅で生活している。現在は不登校状態。

【方針】
キャスターともっとコミュニケーションを取って、街に被害を出したり凶悪な手段を取るのはやめさせる。

【把握資料】
口調や容姿の把握程度なら連載中の公式漫画が無料で見れるので便利だと思います。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2021年07月18日 15:28