【クラス】
アサシン
【真名】
ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ
【出典】
憂国のモリアーティ
【属性】
混沌・悪
【パラメーター】
筋力:D 耐久:E 敏捷:D 魔力:E 幸運:C 宝具:B
【クラススキル】
気配遮断(C+++):モリアーティの場合、後述の宝具によって大きく変動しうる。
陣地作成(EX):本来はキャスターのクラススキル。通常のキャスターのように魔術工房としての陣地を作成することはできないが記憶の大図書館を頭脳の裡に常時展開させることで、あらゆる知識系の判定にボーナスを得る。
【保有スキル】
天賦の見識(A++):物事の本質を捉える能力。鋭い観察眼はあらゆる情報を見逃すことがない。
人間観察(A):人々を観察し、理解する技術。ただ観察するだけでなく、名前も知らない人々の生活や好み、人生までを想定し、これを忘れない記憶力が重要とされる。初見の相手だろうと趣味や職業、薬物服用の有無程度なら見抜けることも。
邪智のカリスマ(B):国家を運営するのではなく、悪の組織の頂点としてのみ絶大なカリスマを有する。モリアーティ自身は悪の頂点を望まないためこのランクに留まる。
対邪悪(B):『地上の悪魔は全て消し去らねばならない』。
『犯罪を働いた事がある』存在と対峙した場合、パラメーターを1ランク低下させる。
【宝具】
『全て私が企てたことなのです(クライム・コンサルタント)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:-
『犯罪相談役』として引き受けた依頼は全て叶えきり、犯罪遂行率100%を成し遂げたことに由来する。
召喚された土地で行われる全ての違法行為、脱法行為に対して、成功率100%の『犯罪計画』を提供することができる。
ただし、モリアーティ自身はあくまで『相談役』であり実行犯ではないため、実行犯の能力限界を超えた計画は立てられない。
たとえば現代ならではのサイバー犯罪を計画するとした場合、実行人にも相応のPCスキルやハッキング能力が求められる。
また、『犯罪計画の作成』はまだしも『計画の実行』そのものに神秘は宿らないため、サーヴァントの条理を捻じ曲げるような干渉も不可となる。
『全ての悪魔は地上にいる(ロード・オブ・クライム)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:悪 最大補足:-
対象が『混沌』『悪』『民を傷つけた逸話を持つ』という条件を満たしているごとに、自身の持つ気配遮断のランクが1つずつ上昇する。
また、上記の保持している条件が多い対象ほど、先手を取れる確率も上昇する。
また、モリアーティが定義する『消し去らねばならない悪魔』にはモリアーティ自身も含まれる。
その為、モリアーティは『善』『市民を救った逸話を持つ』存在と対峙した場合に、逆に気配遮断のランクに1ランクずつダウンがかかり、無防備に近づいていく。
【Weapon】
ステッキ(刃を内蔵した仕込み杖)
【人物背景】
少年は演じた。
――もし困っている人がいて僕なんかがお役に立てるのなら、何でもしたいなって思うんです
ウソ偽りのない善意と自己犠牲心から成り立っていたその原初の願いを、ただの孤児だった少年は初手から欺瞞によって達成した。
少年には犯罪の才能があった。
生活の為に金銭を必要とする人達がいれば、知恵をしぼって悪徳貴族から財を盗み出す大泥棒の指南をした。
世の中を変えるためには財力と権力がどうしても要ると理解すれば、伯爵家を燃やして子息と兄弟ぐるみで入れ替わり、家を乗っ取った。
困っている人の頼みごとは全て引き受けて、引き受け続けて、少年は『犯罪相談役』になった。
これが最適解だとして、悪行に殉じる仲間たちの前では悪い笑顔の仮面をかぶった。
兄弟や同士の前では、悪党を罰するためならば悪党を喜んで殺害する悪党の顔になった。
公に出るときは、若き天才数学者であり清廉な伯爵家の次男を演じた。
成長した男は、舞台を整えた。
ひとつ舞台の幕が上がるたびに、舞台上では悪徳を栄えさせた貴族の血が流れ、観客は悲鳴を上げた。
悲鳴があがるたびに本来なら暴露されなかった不正義が世間に報道され、不正は正されていった。
浄化すべき祖国である大英帝国が美しくなっていく裏側で、男はどんどん悪魔に身を落として行った。
悪魔の仮面には、『犯罪卿』『犯罪界のナポレオン』という異称がついていた。
男は見出した。
その人物は、自分こそが犯罪卿を捕まえるのだと標榜する探偵だった。
探偵は男と同じように人を観察して推理する頭脳を持っていたため、二人はすぐに気が合った。
探偵は男と違って『手段として罪を犯さない』という正しさを持っていたため、男はすぐに輝きを見出した。
己には持ち得なかった探偵の善性を、男は愛した。
いつしか探偵と共に過ごす限られた時間だけ、男は演じることをやめていた。
併せて、男はプロデュースを始めた。
探偵に社会の歪みが露わとなるような事件に次々と立ち会わせ、それらを解かせては成長させた。
探偵の活躍が世に広まるよう裏方からひそやかに宣伝工作を仕掛け、市民が探偵を頼るように仕向け、時には探偵のことを書籍化しうる相棒との仲を取り持った。
男は正体を明かさないまま探偵と語り合い、英国の腐敗を何とかせねばならないと言う使命感を共有した。
いつしか探偵は『名探偵』になり、大英帝国にその名を知らぬもの無いほどの『偶像(ヒーロー)』になっていた。
男はとうとう舞台裏を暴かれた。
探偵に正体を知られて、『最後の事件』の舞台を整えた。
演目とは探偵が主演となって男と対決し、男だけが国中の悪と腐敗を抱え持った上で悪の末路として落ちるものだった。
公に知られるようにした上で探偵を高所に呼びつけ、襲い掛かって敗北した芝居をしながら舞台から飛び降りた。
男の舞台は初めて挫かれた。
探偵は『一人死なせてたまるか』と叫び、落下する男を追いかけ、共に落下しながら男を抱きしめた。
どうして、と男は考えた。
『やっと捕まえた』と探偵は、たった一人だけいた友達は、答えた。
『犯罪卿』としてのモリアーティは、その時に死んだ。
そして、異なる時代、異なる都市の、聖杯戦争の舞台に『犯罪卿(アサシン)』のモリアーティはいた。
【サーヴァントとしての願い】
会いたい友達はいる。だが、己で聖杯を手にするよりは、悪用を考える者の手に聖杯が渡らないことを重視する
最終更新:2021年07月26日 01:27