夢を見た。それはある男の過去だ。
 その男には二人の兄と一人の弟がいた。
 その男は3人の兄弟と拳法の伝承者の座をかけて競っていたが、彼は他の3人に比べて劣っていた。
 そして伝承者決定の日、彼にとっては信じられない事が起きる。
 彼の弟が伝承者になったのだ。彼としてはそれは認められない事実だった。
 自分なのが一番いい、そうでなかったとしても実力的には2人の兄の方が上のはずなのに、何故よりにもよって弟なのか。
 そう考えた彼は弟に伝承者を降りるように告げるか、弟はこれを一蹴。彼に消えない傷をつける。
 それを恨んだ彼は弟の名を騙り悪行をするが、それに弟は怒り直接対決する事になる。
 だが彼は敗北し、醜く死んでいった。

 その男の名前は、ジャギ。


 夢を見た。それはある男の過去だ。
 その男には弟がいた。
 弟は出来そこないの落ちこぼれで、今まで必要じゃない存在だった。
 しかしある時、弟が必要になり迎えに行ったら、弟は自分が何者かすら忘れ、子供まで作る始末だった。
 仕方なく弟が何者かを教え、彼らの仲間になるよう言ったら彼に歯向かう始末。仕方ないので弟の子供を人質にし、弟を意思を変えようとするが意味は無かった。
 弟は仲間を連れ彼に戦いを挑むが、彼に圧倒される。
 しかし、弟の子供の予想外の強さと、弟の捨て身の覚悟により彼は死ぬ、弟とその仲間に絶望を残して。

 その男の名前は、ラディッツ。




 日本は平和な国とよく言われるが、人間が住む場所である以上悪人は当然存在し、その集まりもある。
 悪人が集まる犯罪集団とは、ここ模倣東京ではいわゆるヤクザである。
 そのヤクザの中の一つに最近、用心棒がついたらしい。
 特徴的な仮面をかぶった男で、武器も使うが素手の戦いがめっぽう強いらしい。
 正面から銃を持った男が何人も同時に掛かって行ったが、全て返り討ちに会った。
 ならば暗殺だ、と考えた人間も居たがあっさり見つかり返り討ちにされる始末。
 そして不思議なことに、殺された人間は皆、まるで爆発したかのように内部から弾け飛ぶのだ。

 ある男は思った、何かのトリックだと。
 別の男は思った、それはデマだと。

 だがこれはトリックでもデマでもない、確かに起きた事実なのだ。
 そしてそれを引き起こした件の男は今――


「よおアーチャー、いやラディッツだったか。今日は面白い夢を見たぜ。
 力が劣っている弟に予想外の状況による動揺と、捨て身の攻撃で無様にやられちまう兄貴の夢だ」

 その男、ジャギはあるヤクザのアジトの一室で目を覚まし、自分のサーヴァントに話しかけた。
 そう、彼は聖杯戦争の参加者に選ばれたマスターだったのだ。
 彼は心底楽しげな表情で、見た夢についてアーチャーに話しかける。
 それはアーチャーの過去、敗北し死んだときの話だ。
 それを聞いて、アーチャーは心底忌々しそうな顔をしながらジャギにこう返した。

「俺の事はアーチャーと呼べ。真名は出すなと言った筈だ。
 それとな、俺も面白い夢を見たぞ。
 弟に何もかもが劣った兄が逆恨みをしたあげく、無様に死んでいく夢だ」

 アーチャーの言葉を聞いて今度はジャギが心底忌々しそうな表情をした。
 これはジャギの過去、含み針にガソリンまで使ったにも拘らず敗北し死んだときの話しだ。

「「チッ」」

 どちらともなく二人は舌打ちをする。
 ジャギも、アーチャーも、自分の組んだ相手が嫌いだ。
 それは同族嫌悪。まるで鏡を見せられているような気分になるから。
 どちらも自分が弟より優れていると思っていて、勝つためならどんな手も使う。
 別にそれを恥じた事は無い、勝てば官軍という言葉があるように、勝者こそが全てを握るのだから。
 だが

「アーチャー、俺は必ず聖杯を手に入れるぜ。
 そして誰にも負けねえ力を手に入れてやる。ラオウの兄者やトキの兄者よりも強くなってやる」
「当然、俺もそのつもりだ。ナッパやベジータ、いやフリーザよりも強い力を手に入れる。
 そしてもう誰にも弱虫など言わせるものか。サイヤ人の王子だろうが宇宙の帝王だろうがな」

 彼らは力を羨んだことがないと言えるのだろうか。
 どんな悪行も、どんな覇道も圧倒的な力で突き進んでいくそんな姿に、憧れた事がないと言えるのだろうか。

「アーチャー、俺はてめえが嫌いだ。てめえと組むなんて心底反吐が出る」
「奇遇だな、俺も貴様と手を組むなど腹立たしくてしょうがない」
「だが俺はてめえを利用してやる。勝てばいい、それが全てなんだからな」
「勘違いするな、利用するのは俺で貴様はデクの様に立っていればいい」

 ジャギとアーチャー、二人の思いは共通していた。

 気にくわない、心底から気にくわない。
 だがある意味こいつは最良のパートナーだ。
 勝つためならどんな手でも使い、そして似たような願いを持っている。
 ああそうだ――

「「弟よ、この戦いが終わったときが貴様の死ぬ時だ!!」」

 こんなにも、俺は弟が憎らしい。



【クラス】
アーチャー

【真名】
ラディッツ@ドラゴンボール

【パラメーター】
筋力B 耐久B 敏捷A 魔力E 幸運D 宝具E

【属性】
混沌・悪

【クラススキル】
対魔力:E
魔術に対する抵抗力。
Eランクでは、魔術の無効化は出来ない。ダメージ数値を多少削減する。

単独行動:A
マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。
Aランクは1週間は現界可能。

【保有スキル】
サイヤ人:E
宇宙最強の戦闘種族。好戦的な性格としっぽ、そして満月を見ると巨大な大猿になるのが特徴。
死に瀕する危機から回復することでステータスが増加する。
弱点として、しっぽを握られると力が入らなくなってしまう。

気:D
アーチャーの世界で使用される、体内エネルギーの事。
これを使う事で手からエネルギー弾を発射したり、空中飛行が可能になる。
アーチャーはこの概念を知らずに使用しているので低ランク。戦闘力のコントロールも出来ない。

【宝具】
『俺は一流の戦士だ!』
ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:2
正面から突っ込んでいき、一瞬で後ろに回り込んで攻撃してくる技。これは相手の敏捷に関わらず戦闘開始直後なら1回だけ使用可能となる。
本来なら宝具どころか技とも呼べないものだが、当時地球で1,2を争う実力者二人に恐怖を覚えさせたという逸話が宝具になった。

【weapon】
  • スカウター
戦闘力を測る機械。索敵範囲は広く、宇宙船で1年かかる距離でも索敵が可能。
なお、ラディッツが用いているのは旧型なので21000以上の戦闘力を計測すると爆発する。
通信機も兼ねているが、同じスカウターが無ければ無意味。

  • 戦闘服
宇宙の帝王フリーザの部下に支給される戦闘服。
ドンドン伸びる上に重さが殆ど感じられれない、それでいて衝撃に強いという代物。

【人物背景】
二人兄弟の長男

【サーヴァントとしての願い】
聖杯の力で何よりも強くなって生き返り、カカロットにリベンジする。そしてもう弱虫などと言わせない。


【マスター】
ジャギ@北斗の拳

【マスターとしての願い】
ラオウの兄者やトキの兄者を超える力を得て生き返り、北斗神拳の伝承者になりケンシロウに復讐する。

【weapon】
  • ショットガン
世紀末ではあまり見ない武器。不発弾も混じっている。

  • 含み針
口から吐き出して使う。

【能力・技能】
  • 北斗神拳
1800年以上伝わる一子相伝の暗殺拳。
ジャギは正統伝承者では無いものの、一般人から見れば高い戦闘能力を持つ。

  • 南斗聖拳
108派ある北斗神拳と対照的な拳法。
石造を砕かず腕を貫通させる事ができる。

【人物背景】
四兄弟の三男。

【方針】
どんな手を使ってでも勝ち残り聖杯を手に入れる。

【備考】
参戦時期は死亡後です。
外伝設定は採用せず、本編設定のみ使用しています。
与えられたロールはヤクザの用心棒です。

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最終更新:2021年05月28日 21:18