町の一角で連日大繁盛のレストランがある。
なんでも、そこの料理は美味いだけではなく食べた者に成功を呼ぶとの噂が絶えないとか。
店の名はシュプリーム・S(しろた)。
店主の名は至郎田正影―――
☆
パリィン。
ガラスを突き破り、階下に着地。
その際の痛みも無視して、俺は我武者羅に足を動かす。
「はぁっ、はぁっ...」
うす暗い路地から指す光に向かい俺は必死に逃げていた。
どこへ向かっているか―――そんなのを考える余裕すらない。
疲労と恐怖で肺が張り裂けそうだ。だが捕まれば命は無い。
俺はどこで間違ったのだろう。
奴のもとについたことか?料理人としてのプライドを持ち妙な正義感に駆られたことか?
もうそんなことはどうだっていい。
とにかく今は逃げなければ。そして、警察に俺の知ったことを全て話すんだ。
あの男は狂っている。
あんなモノ、世にのさばらせてはいけないんだ―――!!
光は次第に近づいてくる。
やった。あそこを出れば人通りのはずだ。
あそこにさえ出れば、奴も手が出せない筈―――
「ん」
ふと、目に止まった不自然なでっぱり。
足は止めないがすれ違いざまに確認する。
なんだコレは。
缶詰?書かれている文字は、D・C・S...
「ドーピングコンソメスープだ」
ゴ シ カ ァ ン
☆
「終わったか」
シュプリームSのオーナーシェフ・至郎田正影は背を向けたまま確認した。
「ああ。これで俺たちの邪魔をする者はいなくなった」
「ふふふ...」
至郎田は鍋を掻き混ぜ不敵に微笑む。
(あともう少しだ...もう少しで俺の至高にして究極の料理は完成する...)
至郎田正影は天才的な料理人であった。
それ故に美味い料理など息を吸うかのように作ることが出来た。
だが。それではだめだ。
美味い料理を作れるだけでは、世間では天才と持て囃される凡人共と同じだ。
真の天才料理人は、料理で人を支配するべきなのだ。
そこで至郎田が求めたのは、成功と引き換えに彼に縋らざるをえない中毒性の高い料理だった。
これが完成していれば悲願は達成できたはずだった。
(海野め...何度も俺を裏切りやがって)
だが、至郎田の作る料理の材料を知った海野は、このことを警察に公表すると脅してきた。
間抜けめ。だからお前は俺に敵わないんだ。
そう思い立った至郎田は、己の"料理"で強化した腕で海野を撲殺しようとし―――そこで降って来たソウルジェムに触れ、改めてレストランのオーナーシェフとなっていた。
この時は至郎田は究極の料理のことも忘れ、海野もまたそれを忘れていた。
だが、数週間後、調味料に紛れていたソウルジェムに触れた至郎田は記憶を取り戻し、再び究極の料理の研究に没頭。
あと一息で完成といったところで水を差したのが、またしても海野だった。
以前と一言一句違わず邪魔をしようとした海野に苛立ち、至郎田は思わず正面から殴りかかった。
しかし、それが災いし、海野はそのまま裏口から逃亡。
追いかけようとしたが、いまのが騒ぎにになって無闇に厨房に入られるのはマズイ。
そこで、記憶を取り戻す際に手に入れたサーヴァント―――キャスターにあとを追わせたのだ。
結果、滞りなく海野を始末及び処分をしてくれたサーヴァントに、至郎田は流石はオレだと称賛を送った。
(聖杯戦争...フッ、これを勝ち残れば俺の食の千年帝国は完全なるものとなる)
サーヴァントが語った聖杯戦争は至郎田の興味を非常にそそった。
聖杯を手に入れれば、海野のような凡才に足を引っ張られることもこそこそと警察から隠れて料理をする必要もなくなる。
ならば手に入れない理由は無い。如何なる手段を持ってしても、俺は聖杯を手にしてやる。
至郎田の背を押すように、至郎田の視ていた料理も完成する。
「完成だ...俺の至高にして究極の料理...」
「では、景気づけにひとつ」
「ああ」
至郎田は鍋から煮込んだ液体を掬い皿に注ぐ。
スープだ。紛れも無くコンソメスープだ。
キャスターもまた、空中に浮かんだ鍋から液体を掬い皿に注ぐ。
スープだ。こちらもまたコンソメスープだ。
流石はオレだ、と内心で互いを褒め合い邪悪な笑みを交わす。
至郎田は自分が為るであろう姿を見つめ。
キャスターは未だ成長を止めないかつての自分を見つめ。
「「では、俺たちの食の千年帝国へ向けて―――乾杯」」
これから共に創り上げる王国を夢見て。
マスターとサーヴァント―――二人の『至郎田正影』は、互いのドーピングコンソメスープを飲み交わした。
【クラス】キャスター
【真名】至郎田正影
【出典作品】真説ボボボーボ・ボーボボ
【ステータス】
通常
筋力B 魔力C 耐久C 幸運C 敏捷D 宝具:B
【属性】
秩序・悪
【クラススキル】
陣地作成:C
魔術師として自らに有利な陣地を作り上げる。
作れる施設はレストラン。
道具作成:EX
無からDCS(ドーピングコンソメスープ)を生み出すことができる。
【保有スキル】
料理:A
大概のものなら調理できる。得意料理はドーピングコンソメスープ
トリック:C
食材を使用した犯罪が得意。中でもDCSを使用した撲殺が得意。
DCS真拳:EX
ドーピングコンソメスープ。
【宝具】
『DCS(ドーピングスープコンソメ)真拳超奥義、食【えじき】食の千年帝国』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:DCSを摂取・かけられた人物
鍋でしっかりと煮込んだドーピングコンソメスープを漫画で使用したトリックと共に敵にぶっかける大技。
【weapon】
様々な食材や薬物、その他諸々を煮込み続けて完成させた至高にして究極の料理。
肉体を超人級に活性強化させる奇跡の食材だが、一瞬でマッチョな筋肉質になって体型自体が倍くらいでかくなるという物理法則を無視した代物である。その成分は血液や尿からは決して検出されず、尚且つ配合した全ての薬物の効果も数倍となり、血管から注入(たべ)る事で更に数倍になるという。
これを食したサーヴァントは一時的に筋肉が膨大し『狂化:B』のスキルを手に入れることができるが、反動も強く最悪の場合、再起不能状態に陥ることも。
DCSの材料(警視庁押収レシピ参照)
牛スネ肉、骨付き鶏、タマネギ、ニンジン、セロリ、ニンニク、クレソン、長ネギ、パセリ、タイム、ローリエ、卵白、黒粒コショウ、シェリー酒、塩、湯葉の●、
●●イン、●●状●●、太刀魚、牛の●、豚の●、馬の●●の●●、人の●●を●したもの、秋の●、●の粉末、泊方の●、カマキリの●、電球の●、●●●味噌、
●●こ、男の●、女の●、DH●A、DHA、より●●した時の●、●●への●、美味しく作ろうという情熱、その他諸々
【人物背景】
真説ボボボーボ・ボーボボ49話に登場したスペシャルゲスト。常にDCS使用後の姿をしている。
ナインエキスパート・黒賭博騎兵衆の一人、雨水の助っ人として竜騎士と共に忍者大戦3狩リアに参戦。
登場早々に雨水にDCSを無理やり飲ませようとしたりDCS真拳を使いボーボボと首領パッチにかましたりと暴れ放題であった。
ゲストキャラということで倒されるにしても気を遣われるのが普通だがそこはボーボボ世界。容赦なく巻き糞で締め上げられてしまった。
他作品の他作者のキャラクターがカメオ出演するのはまだしも本格的にバトルにまで絡んできたのは武藤遊戯と至郎田くらいだろう。
ゲスト出演でありながら人気投票で227票を獲得し堂々の15位を飾っている。
バトル面では武藤遊戯、人気投票では空条承太郎、荒木飛呂彦、プロシュート兄貴に並ぶ快挙(太臓モテ王サーガの人気投票において準レギュラーを差し置きそれぞれ9位、11位、13位に入賞している)を成し遂げた彼は英霊になる素質は充分だろう。
【方針】
マスターと共に食の千年帝国を築き上げるために邪魔者を排除し聖杯を手に入れる。
【聖杯にかける願い】
食の千年帝国を創る。
【マスター名】至郎田正影
【出典作品】魔人探偵脳噛ネウロ
【性別】男
【weapon】
レストランにある機器も彼にかかれば立派な凶器に。
【人物背景】
各界の有名スポーツ選手から「成功を呼ぶ店」と噂されるレストラン『シュプリーム・S(シロタ)』のオーナーシェフ。その実は違法ドラッグを大量に混入した創作料理を提供する異常思想の持ち主。
ドラッグ入りの料理を用いて「食の千年帝国」なるものを作ることが夢だったが、薬物混入の事実を知った同業の海野浩二に反対され、警察に告発しようとする彼を殺害する。殺害を偽装するために「犯行予告の脅迫状を受け取った」と装い警察を呼び、時間差トリックで海野が突然死亡したようにアリバイを工作する。
自身の作る料理を「至高にして究極」と自負しており、それを貶されると異常なほど怒りをあらわにする。現場検証中に彼の料理を試食した弥子から「食べる事に失礼」という評価を下され、激しく怒って事情聴取を取りやめ厨房に籠ってしまうほど。
彼が最高傑作と称する料理「ドーピングコンソメスープ」がカルト的な人気を博し、多くのファンだけでなく同業の漫画各作品でパロディされるほどになった。
基本オリジナルエピソードで構成されていたアニメにおいても、第一話にこのエピソードが起用されるなど、他のキャラクターに比べかなり優遇されている。
余談だが、DSゲームJUS(ジャンプアルティメットスターズ)においてはネウロの必殺技のひとつという形で参戦している。当時の準レギュラーであった五代はヘルプコマにすらなっていなかったというのに...
【能力・技能】
天才的。凡人では追いつけない。
上記サーヴァントの項目参照。
【方針】
如何なる手段を用いても聖杯を手に入れる。
【聖杯にかける願い】
食の千年帝国を創る。
最終更新:2021年05月31日 20:50