知っているか知らないかはどーでもいいが、僕の名前は岸辺露伴、漫画家だ。
突然だが、どんな願いごとも叶うと言われたら何が思い浮かぶ?
魔法のランプ? 打ち出の小槌? それとも猿の手?
やっぱり日本人なら、ドラゴンボールが妥当だろうか。
まあ、どんな願いが叶うなんていきなり言われても、雑談のタネにするのが精々だろう。
僕からすればそんなことは時間の無駄だけどね。
しかし僕はそれを実現するものの存在を知った。
そいつの名は聖杯。
キリスト教の聖遺物の1つで、最後の晩餐の際に用いられ、アーサー王が探求の旅に出て探したとされるあの聖杯だ。
これは、僕がその聖杯を奪い合うための殺し合いに巻き込まれる話だ。
◆
とあるホテルの一室。そこに漫画家、岸辺露伴が居た。
露伴は何気なく窓から外の風景を見る。
そこには子供たちが公園で遊んでいる姿があり、その子供たちを眺める大人の姿もあった。
それらは普段ならば、わざわざ注視することもないような、都心ならば普通の光景だろう。
だが実は、今見えている光景も殺し合いの為に作られた世界の一部と思えば少々事情も変わる。
どんな願いでも叶う界聖杯。それを奪い合う殺し合いの為に作られた偽りの世界。
願いというものを抜きにして、限られた空間での殺し合いと聞いて真っ先に思いつくのは、スティーブンキングの死のロングウォーク。
あるいは、(露伴視点で)少し前に話題となったバトルロワイアルだろうか。
しかしその二つとこの聖杯戦争は違う。
願いが叶うという付加価値を持たせ、いきなり呼びつけられた人間にやる気を持たせようとするのは理解できる。
だがなぜ会場が東京を模した世界である必要があるのか。
なぜ殺し合いに関係のない人々がいるのか。
露伴の疑問は尽きない。
「やはり、いつまでも部屋に居続ける訳にはいかないか」
そう言って露伴は窓から外を見るのをやめ、外へ出ていく準備をする。
自身のサーヴァントがいない今、迂闊な行動は危険かもしれない。
だからといって、親に叱られるのを恐れて隠れる子供みたいに引きこもるのは、露伴の性に合わない。
そして部屋から出て行こうとした瞬間、後ろから強烈な光が発せられた。
「な、何だッ!?」
露伴はそれに驚きつつも、何が起きてもいいようにスタンドを出して構える。
だが特に攻撃される事なく、そのまま光は収まった。
露伴が光っていた場所を見ると、そこには1人の少年が居た。
身長は170位、着ている服は学生服だろうか、何処にでもいるかどうかは知らないが街ですれ違えば注目する事のない存在に見える。
「えっと、あなたが俺の――」
「ヘブンズ・ドア――ッ!!」
だけど露伴はそんな少年相手でも容赦をしない。
少年が何かを言おうとしていたのを遮り、先制攻撃を仕掛ける。スタンド使いの戦いにおいて躊躇など荷物にしかならないのだから。
とは言っても露伴は少年を殺すつもりはない。
せいぜい少年を本にして素性と目的を調べた後、「岸辺露伴を攻撃できない」とでも書き込むつもりだ。(無論逃げるようであれば容赦はしない)
だが次の瞬間、露伴にとって信じられない事が起きる。
ヘブンズ・ドアーが少年を本にすることなく弾かれたのだ。
「な、何だとォ――――ッ!!!」
これは露伴にとっては驚愕だ。
どんな人間相手でも、スタンドやある程度の知能を持った動物相手にだって通用していたスタンドが通用しなかったのだから。
そんな露伴を見て少年は必死に叫ぶ。
「落ち着いてくれ! 俺は敵じゃない!!」
そんな少年を見て露伴は考える。
(まさか、こいつが僕のサーヴァント?)
敵ならば今ほどのチャンスは無いだろう、スタンドが通用せず動揺している今ほどのチャンスは。
けれども少年は露伴を攻撃しない。そんな姿が露伴を冷静にした。
「なあ、君が僕のサーヴァントななのか?」
なので露伴は問いかける。
それに対し、少年は気さくに答えた。
「ああ、俺はランサーのサーヴァント。真名は武藤カズキ!」
「いやそこまでは聞いていない」
ランサーの自己紹介に対してにべもなく返す露伴。
しかしランサーはそんな事を気にも留めず露伴に話しかけた。
「ところでマスター。マスターってひょっとして岸辺露伴だったりします?」
「……そうだが、何で知っている」
「やっぱり! 俺ファンなんです。サインとかもらえます!?」
とても英雄とは思えない要求に一瞬唖然とする露伴。
だがすぐに思い直し、露伴は返答する。
「サインぐらいなら構わないが、あいにくこの部屋には書くものがない」
「じゃあ俺コンビニで買ってきます!」
そう言ってランサーは部屋を飛び出していった。
それを見て露伴は一言。
「コンビニの場所とか知ってるのか?」
考えなしだな、と露伴は少々呆れつつ、更に別の事を考え始める。
「とりあえず、あのランサーが何者かを聞かなくちゃな」
露伴は聖杯に一切興味がない。だがサーヴァントには興味あった。
植え付けられた
ルール曰く、サーヴァントは死んだ過去の英雄らしい。
なら生前の話を聞けば漫画のネタになるだろうし、最低でも戦い方位は聞かないと戦争どころじゃない。
だがもし生前の話を拒まれたらどうしようか、聞かせないとサインを書かないぞとでも言ってやろうか。
そんな事を考えていた露伴は、少々黒い笑みを浮かべていた。
【クラス】
ランサー
【真名】
武藤カズキ@武装錬金
【パラメーター】
筋力D 耐久B 敏捷D 魔力D 幸運B 宝具A
【属性】
秩序・善
【クラススキル】
対魔力:A
Aランク以下の魔術は完全に無効化する。
事実上、現代の魔術師ではランサーに傷をつけられない。
【保有スキル】
錬金の戦士:B
生前のわずかな間だけだが戦ってきた者の証。
ホムンクルスなどの人造生命に与えるダメージも大きくなる。
戦闘続行:A
名称通り戦闘を続行する為の能力。
決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。
【宝具】
『山吹色の突撃槍(サンライトハートプラス)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:2 最大補足:1
ランサーの心臓の代わりに埋め込まれている核鉄を闘争本能に呼応させて変化させた姿。
見た目は小型化した突撃槍。小回りが利き剣のように扱う事が出来る。
また、ランサーの意志に応じて山吹色のエネルギーを出して攻撃する。
『命を喰らう黒き者(ヴィクター化)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:0 最大補足:1
常時発動型の宝具だが、普段はランサーの意志で限界まで抑え込まれている。。
この宝具を本格的に発動すると、肌の色が変化し人間でもホムンクルスでもない存在になる。
さらに、一定範囲の全生物の生命エネルギーを強制的に吸い取る事になる。
これは生態なのでランサーの意志で止めることは出来ない。
この生態をエネルギードレインと呼び、これは抑えている状態でも起きているが周りの生物に与える影響は0に等しい。
だが本格的に発動している場合だと、健康的な人間でも数分で立つことが出来ないほどに疲労する。
このエネルギードレインは魔術による攻撃に分類されるので、防ぐことは可能。
ただし、ランサーはこの宝具の本格発動を望んでいない。
ランサーにこの宝具を本格発動させたいのであれば、令呪を用いることは必須となる。
だが、それをした場合主従仲は最低のものになるだろう。
ちなみに、発動している状態だと宇宙空間でも生存可能となる。
【weapon】
核鉄
【人物背景】
私立銀成学園高校2年B組の男子生徒にして錬金戦団の戦士。
性格はかなりの熱血漢で古き良き少年漫画の主人公と言った感じ。
一方天然ボケの気があり周りから失笑されることもある。
また特徴として、「○○の達人」を自称し、数々の特技を見せる事も。
だが似顔絵の達人を自称し描いた所ジョジョタッチになっていたりと怪しい。
実は岸辺露伴のファン。
【サーヴァントとしての願い】
強いて言うなら岸辺露伴のサインが欲しい。(成就)
【マスター】
岸辺露伴@ジョジョの奇妙な冒険
【マスターとしての願い】
サーヴァントを取材したい。
【weapon】
スタンド『ヘブンズ・ドアー(天国への扉)』
【能力・技能】
スタンド『ヘブンズ・ドアー(天国への扉)』
相手を本にして、記憶や能力を読んだり書き換える事が出来るスタンド。
体のどこかの部位が本となり、本には対象が記憶している人生の体験が書かれている。
また、本のページに書き込むことで相手の行動を思い通りにすることができる。
【人物背景】
M県S市杜王町在住の漫画家。
週刊少年ジャンプにて「ピンクダークの少年」を連載している。
性格は結構自己中止的で大人げない。
が、決して悪人ではない。
少なくとも殺し合いの儀式に不快感を覚える位には。
【方針】
他マスターと接触してサーヴァントを取材しつつ、聖杯戦争を止める。
【補足】
参戦時期は4部終了以降。(The Bookや岸辺露伴は動かないシリーズについては不明)
ホテルを拠点としています。
最終更新:2021年06月02日 20:19