「で、キミは何のサーヴァントなわけ?」
足立透は眼前に現れた異形の存在へと語り掛けた。
「我が名はダークネス」
「クラス名ってこと? 七つしかないんじゃ……エクストラ何とかってことか」
ダークネスと名乗るその存在は、見るからに人知を逸脱した姿をしていた。
サーヴァントと呼ばれる英霊達は基本的には歴史の偉人のようなもの。
足立の中では、織田信長とか武田信玄とかむさいおっさん達が鎧を着てやってくるというイメージであった。
だが、ダークネスは違った。
まず人ではない。
本来生物として存在するはずの皮がなく、その黒のローブの下に広がるのは朽ち果てた生の果てたるおびたたしい白骨だ。
骨が皮も肉もなく、自立しているのだ。英霊であってもイレギュラーな存在だと理解させられる。
更にその顔貌も人のそれではなく、山羊のような頭蓋骨である。
背中から広がる羽も相まって、まさしく悪魔と呼ぶほかない。
「然り、我はエクストラクラス―――ダークネスとのサーヴァントして現界した」
「名前ってのは、一応聞いていい? クラス名じゃなく真名ってやつ」
「ダークネス……我の名もまたダークネスだ」
「は?」
足立は聖杯戦争における知識は既に与えられていた。
故に、その真名の重要さもある程度は理解していたつもりだった。その英霊が生前如何な死を遂げたか、名を知られればその死因が弱点して知られてしまうからだ。
(クラス名が真名と直結とか、弱点ただ漏れじゃねえか?)
だが目の前のこいつは今何と言ったか? そうクラス名が、そのまま真名だと抜かしたのだ。
「我は一にして一にならず。
我は宇宙の暗黒面そのもの、人の心の闇を写すものと存在と言ってもいい。界聖杯の内包する可能性、それは希望や光のみにならず、また絶望や闇も必ず存在する。
故に我が呼ばれたのだ。人々の中に必ずやある闇の可能性として、それが我がダークネスのクラスだ。分かりやすく言えば神だ」
「神って……」
人の持つ心の闇の可能性。足立にとってそれは嫌程理解出来る事だ。
「……つまり、世の中クソだからアンタはここに呼ばれたって事?」
「然り、人間はとうの昔に疲れ切っているのだ。止まらぬ異常気象、止まらぬ天変地異、止まらぬパンデミック、壊れた人間達が起こす異常な事件の数々。
足立透よ。汝も分かっているのだろう? 見えない明日の中に可能性を探す事、本当は人間がそれを望まぬことに。偽りの霧のなかで安寧を求むことに」
「……クク」
怖いくらいにまで話が分かると足立は思った。
こいつの言う通りだ。世の中はこれ以上ない程にクソで下らない。
だというのに、全員自分を偽り続けている。足立は
そんなもの望んでいるのは、どこぞの探偵気取りのガキどもだけだ。それもまだ世の中を知らないから希望などを持てているだけに過ぎない。
いずれあのガキどもだってこんな世界に絶望するのだ。
「汝、闇の絶望を語り禍を継ぎし者よ。我が汝の元へ召喚されたことも必然なり……人々をシャドウへと変えるその望み、それは人間の持つ願望そのもの。
我も汝のその力も水が高きから低きに流れるようなもの、いわば起こり得るべくして起きた現象なのだ」
「なるほどねえ……僕の事もお見通しって事か、流石神様ってとこ?」
足立の全人類をシャドウに変えるという野心も、そして足立が禍(ペルソナ)を持つことも全てをダークネスは言い当てていた。
「我に野心はない。ただ人間の望みを叶えるのみ。
絶望のない。ただ虚無の世界へと全人類を同化させる」
英霊と呼ぶほどだ。むしろ、世界は希望に溢れてるだの反吐が出るような相手だとばかり考えていたが、その逆だ。
これほど足立透という男に適したサーヴァントは居ない。
「アハハッ! そいつはいいや……じゃあさ、僕も一枚噛んでやるよ。
どうせ全員シャドウにする気だったんだ。虚無だろうが大して変わらないよね」
禍の愚者は嗤う。
(神様だっていう位だし、多分これは大当たりだよね)
それを漆黒の闇はただ静かに見つめていた。
【クラス】
ダークネス
【真名】
ダークネス@遊戯王デュエルモンスターズGX
【ステータス】
筋力A+ 耐久A+ 敏捷A+ 魔力EX 幸運E 宝具EX
【属性】
混沌・善
【クラススキル】
心の闇:B
人が誰もが持つ過去の負い目、将来への不安など心の闇を看過し、的確な精神攻撃を与えるスキル。
強靭な精神力か対魔力:B以上で無効化出来る。
【保有スキル】
対魔力:A+
A+以下の魔術は全てキャンセル。
事実上、魔術ではダークネスに傷をつけられない。
決闘者:EX
戦闘行為をデュエルモンスターズというカードゲーム、つまりデュエルで代用することが可能になる。
これが発動すれば、例え戦闘力で劣る人間であってもサーヴァントを打倒しうる。
ダークネスはデュエルがあまり強くないので、彼がデュエルするとほぼ高確率で聖杯戦争から敗退する。
発動秘匿:A
本来宝具の発動に必要な真名開放を行わず、宝具をこっそり発動できる。
元々、デュエルは自身のカードの発動と効果を相手に説明しなければならないのだが、ダークネスはそれを行わずこっそり効果を使った逸話がスキルに昇華したもの。
神性:E
ダークネスの正体は宇宙が一枚のカードから生まれた時のカードの裏側。
12次元の宇宙の暗黒面そのものという正真正銘の神である。
しかし、前述の発動秘匿の逸話に際し、対戦相手にセコい神様と呼ばれた為にランクが凄まじくダウンしてしまった。
【宝具】
『虚無と無限の世界(ダークネス)』
ランク:EX 対人宝具 レンジ:1~6 最大捕捉:3
ダークネスが使用するカードが宝具化したもの。
固有結界を展開し、以下のカードを裏側でランダムに五枚並べ、一枚を表にしてその効果を適用する。
『虚無(ゼロ)』
「無限」が表になっていない場合、もう一枚カードを表にする。
「無限」が表の場合、虚無と無限の間にある全てのカードを表にする。
『無限(インフニティ)』
「虚無」が表になっていない場合、もう一枚カードを表にする。
「虚無」が表の場合、虚無と無限の間にある全てのカードを表にする。
『ダークネス1』
「虚無」と「無限」が表の時にこのカードが最初に表になった場合、相手の礼装を破壊する。
ダークネス2とダークネス3が表になるたび一つずつ礼装を破壊出来る。
『ダークネス2』
「虚無」と「無限」が表の時にこのカードが最初に表になった場合、ダークネスかまたはマスターの筋力、耐久、敏捷を一瞬だけ1ランク上げる
ダークネス1とダークネス3が表になるたび更に1ランク上げる。
『ダークネス3』
「虚無」と「無限」が表の時にこのカードが最初に表になった場合、相手のサーヴァントかマスターの筋力、耐久、敏捷を一瞬だけ1ランク下げる。
ダークネス2とダークネス3が表になるたび更に1ランク下げる。
つまり、実質複数の効果の中から一つをランダムに発動する(最初に表になったカードのみ使えるので重複はしない)。
当然ながらランダムなので、発動できない可能性も高いというリスクを抱える。(例えば最初に表にしたのがダークネス1なら効果を発動できず、宝具は不発に終わる)
しかも、デメリットとしてこれらのカードを一枚でも除去すれば、他のカードも全て破壊されてしまう。
破魔の紅薔薇なんかで突かれると大変な事になる。
『隠蔽されし闇の眼(ダークネス・アイ)』
ランク:E 対界宝具 レンジ:1 最大捕捉:1
一つ目の怪物、ダークネスの使役する魔物が宝具に昇華したもの。
「無限と虚無の世界」のサーポート宝具でもあり、ランダムにセットされた五枚のカードを確認することが可能。
発動秘匿と合わせれば真名開放を行わず、効果を使用できるので相手に「何故ランダムのカードを視認せず、その場所を把握できるんだ?」と揺さぶりも掛けられる。
ただ、こいつ自体はさほど高い戦闘力を持たず、元のゲームに於いて攻撃力0という点を昇華され、神秘のない人間でも殴り殺せる。
あと効果発動時にグリグリ目玉が動くので、察しが良ければすぐに気付く。
『真実を語る者(トゥルーマン)』
ランク:A 対界宝具 レンジ:??? 最大補足:???
ダークネスの分身たるMrTを召喚する。
更にそのMrTを、人の心の闇を幻覚として対象に見せ付けることが出来る。
仮に相手が心の闇を持たないとしても、新たにトラウマなどを捏造しあたかもその人物の心の闇だと記憶を改変させることも可能。
対魔力A以上か、海馬瀬人のような狂人なら回避可能。
【weapon】
羽。
デュエルディスクになるので、デュエルを挑まれればこれを使う。
【人物背景】
宇宙が一枚のカードから生まれた時のカードの裏側。
遊戯王GX本編にて、世界を虚無の世界へと変えようと暗躍し全人類を滅ぼす直前にまで追い込んだが、主人公である遊城十代と対峙しデュエルに敗れ消滅した。
本来は神でもあり、そして人の心の闇が増幅したことによって発生した自然現象そのものでもある為、サーヴァントとして召喚されることはありえないが、界聖杯の内包される人間の持つ心の闇の可能性としてダークネスのエクストラクラスとして降臨する。
【サーヴァントとしての願い】
全人類を虚無の世界へと引き摺り込む。
【マスター】
足立透@PERSONA4 the Animation
【マスターとしての願い】
全人類をシャドウにする。
【weapon】
特になし
【能力・技能】
自身のペルソナであるマガツイザナギを使役する。
本来はテレビの世界でないと使用できないが、この界聖杯内界では使用可能。
【人物背景】
PERSONA4にて鳴上悠達が追いかける連続殺人の真犯人。
一見して、頼りない刑事のようで非常に頭が切れるものの人格に問題のある人物である。
【方針】
ダークネスと共に優勝狙い。
最終更新:2021年06月04日 20:50