魔法少女は、ある男の夢をみていた……。

―― 『□□□、どうしちまったんだよ…。オレだよ、オレ!』

―― 『またあなたなの?何故私に関わろうとする!』

それは、失われた記憶を求めて暴走する妻を止めようとする、海賊の夢だった……。

~~~~~

―― 『ああ!なんてこと…。わたしは…一体!?』

―― 『すまねぇ、□□□…』

それは、人々のために自分の妻を殺さざるを得なかった、海賊の夢だった……。

~~~~~

―― 『□□□を、□□□を返しやがれ!!』

―― 『アハハハハハ、愚か者どもよ! よかろう、私が一緒にしてやる。あの世でな!』

それは、自分の妻を洗脳した『氷の魔皇』に復讐しに来た、海賊の夢だった……。

~~~~~

―― 『…△△△、強い男になれよ。〇〇〇、兄ちゃんを頼むぞ…』
―― 『 っ!ぐぅああぁあ!ああぉぅあああ! 』

それは、家族の未来を守るために禁断の力を使った海賊の夢だった……。

~~~~~

―― 『バカな… 許さぬ… 許されぬ! ギャアアアアア!!!』

―― 『ヌアッハッハッハッハ!馬鹿共が…!絶望の渦に呑み込まれるがよい!』

それは、魔皇を倒すために力を求めた結果、人の心を失ってしまった海賊の夢だった……。

~~~~~

―― 『まだだ…まだ終わらぬッ!グオオオオ…!』

―― 『オレは絶望していた。でも、その絶望の先にあるものを見つけたんだ…。』

それは、成長した自分の子供たちによって討たれた、『魔王』の夢だった……。

……………
…………
………

そして彼女は目を覚ました。

そんな彼女のすぐそばには、男がいた。

「……随分とうなされていたようだが、大丈夫か?」

その男は、先ほど彼女が見ていた夢に出てきた海賊だった。

「……さっき、アンタの夢をみていたよ……。とても悲しい夢をさ……」

彼女はとても悲しそうな、今にも泣きそうな顔で男にそう言った。

「……そうか、オレの夢をみていたのか……。すまねぇな、ふがいない父親で……」

それを聞いて、男は彼女に謝った。

それは、これから『母親』になろうとしている彼女に対して、自分がサーヴァントとして召喚されたことを悔いてのものだった。

「いや、俺はアンタをそう思わないよ……。大切だったんだろ、奥さんのこと」
「それにアンタは、残された家族のために力を使ったんだ。……いい父親だったと、俺は思うよ」

そんな彼に対して彼女は、励ますようにそう言った。

『結果はどうであれ家族のために戦い、そして子供たちの未来を守った』……彼女は彼のその行動を称賛したのだ。

「ハハッ……優しいんだな、マスターは」

そういう彼女に対し男は、力なく笑いながらそう答えた。

そんな彼に対して彼女は、続けて話を始めた。

「それに……それを言ったら俺も同罪だよ」
「俺は……戦い続けることを選んで……そして死んだはずだったんだから」

そう言いながら彼女は自分の大きく膨らんだお腹をさすりながらそう言った。

自分はお腹の子を守ることもできずに死んでしまったと、そう言ったのだ。

「そうか、マスターは……そうなのか……」

その言葉を聞いた男は、とても悲しそうな顔をしながらその言葉に答えた。

そして男は彼女に対し、こう言った。

「マスター……アンタは、オレの命に代えても家族のもとに帰してやる。だから……」
「―― アンタは、オレみたいにならないでくれ」

それは自分の過去の償いも込めて、彼女とその子供を絶対に守り通すという決意表明だった。

「……ああ、『この子』のためにも、俺は生きて帰らないといけないんだ」
「……頼りにしてるよ、『キャプテン』」

そんな彼の決意表明に対して彼女は、満面の笑みで返したのだった。

「……さあて!しんみりした話はそれくらいにして、メシにすっか!マスター!」

「……ハハッ、それもそうだな!じゃあちょっと準備するから、ちょっと手伝ってくれよ!」

そういうと彼は、今までのしんみりとした空気を打ち砕くかのように笑いながらそう言い、
そして彼女もその言葉に答え、食事の準備を始めた。

―― こうして、『親』になることができなかった二人の男女の物語が始まった……。

【クラス】バーサーカー
【真名】キャプテン・アズール
【出典】モンスター烈伝 オレカバトル
【性別】男性
【属性】混沌・悪(本来は中立・善)

【パラメーター】
(通常時)
筋力:B+ 耐久:B+  敏捷:C 魔力:D  幸運:E 宝具:A

(『魔海に眠る海王の遺産』発動時)
筋力:A+ 耐久:A++ 敏捷:D 魔力:A+ 幸運:E 宝具:EX


【クラススキル】
狂化:E(A)
 通常時は狂化の恩恵を受けない。
 その代わり、正常な思考力を保つ。

 ……厳密に言えば、後述する宝具により変化した姿に対して
 このスキルが適用されているため正常な思考力を保っているにすぎない。


【保有スキル】

海賊の誉れ:B
 海賊の独自の価値観から生じる特殊スキル。低ランクの精神汚染、勇猛、戦闘続行などが複合されている。
 筋力及び耐久を一時的に1ランクアップさせる。

不屈の意志:B
 あらゆる苦痛、絶望、状況にも絶対に屈しないという極めて強固な意思。
 肉体的、精神的なダメージに耐性を持つ。ただし、幻影のように他者を誘導させるような攻撃には耐性を保たない。
 彼は歴然とした力の差がありながらも、幾度となく『魔皇』に立ち向かった逸話からこのスキルを手にしている。

魔王:A
 生前のイメージによって、後に過去の在り方を捻じ曲げられた怪物。能力・姿が変貌してしまう。
 彼の場合は『人々のためにわが身を捨てて魔皇を打ち倒した英雄』ではなく、
 『自分の妻と魔皇を殺害し、新たな魔王となり果てた悪党』として後世に伝わってしまったことにより
 このスキルを手にしている。

【宝具】

『魔海に眠る海王の遺産(禁断の呪宝)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:-

「出来ればこいつは使いたくなかったが…。 ぐぅああぁあ!ああぉぅあああ!」

魔海の深淵に眠る海の王の怒りや憎悪が封じ込められた青い宝石であり、
彼が『氷の魔皇』を打ち倒すために使った宝石が宝具となったもの。

自らの姿を巨大な半魚人へと変化させ、人知を超えた強大な力と魔力を授ける。

……しかしその代償として人の心と身体を失う呪いがかかっており、使ったら最後、二度と元の姿には戻れなくなってしまう。

この宝具を使った場合『魔王』として敵をせん滅し続ける存在となってしまうこともあってか、
令呪を持って命ずるか、それ以外に方法がないと彼が判断したとき以外は積極的に使うことはない。


『全てを飲み込む絶望の大渦(絶望のサルガッソ・スパイラル)』
ランク:EX 種別:対城宝具 レンジ:1~100 最大捕捉:1000人

「絶望の渦に呑み込まれるがよい!サルガッソ・スパイラル!」

嵐が吹き荒れ、無数の沈没船が漂う暗黒の海がどこまでも広がる固有結界を形成する宝具であり、
彼が魔王となった後に生み出した惨劇を再現したもの。

吹きすさぶ風や辺りに漂う船により彼以外のサーヴァントは思うように身動きが取れなくなるうえに
彼自身の力により巨大な渦潮で相手を飲み込んだり、上空から大量の海水を降り注がせて押しつぶしてくるなど
無数の敵を死に至らしめるほどの威力を誇っている。

【weapon】
 海賊刀(カットラス)

【人物背景】
アズール海賊団を率いている船長。

自らの妻を洗脳した『氷の魔皇』を打ち倒すため、呪いを受ける覚悟で「禁断の呪宝」を使用し、人ならざるものへと変身した。
しかし、『氷の魔皇』が絶命する寸前に言い残した「貴様はいずれ記憶をすべて失い、魔王になる」という言葉通り、
徐々に彼の心は邪悪な呪いに蝕まれ、魔王へと変貌してしまった。

―― そして彼は、成長した我が子たちによって討たれることとなった……。

余談だが彼は魔王として死んだ後、諸悪の根源たる『海王』に戦いを挑んだ子供たちを救うために
魂だけの状態で現れた逸話もあるのだが、バーサーカーとして召喚された影響なのか
その記憶が抜け落ちてしまっており、ただ『自分が家族を不幸にした』という後悔ばかりが残っている。

【サーヴァントとしての願い】
 ―― これ以上、自分のような存在を増やしたくない。

【マスター】
室田つばめ(トップスピード)@魔法少女育成計画

【マスターとしての願い】
『家族』のためにも、生きて帰る。

【weapon】
『ラピッドスワロー』
彼女の魔法『猛スピードで空を飛ぶ魔法の箒を使うよ』によって生み出された魔法の箒。
箒と呼ばれてこそいるが、彼女が全力を出した場合はバイクのような形へと変化する。


【能力・技能】
『魔法少女』
『魔法の国』から与えられた力によって、魔法少女に変身する。
人間とは比べ物にならない身体能力や非常に可憐な容姿を持つ他、その魔法少女一人につき一つ固有の魔法を持つ。
正確には「身体が魔法少女という生物に変化する」ものであり、妊娠している彼女も魔法少女に変身している間は
お腹の子供に影響を与えることは無い。


『猛スピードで空を飛ぶ魔法の箒を使うよ』
彼女の固有魔法であり、Weapon欄に書かれている『ラピッドスワロー』を作り出す能力。

【人物背景】
とんがり帽子とワンピース、マントから成る衣服など、ステレオタイプな魔女の姿をした魔法少女。

ざっくばらんとした明るい性格で、お節介焼きで声が大きく、
一人称が「俺」とボーイッシュだが料理が上手い等家庭的な側面もある。

かつては「エンブレス」という不良集団のリーダーだったのだが、現在は幼馴染の男性と結婚し、妊娠もしている。
結婚してからは多少性格も丸くなったがスピード狂なのは変わっておらず、一度火がつくと周囲の声が聞こえなくなるという欠点がある。


【方針】
 基本的に戦うつもりはなく、極力戦闘を避ける。
 やむを得ず戦う場合であっても宝具を使わず、自分のスピードをもって可能な限り逃走を図る。

 ―― 『家族』に誇れる自分でい続けるため、そしてバーサーカーを二度と『魔王』にしないために……。

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最終更新:2021年06月07日 21:53