東京スカイツリー。
今さら説明するまでもなく、東京で最も高い建造物だ。
その展望台に、浮かない表情の女子高生が一人たたずんでいた。
「やっぱり見えないや、富士山……」
そう呟く少女の名は、各務原なでしこ。
この聖杯戦争に巻き込まれるまで、ごく普通の学生生活を送ってきた一般市民である。
この世界には、彼女の家族も友人たちもいた。
見た目も中身も、元の世界とほぼ一緒。
だが、まったく同じではない。
なぜならみな山梨ではなく、この東京で生きてきたことになっているのだから。
その小さな違和感は、積もり積もってなでしこのストレスとなっていた。
せめて、大好きな富士山が見たい。
そう願っていたなでしこだったが、それも叶うことはなかった。
この世界には、東京しか存在しない。
東京の外にそびえる富士山は、たとえ宇宙まで昇ろうとも見えはしないのだ。
「早く帰りたいなあ……」
寂しげに呟くなでしこ。
その背後には、切なげな表情で彼女を見つめるサーヴァントがいた。
もっとも霊体化している都合上、その存在には誰も気づいていないが。
彼の出で立ちは、色眼鏡に着流し、日本刀。
刀を持っているならセイバーか、あるいは堅気に見えないということはアサシンか。
他のマスターが彼の姿を見れば、そんな風に考えるだろう。
だが、どちらも外れだ。
彼のクラスは、バーサーカーである。
(けなげな娘さんだ……。なんであんないい子が、俺みたいなろくでなしを召喚しちまったのかわからねえが……。
呼ばれた以上は、絶対に守ってやらねえとなあ)
心の内で決意を固めながら、バーサーカーは刀に添えた手に力を込める。
(そのためには、絶対に知られちゃいけねえ……。この背中のことだけは……)
宝具が宿る背中が熱を帯びるのを感じながら、バーサーカーはさらに独りごちた。
動乱の中で百人斬りの怪物と恐れられた、狂える剣客。
それがバーサーカーの正体だ。
その狂気が、聖杯戦争の中で放たれる日は来るのか。
もし来たとして、それはなでしこに何をもたらすのか。
答は、まだ誰も知らない。
【クラス】バーサーカー
【真名】ひぐまの洋
【出典】水曜どうでしょう~大泉洋のホラ話~
【性別】男
【属性】中立・悪
【パラメーター】筋力:C 耐久:D 敏捷:B 魔力:E 幸運:E- 宝具:C
【クラススキル】
狂化:E(A)
理性と引き換えに驚異的な暴力を所持者に宿すスキル。
通常時はEランクであり影響はほとんどないが、宝具解放により一気にランクアップする。
【保有スキル】
人斬り:B
刀で人を斬ることに特化した剣術スキル。
勝つことのみを目的とした実践的な剣術であり、求道者的な精神とは無縁の物。それ故に強く、脆い。
強迫観念:B
自分の正体を隠さねばならないという妄執がスキル化したもの。
自分の真名を知る相手に攻撃するとき、攻撃力が大幅に上昇する。
【宝具】
『人斬りひぐま』
ランク:C 種別:対人宝具(自身) レンジ:なし 最大捕捉:1人(自身)
刺さったまま放置された木片と筋肉によって、バーサーカーの背中に描かれたおぞましいヒグマ。
発動することで、自身の狂化スキルをAランクに上昇させる。
さらにその場にいる全員の逃走成功率を大幅に減少させ、「仕切り直し」を持っているサーヴァントがいればそれを無効にする。
また「発動の瞬間を見た者」が全員死亡するまでこの宝具を解除することはできず、バーサーカーは狂乱のまま戦い続ける。
たとえ、自らのマスターがそこに含まれていようとも。
【weapon】
無銘の日本刀、番傘
【人物背景】
幕末の動乱の中、熊の旗印を背負いひたすらに敵を斬り続けた侍。
戦いの後はおのれの行いを恥じ二度と人を斬らないことを誓うが、背中のヒグマとして具現化した自らの狂気との板挟みで苦しみ続けることになる。
この物語はフィクションであり、実在の大泉洋とは関係ありません。
【サーヴァントとしての願い】
マスターを生き残らせる
【マスター】各務原なでしこ
【出典】ゆるキャン△
【性別】女
【マスターとしての願い】
元の世界に帰る
【weapon】
特になし
【能力・技能】
中学時代、姉に強制された殺人的ダイエットの副産物として得た、女子高生離れした持久力。
食い道楽が高じて身についた料理の腕。
初対面の相手ともすぐに打ち解けられるコミュ力。
【人物背景】
富士山を愛する、大食いの女子高生。
志摩リンとの出会いにより、キャンプの楽しさに目覚めた。
【方針】
生還
最終更新:2021年06月13日 20:37