866 名前:1 ◆y8xU8zpgjY[] 投稿日:2008/05/23(金) 06:00:21.51 ID:xIh3ogwo
~Another Story~
アイツはいつだって駆け足だった。
駆け足で目の前に現れて、駆け足で去って行ってしまった。
追いかけたいと何度も思った。
けど、僕はそんなに身軽になれなかったんだ。
867 名前:1 ◆y8xU8zpgjY[] 投稿日:2008/05/23(金) 06:01:44.63 ID:xIh3ogwo
思えばお互いに最悪な印象から始まったと思う。
初めは自己紹介の時に怒鳴ってしまった。
あろう事かアイツは無視していたから。
気に食わなかった。そんな事されると思わなかったから。
確か・・・・、そうだ思い出した。思いっきり椅子を蹴ったんだ。。
868 名前:1 ◆y8xU8zpgjY[] 投稿日:2008/05/23(金) 06:02:57.08 ID:xIh3ogwo
こっちを向いたアイツにいきなり睨まれて
体中の血液が沸騰するかと思った。
僕の顔を見た瞬間にアイツは目を逸らし小さく舌打ちをした。
ほんっと失礼なヤツだった。
869 名前:1 ◆y8xU8zpgjY[] 投稿日:2008/05/23(金) 06:06:22.69 ID:xIh3ogwo
「無視してたんじゃなくて、寝ていただけ・・・・。」
それを聞いた僕はさらに文句を言ってしまった。
自分でもこんなに器用に舌が回るとは思わなかった。親に感謝。
戸惑うアイツの瞳には、「なにこの人?」って書いてあったと思う。
実を云うと・・・あの時何を言ったのかもう覚えてない。
左耳の銀色のピアスが不思議と綺麗でずっと見てしまっていたから。
870 名前:1 ◆y8xU8zpgjY[] 投稿日:2008/05/23(金) 06:07:16.76 ID:xIh3ogwo
後で友達に話を聞くと、まぁ色々な話題には事欠かないヤツだった。
内緒のアルバイトをしているとか云うネガティブなものもあれば
ヤリ○ンって云う更に不名誉でネガティブな噂まで。
けど不思議と周りとは上手くやっている・・・。
時々見せる目が寂しそうだなって思っていたけど。
871 名前:1 ◆y8xU8zpgjY[] 投稿日:2008/05/23(金) 06:07:50.18 ID:xIh3ogwo
少し時間が経ってもあいつはこっちを見てくれない。
そうだ・・・・。僕が勇気を出そう・・・。
そう・・・背中を軽く叩くだけで良いんだ。簡単な事。
変な意味は無い・・・挨拶だから・・・。誤解なんかされないはず・・・・。
872 名前:1 ◆y8xU8zpgjY[] 投稿日:2008/05/23(金) 06:08:50.95 ID:xIh3ogwo
トンッ
「ん、どうしたん?」
「おはよう!」
「お、おはよう。」
「じゃあね。」
「・・・?」
873 名前:1 ◆y8xU8zpgjY[] 投稿日:2008/05/23(金) 06:09:20.76 ID:xIh3ogwo
初めて見せてくれた笑顔が、不覚にも・・・・
今思えば、この日が、僕にとっての片思いの
始まりだったかもしれない
874 名前:1 ◆y8xU8zpgjY[] 投稿日:2008/05/23(金) 06:09:55.39 ID:xIh3ogwo
知れば知るほど不思議なヤツだった。
軽そうに見えて、本当に軽かったり。
器用そうに見える癖に、すっごく不器用だったり。
不真面目そうに見えて、やっぱり不真面目だったり。
社会不適応者に見えて、意外と家庭的な事が得意だったり。
今考えても、変なヤツだ。
875 名前:1 ◆y8xU8zpgjY[] 投稿日:2008/05/23(金) 06:10:29.81 ID:xIh3ogwo
でも時々見せる、何とも言えない空気が
僕を心地よい気持ちにさせた。
顔を見合わせれば悪態を付いてしまう関係だったけど
きっとそれはお互いにとっては、大事な空間だったと信じたい。
少なくとも、僕はそう思っているから。
876 名前:1 ◆y8xU8zpgjY[] 投稿日:2008/05/23(金) 06:11:27.07 ID:xIh3ogwo
クリスマスの前に告白した。結果?結果は当然撃墜だった。
だってアイツには付き合ってるヤツがいたから。
知ってた。だからOKしてきたら、からかってやろうかと思ってた。
「相手いるでしょ?浮気すんなよ。」って。
いや、ホント。ホントだって。
877 名前:1 ◆y8xU8zpgjY[] 投稿日:2008/05/23(金) 06:12:16.72 ID:xIh3ogwo
バレンタイン前にも告白した。・・・・撃墜。
OK。わかってる。ホントはイベント前だから焦ってただけ。
そんなつもりは無かった。
そう言えば、友達や先輩も告白していたみたいだ。
・ ・ ・でも撃墜。
何なんだアイツ!どんなアムロ・レイだよ!
878 名前:1 ◆y8xU8zpgjY[] 投稿日:2008/05/23(金) 06:13:23.60 ID:xIh3ogwo
OKを貰ったのは、夏の前だったと思う。
実を言うと、恋人と別れた話を聞いたから
何か知らないけど焦って告白した。
本当は、OKを貰った瞬間に「はい!ドッキリでした~!」って
言うつもりだったのに・・・、何故か抱きしめてしまった。
・ ・ ・ ・ 不覚。
880 名前:1 ◆y8xU8zpgjY[] 投稿日:2008/05/23(金) 06:16:12.11 ID:xIh3ogwo
それからは楽しい思い出、大変だった思い出に溢れている。
いつもフヨフヨしているヤツだったから、繋ぎ止めるのに大変だった。
放っておけば、何処に行ってしまうかも判らなかったから。
沢山喧嘩して、沢山セックスした。
アイツがいつも付けていた、銀のピアスを貰って、
僕からアイツに、同じようなピアスをプレゼントした。
お揃いだ~なんて無邪気に喜んでいた記憶がある。
881 名前:1 ◆y8xU8zpgjY[] 投稿日:2008/05/23(金) 06:17:15.83 ID:xIh3ogwo
クリスマスの前日に、アイツと別れた。
本当につまらない言い争いだった。
僕はアイツがくれたプレゼントを全部捨ててしまい、
アイツのお気に入りで何回もお願いして、やっと貰った
銀のピアスを目の前で投げ捨て、その上殴ってしまった・・・・。
882 名前:1 ◆y8xU8zpgjY[] 投稿日:2008/05/23(金) 06:17:42.22 ID:xIh3ogwo
いつもと同じ、アイツがたまに見せる哀しそうな瞳が
ずっと残る、最悪の思い出だ。
恋人リストに登録してあった番号を一つ消して、
その年は友達の家で飲み明かした。
883 名前:1 ◆y8xU8zpgjY[] 投稿日:2008/05/23(金) 06:18:26.15 ID:xIh3ogwo
何度も謝ろうと思った。何度もやり直そうと思った。
でも、あいつのあの瞳を思い出すと、言葉が出なかった。
その内、あいつが新しい人と付き合っている話を聞いた。
884 名前:1 ◆y8xU8zpgjY[] 投稿日:2008/05/23(金) 06:18:57.77 ID:xIh3ogwo
腹が立って憎らしく思った。
僕はこんなに引きずっているのに。
ぶち壊しにしてやりたく思った。
神様、あの時の僕を許してほしい。あの時は悪魔が付いていたんだ。
許されないのであれば、僕は一生好きな人を作らない。
885 名前:1 ◆y8xU8zpgjY[] 投稿日:2008/05/23(金) 06:20:17.08 ID:xIh3ogwo
その後、アイツが居なくなった事を聞いた。
誰も連絡が取れなくなったって。
膝から下の感覚が無くなった。
なんでだ?なんでだ?なんで?
アイツは・・・居なくなる必要は無かったのに!
ただ・・・教えたかっただけ。僕はここにいるって。
886 名前:1 ◆y8xU8zpgjY[] 投稿日:2008/05/23(金) 06:20:49.82 ID:xIh3ogwo
あいつは何も言わず、何も残さず去って行った。
馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ!・・・僕は本当に馬鹿だった。
アイツは僕の何も奪ってなんかいなかったのに、
アイツの全てを僕が壊してしまった。
887 名前:1 ◆y8xU8zpgjY[] 投稿日:2008/05/23(金) 06:21:36.84 ID:xIh3ogwo
何であんな真似をしたんだろう。
何で僕じゃなかったんだろう。
何で・・・僕じゃ・・・・駄目だったのかな。
何で僕は、アイツを止める事じゃなくて、
一緒に歩んでいくって選択肢が出来なかったんだろう。
888 名前:1 ◆y8xU8zpgjY[] 投稿日:2008/05/23(金) 06:22:06.20 ID:xIh3ogwo
うん!決めた。
もう一度勇気を出してみよう。
あいつの家に電話を掛けてみよう。
きっと話が出来るはずだから。
889 名前:1 ◆y8xU8zpgjY[] 投稿日:2008/05/23(金) 06:22:45.36 ID:xIh3ogwo
「あの・・・僕・・いや私はレナと申しますが・・・」
890 名前:1 ◆y8xU8zpgjY[] 投稿日:2008/05/23(金) 06:22:58.56 ID:xIh3ogwo
おしまい
891 名前:1 ◆y8xU8zpgjY[] 投稿日:2008/05/23(金) 06:27:15.54 ID:xIh3ogwo
スイーツ(笑)視点で、なるべくスイーツ(笑)を意識して書いてみました。
いや、書いてて恥ずかしくなるわ死にたくなるわ・・・・。
やっぱ男はハードボイルドだね!!
901 名前:1 ◆y8xU8zpgjY[] 投稿日:2008/05/23(金) 06:42:29.76 ID:xIh3ogwo
やる夫が学校を辞める原因になったのは?
今のショートストーリーは
全てその人の一人称視点です。
902 名前:1 ◆y8xU8zpgjY[] 投稿日:2008/05/23(金) 06:45:09.88 ID:xIh3ogwo
でもですね、やっぱやる夫がいないと
話が難しいんですよ。。。。どうしてもAnother Sideって形だと
自分とは違う人の一人称視点にしないといけないわけで。
スイーツ(笑)風味になるのは、元々の視点が女の子視点であり、
さらにそれは僕の妄想だからですwwwwwwwwww
最終更新:2008年06月30日 13:49