「HUNTER×HUNTER」(ハンターハンター)は、冨樫義博による日本の漫画作品。
概要
通称『HxH』。主人公の少年
ゴン=フリークスがまだ見ぬ父親
ジンと会うため、架空の花形職業である
ハンターとなり、父親を探しながら仲間達との絆を深める様を描いた冒険活劇。収集癖のある冨樫が、収集の面白さを題材として「ハンター」を題名に含んだ作品を構想。どうせならば様々なハンターを描きたいと構想を広げたところで、ダウンタウンが「何で2回言うねん」とテレビ番組で発言していたことから着想を得て『HUNTER×HUNTER』と2回重ねたタイトルとした。
『週刊少年ジャンプ』(集英社)誌上において1998年(平成10年)14号から連載を開始し、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』・『ONE PIECE』に続く3番目の長期連載となっている。単行本はジャンプ・コミックス(JC)より32巻まで発刊。累計発行部数は6500万部を超える。2004年には公式ガイドブックとして同じくJCより『HUNTER×HUNTER ハンター協会公式発行 ハンターズ・ガイド』を発売。
本作は休載が非常に多く、1999年以降は毎年10回以上休載している。本誌掲載時にはネームに近いラフ画で、背景もほぼ描かれていない状態で掲載されることが頻繁に発生した。作者の過去作『幽☆遊☆白書』終盤からその傾向は見られていたが、本作でそれがさらに顕著化している。最長の休載は2006年12号から2007年44号までの1年8か月。単行本の刊行では24巻は前巻から1年7か月の開きがある。
あらすじ
ハンター試験編
- No.001 - No.037(単行本1巻 - 5巻)
くじら島に住む少年ゴン=フリークスは、幼少期に森で巨獣に襲われている所をハンターの青年・
カイトに助けられた。ゴンはこの時、死んだと思われていた父親・ジンは生きており、優秀なハンターとして活躍していることを知る。ハンターに憧れを抱く様になったゴンはハンター試験の受験を希望。ジンを快く思っていない里親・
ミトの出した条件をクリアし、ハンター試験会場へと向かうべく故郷を旅立った。ゴンは道中、同じくハンターを志す
クラピカ、
レオリオと行動を共にし、試験開始直後に出会った同い年の少年
キルアとも親しくなる。この4人は次第に信頼関係を築き、協力しながら試験合格を目指す。最終的にゴン、クラピカ、レオリオの3人は試験に合格するが、キルアはとある事情から自ら不合格となる。また、ゴンは試験の最中に出会った殺人狂の奇術師・ヒソカとの因縁を残すこととなった。
ククルーマウンテン
暗殺を家業とするゾルディック家の一員として、生まれた時から暗殺者として育てられ、今まで一人も友達がいなかったキルアは、ハンター試験中に出会ったゴンと友達になりたいと願う様になっていた。しかし、キルアを連れ戻そうとするゾルディック家の長男・イルミはその思いと願いを根本から否定し、ある無理難題を突きつける。キルアはそれに従わざるを得なくなり、自ら合格を辞退する形で、ククルーマウンテンのゾルディック邸へと戻った。ハンターとなったゴン、クラピカ、レオリオはキルアを連れ戻すためにククルーマウンテンに向かう。ゾルディック家の敷地に入るための試しの門(黄泉への扉)から屋敷までの幾つかの難関を辛うじて突破した3人は、遂にキルアと再会する。
天空闘技場編
- No.044 - No.063(単行本5巻 - 7巻)
ヨークシンシティでの再会を約束し、クラピカ、レオリオと別れたゴンとキルアは修行と小遣い稼ぎを兼ねて格闘施設・天空闘技場に挑戦。そこで少年闘士・ズシと彼の師匠・ウイングに出会う。ズシと対戦したキルアは彼の異常なまでの打たれ強さに疑問を持ち、それが兄・イルミの強さと関係があるのではないかと考え、ゴンと共に闘技場の最上階を目指す。2人は順調に勝ち上がり200階に到達するが、このまま200階クラスの敵と戦えば命に関わると判断したウイングは2人を制止し、念能力の教えを授ける。再びゴンの前に現れたヒソカとの再戦に備え、ゴン達は念の修行に励む。
くじら島への里帰り
ゴンはキルアと共に故郷くじら島に戻り、束の間の休息を過ごす。ゴンの成長を見てハンターとなった彼に一定の理解を示したミトは、ゴンにジンが残していった箱を託した。そしてゴンとキルアは、ジンを探す手がかりと思われるハンター専用のゲームソフト「[グリードアイランド]」(G.I)の存在を知る。
ヨークシン編(幻影旅団編)
- No.071 - No.119(単行本8巻 - 13巻)
「G.I」がオークションに出品されることを知り、ゴンとキルアはヨークシンへ向かう。レオリオと再会した2人は、破格の値段が予想されるG.Iを落札するため、様々な方法で金稼ぎを試みる。一方クラピカは、盗賊集団「幻影旅団」によって闇に売りさばかれた同族の眼を回収するためにギャングのノストラードファミリーに入団し、オークションに参加するノストラードの娘を護衛してヨークシンを訪れる。
時を同じくして幻影旅団の団長・クロロは旅団員を召集し、オークションの商品収奪を実行する。旅団への報復に燃えるクラピカによって団員の一人を失いながらも、旅団は並み居るギャング団をあしらい、誰にも気付かれぬ内に商品を手に入れ、自分たちの死を偽装して逃亡を図る。旅団とギャングの抗争が一段落した後、ゴン達と合流したクラピカは旅団が健在であることを知り、完全な壊滅を目論む。ゴン達もそれに協力するが、ゴンとキルアは仇を目の前にして冷静さを欠いたクラピカを庇い、旅団に捕まってしまう。奇襲をかけ、クロロの捕縛に成功したクラピカは人質の交換を要求する。
グリードアイランド(G.I)編
- No.120 - No.185(単行本13巻 - 18巻)
クラピカ達の尽力によって無事解放されたゴンとキルアだったが、旅団にかけられた懸賞金を入手出来なくなった以上、G.Iの落札は最早不可能だった。2人は「G.Iを落札した人物に雇ってもらう」という考えに切り替え、オークションに出品された全てのG.Iを競り落とした大富豪・バッテラが開催したプレイヤー選考会に参加する。
無事合格したゴンとキルアはプレイ資格を獲得し、G.I世界へ突入して探究を始める。しかし、2人は知らぬうちにプロハンターのビスケット(ビスケ)に目をつけられていた。ビスケは個人的な興味から2人の仲をかき乱そうと企んでいたが、優れた素質を持ちながらそれを生かせていない2人を歯がゆく思い、無理やり2人の新たな師となって、戦闘技術を叩き込む。三か月の猛特訓の末、以前とは比べ物にならない力を身に着けた2人は、ゲームマスターのレイザー、大量殺人鬼「爆弾魔」(ボマー)との戦いなどを経験しながら、G.Iクリアへと突き進んでいく。
キメラ=アント編
- No.186 - No.318(単行本18巻 - 30巻)
見事にG.Iをクリアしたゴンとキルアはビスケと別れ、クリア賞品として得たゲーム内の呪文カードを使用してジンに会おうとするも、それを読んでいたジンの策によってカイトのもとへ飛ばされてしまう。カイト達の仕事に協力する中で、2人は「キメラ=アント」という生物の存在を知る。その頃、異常成長を遂げた「キメラ=アントの女王」は兵隊蟻を使って人間を襲い、着実に勢力を拡大していた。
カイト一行はキメラ=アントが爆発的な繁殖を始めた国家「NGL」に向かうが、遭遇したキメラ=アントの強さに圧倒され、ゴンとキルアはカイトを見捨てる形での脱出を余儀なくされる。討伐隊としてやってきたハンター協会のネテロ会長らの奮戦も及ばず、遂に圧倒的な力を持つ「キメラ=アントの王」が産まれてしまった。王は直属護衛隊と一部の兵隊蟻を引き連れて東ゴルトー共和国の政府中枢を乗っ取り、国民を勢力拡大の生贄とするための「選別」を開始する。これ以上の被害拡大を防ぎ、カイトを救い出すため、ゴン達は討伐隊に志願し、異形の蟻達との戦いに身を投じる。
会長選挙・アルカ編
No.319 - No.339(単行本30巻 - 32巻)
ネテロは、ハンター協会の次期会長を選挙で決めるようにとの遺言を残していた。投票方法の取り決めのため、会長直属ハンター「十二支ん」のメンバーが集められるが、メンバーの一人であり副会長のパリストンは、虎視眈々と次期会長の座を狙っていた。
時を同じくして、キルアは危篤状態のゴンを助けるためにゾルディック家に里帰りする。彼の目的は、その強力かつ凶悪な能力のためゾルディック家の奥深くに幽閉されている第四子・アルカの力を借りること。ゴンを治すため、そしてアルカを救い出すため、キルアの決死行が始まる。
暗黒大陸編(仮称)
アイジエン大陸にあるカキン帝国のホイコーロ国王が外側の世界暗黒大陸の進出を宣言した。探検隊の責任者はネテロの息子と思われるビヨンド=ネテロである。しかし外の世界の進出は人類最大のタブーであるためV5がハンター協会にビヨンドをハントせよと特命を下した。
最終更新:2013年11月03日 21:35