(30)133 『マルシェの秘密』

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「おう、コンコン。何やってんだよ」
突然背後から聞こえた大きな声に、紺野あさ美は慌ててマウスを操作してウィンドウを閉じた。

「吉澤さんですか。もう、驚かさないでくださいよ」
冷静を装うあさ美の表情を楽しげな顔で覗き込みながら、吉澤ひとみは軽くその肩を叩いて笑う。

「なんだなんだ、また秘密の研究ってヤツ?今度は何企んでんだ?」
「人聞きが悪いですよ吉澤さん。私は組織に言われた研究をしてるだけです」
内心冷や汗をかきながら、あさ美は涼しい顔で吉澤の言葉を受け流した。

「ふーん、どんな?」
「それこそ秘密ですよ」
「何だよ、誰にも言わねーって。オレ、こう見えて口は堅いんだぜ?」
「別に吉澤さんのことを信用してないわけじゃないですよ。ただ、言えないだけです」
「ちぇ、相変わらず秘密主義だなー。オレとコンコンの仲じゃねぇか」
「ダメなものはダメです。諦めてください」
「へいへい。分かりましたよ。どうせ聞いてもよくわかんねーだろうし」
そう言うと、吉澤はあさ美の側を離れ、部屋の出口へと向かった。
その後ろ姿に向かい、あさ美は小さく安堵のため息を吐く。

「…コンコン」
そのとき、あさ美は不意に自分の名を呼ばれ、硬直した。

「心配すんな。オレは口が堅いからさ。ただ……あんま夜更かしすんなよ」
「………分かりました」

「おやすみ」と背中を向けたまま手を振り、吉澤の姿は扉の向こうに消える。
あさ美は視線をパソコンに戻し、マウスを操作する。
微かに微笑みながらあさ美が再び立ち上げたウィンドウにはこう記されていた。

リゾスレ第30話記念チャット大会―――と。