(30)962タイトルなし(闇さゆみ)

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全部消えてしまえばいいのに。
そう思う、多分、世界中のどんな人間よりもそれを…世界の破滅を願ってる。

触れるだけで外傷を治すことが出来る、この力。
でも、向きを変えてしまえば―――触れるだけで、そこから全てを消し去る力。

大切なものがあるの。
でも、その大切なものはいつまでもそこにあるとは限らない。

今がピークだと言うのならば。
後から形を変えて、崩れ落ちて、大切だと思った時の姿から変わってしまうというのならば。


「―――全てを消し去っても、いいでしょう?」


紡ぐ言葉に返ってくるのは、理解不能と言わんばかりの困惑した視線。
そうね、分かるはずもない。
私だって、いつからこんな感情が生まれたのか分からないんだもの。

皆、皆大好きよ。

大好きだから―――これ以上は望めないのなら、今を終わりにしたっていいでしょう?

何が起こったか分からない、そんな視線を向けてくる仲間達に。
私は唇の端を釣り上げて微笑んで、溢れる衝動を力に変えて解き放つ。

さようなら、さようなら。
終わりにしましょう、どう足掻いても闇に勝てない光ならば。
いっそここで潰えてしまえばいいの、長引く苦しみに光が色を変えてしまうくらいならば。

―――闇に閃くのは、淡い桜色の光。