(33)543 (俺シリーズ10)

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『G』ダークネス四天王『DD』の一人。
彼女は組織から『G』というコードネームの他に“救世主”の称号が与えられている。
それは何故か。答えは明瞭である。文字通り彼女は組織の救世主であるからだ。
『G』がダークネス壊滅の危機を救った武勇伝は今でも組織内で語り継がれている。

“俺”がダークネスの構成員となる遥か昔、闇の世界では各地に点在している超能力組織同士による覇権抗争が繰り広げられていた。
XX97年末、そんな乱戦に終止符を打つべく、一人の女性を長とした新たな超能力組織『ダークネス』が結成される。

優れた能力者を数多く擁したダークネスは瞬く間に勢力を拡大させ、一年足らずの間に闇の世界の制圧に成功した。
だが、このままダークネスの一極支配が続くと思われたXX98年夏、闇の世界の勢力図にまたしても異変が起こる。
ダークネスに対抗すべく新組織『SA』が結成されたのだ。
これまで幾多の敵軍を討ち滅ぼしてきたダークネスであったが『SA』から差し向けられた刺客には悉く敗北を重ね、次第に防戦一方の展開となっていく。

そして来たるXX99年7月。
勢いにのる『SA』と形勢逆転を狙うダークネスが真正面から激突。
両軍共に総力をかけた天下分け目の一大決戦が幕を開けた。
だが時の趨勢は残酷であった。
ダークネスには『SA』の猛攻を阻む力は最早無く、戦局が敵側に有利と判明すると味方の裏切りも相次ぎ結果は大惨敗。
闇の世界の覇権を賭けた大勝負は『SA』の圧勝で幕を閉じた。

完全に追い詰められたダークネス。敵の軍勢10万に対し味方は300足らず…。
『SA』からは全面降伏を求める書状も届いている。最早これまでかと肩を落とす幹部達。
その時、一人の男がある進言をした。
「『G』を起動させてみては如何かと。」


男の進言に幹部達は猛反発する。
気でも触れたか、今『G』を動かすのは余りにも危険であると。
『G』とは当時のダークネスの研究機関が、世界中の優れた能力者や格闘家の細胞を集めて造られたバイオロイドである。
だが組織の最新の科学力と莫大な費用を注ぎ込んで完成させた『G』ではあったが、未だ起動させず保管カプセルの中で眠らせたままであった。
何故か?幹部達が『G』を起動させるのを躊躇うその理由とは?

それは、組織の次なる戦闘用新兵器として造られた『G』が想像を絶するとんでもない“化け物”であると判明したからに他ならない。
敵軍はおろか、この世界そのものを消滅させてしまう程の破壊力を秘めている『G』は、いつ暴発してもおかしくない核爆弾のような存在だ。
そんな“悪魔”を目覚めさせてしまえば例え敵軍を壊滅させたとしても、何れは自らの首を絞める結果を招くことは明白である。
「…では、我等はこのまま降伏の道を選ぶと!?」
男の剣幕に圧された幹部達は、救いを求めるように組織の長に決断を委ねる。

すると、これまで沈黙を通してきた組織の長がこの日初めて口を開いた。
「我等にとって降伏は屈辱そのものだ。降伏を選ぶなら死を選ぶ。だが我等の死も奴等にとっては降伏と同じだ。奴等に一矢報いる事なくこのまま朽ち果てるのは耐え難い屈辱。ならば奴等にも我等と同じ耐え難い屈辱であろう死を与えてやろうではないか。」

翌朝。幹部や兵士達が見守る中、組織の長自らが『G』が眠る保管カプセルの起動スイッチを押した。

XX99年9月、『G』遂に目覚める。

そしてその日、敵対組織『SA』は一夜にして壊滅した…。