(36)273 『感ずる者の早朝に』

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  誰かが見つけてくれることを 密かに祈っている

  一人ぼっちの寂しい夜は もう嫌だ


  寂しさを紛らわす為に 私は――――――



        ◇◆



目が覚めて、ふと時計を見たら朝の七時だった。
今日も朝早く起きてしまったが、目覚めは悪くないのでこのまま起き上がる。

ぼーっとした顔を冷たい水で洗うと、鋭く冷たさが顔を覆い瞬時に頭が冴える。
その後は洗濯物を洗い、終わるまでに歯磨きをする。
ピーっと音が鳴り、洗濯機が止まる。蓋を開け、中から取り出して籠に入れる。

 「っぅあー…」

ベランダに通ずる窓を開けて、洗濯籠を持ちながらベランダに出た。
すでに太陽は顔を出しており、光が明るく街中を照らしていた。
籠を下に置き、目を細めて伸びをする。
とても気持ちが良くて、良い朝だと実感した。

その後、洗濯物を干すのを終えて、今度は朝食の準備へと取り掛かる。
と言っても、パンとヨーグルトのみで今日は終えるつもりだ。



        **


朝食を食べ終えて、食後の紅茶を飲む。
やけに今日は朝から清々しくて、とても良い気分だった。
ほっと一息し、ぼんやりと頭の中で今日やるべきことを考えてみた。
だが、特にこれといったことは無く、今日は久しぶりにのんびりと過ごせそうだった。
なので午前中は家で過ごし、午後からお店へ行こうと思う。

その時、何気なしに見つめた場所はお守りが置いてあった。


        **


午前中を家の掃除に充て、鼻歌をしながら掃除をしていた。

ふとその時、何かが聴こえた。
それはとても微かな声で、何を言っているのかは分からない。
心の端をほんの小さな、弱い力で引っ掻かれたような感触だった。

何だったのかと思いながらも、私は掃除を再開した。
あまり気には留めず、何かあるような予感も無かったので、掃除を進めていくと次第に忘れていった。


しかしその声を、私こそが気付かなければいけないのに、気付けないでいた――――――