初めて愛と手が触れたとき、人ってこんなにも温かいのだということを知った。
殴り傷つけ自分を守るためだけにあると思っていた手のひら
握った拳をそっと包まれて気付く。
「れいなの手、ちっちゃいんやの。かぁわいい」
「…可愛い?」
「かわいいよ。あーしなんて、ほれ、見てみ?
手のひらはデカいわ、指の骨はごつごつしとるわ、で可愛さのカケラもないで」
目の前で広げられる手のひら。
れいなは吸い寄せられるように、自分の手のひらを重ねた。
関節ヒトツ分くらい大きさが違う。
「愛ちゃんの手、温かいっちゃん」
「そうけ?」
「なんか、安心するとよ」
愛の手のひらを指先で撫でた。
この手に救われた。この手に守られてきた。
初めて出会った日も戦いに傷ついた日も、突然寂しさが襲ってきた日も。
愛はいつでも優しい温かさで包み込んでくれていた。
「なぁ、散歩でもせんか?星がきれいやざ。」
ひとりじゃない。ちゃんと、繋がっている。
最終更新:2014年01月18日 13:17