(40)616 『往け!!リゾナンター』

※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。



「最近また、リゾナントシティの活動が停滞している。例によって原因を探りに行ってきてくれ。頼んだぞリゾナンター諸君!」

「「「「「「「「「ラジャー!」」」」」」」」」

語尾は「なのだ」やら「ですよ?」やら「ちゅーっす」やら「やで」やら「ダ」やらバラバラであったが、ともかく9人は敬礼の後、揃って基地を飛び出した。


「ってかさー、調べなくても大規模規制の影響じゃん?テキトーに時間つぶしてかえろーよ」
街に着くや否や、小春がだらけきった態度で提案する。

「ほやのー。原因は分かりきっとるからのー」
リーダーの愛がのんびりと答える。

「コラー!小春はともかく愛ちゃんまで何言ってんの!ダメに決まってんでしょうが!」
だが、サブリーダーの里沙が拳を振り上げたときには、すでにメンバーたちはどこに行くか相談を始めていた。

「あ、誰かれいなと一緒に行かん?この前いい店見つけたっちゃけど」
れいなが意気揚々と仲間を募る。
だが、相変わらずその声に応えるものはおらず、れいなはしょんぼりとうなだれた。

「さゆぅ~どこ行こっか~えへへ」
「どこ行こっかえりぃ~うふふ」
れいななど目に入らないかのように、絵里とさゆみは仲睦まじげに向かい合って手を繋ぎイチャイチャとしている。

「オイ、クスミ。ドコカイイ店教エロ」
「何馴れ馴れしく呼び捨てしてんの?大体それが人にものを聞く態度?」
「ダッテ、ジュンジュンクスミト一緒ニドコカ行キタイダ……ダメカ?」
「え?…そ、それは別にいいけどさ。小春の知ってるとこをジュンジュンが気にいるかどうかは分かんないよ?」
「イイノカ!クスミト一緒ナラドコデモ楽シイゾ!」
思いがけずいい雰囲気の小春とジュンジュンを、リンリンはニコニコと見守っている。


里沙がいつものように「いい加減にしなさーい!」と割って入ろうとしたとき、愛佳がやんわりと口を挟んだ。

「お取り込み中のとこすんませんけど、自由時間はなさそうですよー」
どういうことだ?と首を傾げた全員の視線が愛佳に集まった。

「こういうことです」
そう言いながら愛佳が指差す方向に、全員の視線が移動したそのとき。

「うーわ、何であんたらまでいるわけー?」
露骨にいやそうな顔をしながら現れたのは、黒いボディスーツに身を包んだ戦闘員たちを引き連れた、氷の魔女ことミティだった。

「はぁ?それはこっちの台詞なんですけど!返してよ!小春の自由時間を返してよ!」
「ソウダ!ジュンジュントクスミノ大切ナ2人ノ時間ヲ返セ!」
「うるせーそんなの知ったことじゃねーよ。こっちだって新春からロクでもねー福袋ばっかり買わされてイライラしてんだよ!」
「それこそこっちの知ったことやないけんね。大体福袋言うんは…」
「あ?勝手に会話に入ってくんなよ。そんなコミュニケーションイラネっつってんだよ」
「あー、今のはれいなが悪いね」
「うん、完全にれいなが悪い」
「はい、じゃ仕切り直しね。流れ断ち切る人がいるとテンポが悪くなって困るよね」
「な、なんでれいなだけ……」
半泣きになっているれいなを置き去りに会話は進む。

「それでもっさん、今日は一体何しに出てきたの?」
「もっさん言うな。…逃げ出してきたんだよパーティーから。やってらんないっつーの」
「パーティー?」
「そ。矢口ってちっちゃい女いんだろ?今日はあいつの誕生日なんだってさ。朝っぱらからバカ騒ぎでついてけねーよ」
「大変やのー。ダークネスもなんやかんや苦労多いんやのー」
「当たり前じゃん。ってか昨日も梨華ちゃんの誕生パーティーだったんだぜ?むしろぶっ続けだし。カンベンしろよ」
そう言いながら天を仰ぐミティの顔には確かに疲れが浮かんでいて、一同は微かに同情の気持ちを覚えるのだった。


「でもここで会ったが百年目なの!今日こそ決着をつけるの!」
「いきなりなんだよシゲさん」
「まさにそれなの!さゆみのことをそんな可愛くない名前で呼ぶ人を生かしてはおけませんなの!」
「分かった分かったごめんごめん。バトルな流れにもってくなってばめんどくさいから」
「藤本さん、あなたはすっかり変わってしまったの」
「今度は何だよ、これ何の流れだよ」
「藤本さんは昨日が何の日だったか覚えていますかなの」
「は?いやだから梨華ちゃんの誕生日……」
「そんなどうでもいいことじゃありませんなの!もっと大切な日ですなの!」
「どうでもいいはひどくね?」
「昨日はさゆみを中心とする6期メンバー4人がリゾナンターに加入した日なの!そう、藤本さんあなたもなの。ダークネスに染まってすっかり忘れてしまったなの?」
「はいぃ?何?今回のあたしはそういう設定だったの?かつてはリゾナンターだったけど裏切った的なパターン?いや、聞いてなかったし」
「お黙りなさいなの!結婚してすっかり浮かれモードな藤本さんに期待したさゆみがバカでしたなの」
「あ、結婚もしてる設定なんだ。…ねえ、ぶっちゃけもう完全に立ち位置見失ってきたんだけどどうしたらいいわけこれ」
「今となっては敵同士……哀しいけど戦わないといけない運命なの」
「結局そうなんのかよめんどくさいなあ。分かった分かりましたよ。おい、お前ら。行けってさ」
投げやりなミティの号令に従い、戦闘員たちが襲い掛かる。

「れいな、やっつけちゃってなの!」
「まかしときー!」

さっきちゃんと6期メンバーとして数に入れてもらったことでウキウキしていたれいなは、満面の笑みを湛えたまま戦闘員の只中に飛び込んでいった。

「今日のれいななんか生き生きしとるのー。なんでや」
「さあ?なんかいいことでもあったんじゃない?」
「ま、おかげでこっちは楽だし理由なんてどうでもいいんじゃないっすかー」
「HAHAHA!それモそうデスね」

…そうこうするうちに、戦闘員たちは浮かれモードなれいな1人の手であっという間にぶちのめされる。
そしてれいなの視線は鋭くミティに向けられた……が、睨み返されてすぐに逸らされた。


「…で?この後どうなんの?」
「決まってるやろ!あとはあんたをいてまうだけや!」
「今度はお前かよ関西人」
「あんたのせいで愛佳は一時期オカマキャラ扱いされたんやからな!」
「知らねーよオカマっぽいからそう言っただけじゃん」
「オカマ以下のド貧乳抱えてるくせして何言うてくれとんねん」
「はぁ!?なんだとテメー」
「何カップや。悔しかったら言うてみぃ。あんたのブラジャー何カップや」
「う、うるせー!そっちにいる何人かよりはマシだっつーの」
「あんなんと比べてる時点で終わっとるいうことにまず気付けや」
「アッッッタマきた!ブッ殺す!」
すっかりだらけていたミティの体から、激しい闘気と殺気がほとばしる。
そして、それと同様のオーラが、ミティと向かい合う集団の一部からも湧き上がる。

「ちょっとミッツィー!あんなんってどういうことよ!?」
「なん言いよーと!?別に女は胸だけやないけんね!」
「そうだいいぞ田中っち!もっと言ってやれ!小春もなんか言ってやんなさいよ!」
「いや、小春関係ないっすから」
「関係ないわけないっちゃろが!言っとくけどれいな小春には勝っとーけんね!」
「何言ってんすか!小春の圧勝ですよ!」
「まあまあ、皆サン。仲間割れハよくないデ…」
「見るからに関係ない人は黙ってて!あんたに何が分かんの!」
「す、すみまセンデス…」
「あ、そうこうするうちにきまっせー」
自分が引き起こした事態であるにも関わらず他人事のような愛佳が指差す先には、みるからに近寄っちゃダメなときの表情を浮かべたミティの姿。

「まとめて凍え死にやがれ!」
裂帛の気合とともに、その両手から凍てつく冷気が放たれる。
怒りの冷気はあっという間に周囲を包み、視界を真っ白に染めた。


「ザマミロバーカ!……って…えええっ!?」
ミティは目を疑った。

「全然無事とかおかしくね?そこは凍れよ!氷像となって己の発言を後悔しろよ!」
平然と立っている先頭の愛佳に対し、ミティは理不尽にぶち切れる。
しかし、返ってきたのはなお理不尽な言葉だった。

「甘いわ。事前に凍結防止剤撒いといたんや」
「と……なんだよそれ!」
「知らんのか?主成分は塩化カルシウムや」
「誰が主成分を聞いてんだよ!凍結防止剤ってそういうアレじゃないだろっつってんだよ」
「愛佳の予知能力舐めんといてや」
「むしろ塩化カルシウムを舐めてたっつーの。すごすぎだろ。どんだけ無敵アイテムだよ」
「みんな!今なの!喰らってくたばれ!必殺……!」
「……へ?」
強引過ぎる流れに物申していたミティは、さらに強引な流れに持っていこうとしている存在を発見して愕然とした。

「ちょ、ちょ待て!話の途中だろ?ってかあたしが何したんだよ!むしろそっちがやりたい放題…待て…待てって!」

「へぇぇるみぃぃぃぃぃ!!!!」
「あああぁぁぁっっっ!!!!」

ちゅどーーーーーーーーーーーーん!!!!!!!

「厳しい……戦いだったの。でも極度にかわいいさゆはいつも最後には必ず勝つ運命なの」
お前結局それ言いたいだけだろという無言のツッコミなどどこ吹く風で、さゆみは満足げにうなずくのだった。

こうして今回もやっぱりさゆみのいいとこどりにより、戦いは終わったのであった。
そして、青空を守るため、リゾナンターたちは今日も胸の高鳴る方へゆくのであった。