238 :
我が幼なじみ ◆ZWGwtCX30I :2010/09/18(土) 20:58:03 ID:4bPJ1TpH
~~~~~~~~~ 
優の部屋 
 
「んぅ……優君のパンツ、良い臭い……んぁ……ふ……あっふぁぁぁ!……はぁ……えへへ……イっちゃったよぉ、優君……」 
私が余興に浸っていると…… 
「お兄ちゃーん!遊ぼー……え?何……これ?」 
え……?どうして糞虫がここにいるの!?出かけているんじゃ無かったの!? 
「風ちゃん……あの……これは……」 
糞虫が無言で睨んでくる。こんなチビに睨まれたところで、どうってことないけど 
「風ちゃん……この事は優君には言わないで……お願い」 
今はなんとしても、優君にバレる訳にはいかない 
「そんなの分かりません、言うかもしれないし、言わないかもしれません」 
遠回しに言うことを聞け、と言っているのが分かった 
239 :我が幼なじみ ◆ZWGwtCX30I :2010/09/18(土) 20:59:23 ID:4bPJ1TpH
「どうしたら……言わないでいてくれる?」 
はぁ……こんな奴がいなければ、こんな事にはならなかったのになぁ…… 
「じゃあ……お兄ちゃんに二度と近づかないでください」 
は?何言ってるの?この糞虫は 
私と優君が離れる訳ないのに…… 
糞虫って、脳みそあるの? 
あったとしても腐ってるんじゃないの? 
「どうして、そんな事を言うの?」 
「……由美子お姉ちゃんが大嫌いだからです」 
私もアナタが大っ嫌い! 
今すぐ殺してやりたいくらいに 
「どうして?」 
「それは……由美子お姉ちゃんが酷い事を言ったから……」 
~~~~~~~~~ 
三年前 優の部屋 
私は当時、仲の良かった糞虫と、よく遊んでいた 
「風ちゃんは好きな人とかいるの?」 
私が何気なくそう聞くと、風ちゃんは顔を赤くして俯いた 
「いるよ……」 
「そうなんだ!クラスのお友達?」 
「ううん……違うの」 
私は少し考えてみたが、風ちゃんの友達が誰か、それ以前に、風ちゃんに友達がいるのかすら、知らなかった 
240 :我が幼なじみ ◆ZWGwtCX30I :2010/09/18(土) 21:00:34 ID:4bPJ1TpH
「優君は今トイレだから、言っちゃいなよ~」 
「うん……えっとね、風奈の好きな人はね」 
「うんうん!誰かな」 
言葉というのは、とても恐ろしい。たった一言で、その人物に対する見方、感情等が全て変わってしまうことがある 
友人関係や、夫婦間の仲もたった一言で、崩れることがある 
それ程、言葉というのは恐ろしい魔力を秘めている 
「風奈の好きな人はね……お兄ちゃん!」 
え……?今なんて言ったの? 
「え……誰?」 
「風奈はお兄ちゃんが好きなの!」 
風ちゃんは優君が好き? 
何それ……まだ優君と知り合って数ヶ月しか経っていないのに、優君が好き? 
異常な程、怒りがこみ上げてくる 
……ふざけるな、優君の事を大して知らないクセに、好きなんて、ふざけないで…… 
「でも義理とはいえ、兄妹だよ?」 
「うん……それでも好きなの」 
私は我慢できずに言った 
241 :我が幼なじみ ◆ZWGwtCX30I :2010/09/18(土) 21:01:44 ID:4bPJ1TpH
「……優君の事を、そんなに知らないのに好きなの?」 
「風奈は、お兄ちゃんの事をよく知ってるもん!」 
お前なんか人間じゃない……糞虫だ。消えてしまえばいいのに…… 
「……アナタなんかが、優君を知ってるなんて、気安く言わないで!」 
「……え?」 
糞虫は、何故私が怒っているのか分からず、呆然としていた 
「私は、アナタなんかより、もっと優君を知ってる!私は優君と、昔からずっと一緒で、アナタなんかよりも、沢山の優君を知ってる!」 
口に出したいことは沢山あったけど、最後に一つだけ、一番言いたいことを口にした 
「アナタなんか、ただの妹、優君の好みも、何も知らないただの妹……優君は優しいから、アナタを哀れんでいるから、大事にされてるの……妹じゃなかったら、見向きもされないんだよ……」 
"そんな奴が、私と優君の邪魔をしないで" 
そう言おうと思ったけど、私は何故か言えなかった 
そして、優君が帰ってきた 
「優君、私帰るね……」 
「え……あ、あぁじゃあな……」 
私はすぐに帰ったから、その後、どうなったのかは知らないけど 
それ以降は、あの糞虫とは遊ばなくなった 
そうなると、必然的に優君の家には行けなくて、とてもつらかった
最終更新:2010年09月20日 18:49