125 :わたしを食べて、みたいな? [sage] :2008/01/15(火) 21:53:57 ID:WPpTwP0j
「なあ、お前、彼女できたんだって?」
「あ? ああ、うん……」
「なんだよ、あんまり嬉しそうじゃないな?」
「いや……ちょっとね、困ったことがあって」
「困ったことって?」
「彼女さ……今は隠してるけど、手首のところに傷があってさ」
「うわ、なんだそれ、メンヘラってやつ?」
「いや……違うんだよ。リスカ女とかじゃないんだ。傷できたの、僕と付き合い始めてからだし」
「はぁ!? どういうこった、そりゃ」
「実は、何日か前に道を歩いているとき……」

「暑いねえ、瞬君」
「そうだね穂波……あー、なんか喉渇いたなー」
「え、大丈夫?」
「まあ、我慢できないほどではないんだけどね……」
「ダメだよ油断しちゃ! 脱水症状で倒れたらどうするの!?」
「ははは、そんな大袈裟な……」
「ああ、でもどうしよどうしよ、この辺自動販売機もないし……そうだ!」
「? どうしたの、カッターなんか取り出して」
「えいっ」

 スパッ! ブシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!

「ギャーッ! 穂波の腕から間欠泉の如き熱き血潮がーっ!? な、なにやってんの君ーっ!?」
「えへへ……さ、飲んで瞬君。わたし健康には気を遣ってるから、きっとおいしいよ?」
「そういう問題じゃないよーっ! ちょ、救急車、救急車ーっ!?」
「あはは、大袈裟だねえ瞬君は」
「真っ青な顔して言っても全然説得力ないってば!」

「……ってな具合でさ」
「うわぁ……っつーかよく生きてたなそれ」
「本人は『えへ、あいのちからだよ瞬君』って言ってた」
「間違いではないんだろうが……はぁ、メンヘラより数段性質悪いなお前の彼女」
「まあ、そんなところが物凄く愛しいんだけどね」
「結局幸せなんじゃねえかよ!」
「今度肝臓食べさせてもらう約束を」
「話さなくていいよ怖いから!」
最終更新:2008年08月29日 22:42