リグリー星及びその衛星を領有する三カ国の連合体組織。新天地を求めて人類が入植した数多の惑星の一つである。星団管理機構の発足によって、秩序立った異星間の政治的・経済的往来が活発化している昨今、内外両面で大きな転換期を迎えようとしている。
| 国旗 |
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| 国の標語 | 人類の正統性に於ける統一 |
| 国歌 | 護星交響曲第十番第五楽章「不朽の剣」 |
| 国教 | なし |
| 公用語 | 宇宙共通語 |
| 国家元首 | レオナルド・ジャン・フローベル中央統治評議会主席執政 |
| 行政首都 | コルトリール特別政治区域 |
| 最大都市 | イーストポイント市 |
| 所属 | フェイルディラシア恒星系第七惑星 |
| 公式略称 | リグリー |
| 公式通貨 | ロエル |
その際限の無い経済活動が地球上に深刻な環境悪化を招き、大規模な気候変動と言う脅威に戦慄しつつあった人類。そんな中、突如として発生した正体不明で未曾有の大災害“ラグナレク”は、地球上の大半の生命を死滅させ、辛くも生存したほんの一握りの人類は、再興の活路を求め自らの母性を離れた。“ラグナレク”に続く断続的な天変地異によって、地球と言う惑星単位が完膚無きまでに消え去ったのは、それから僅か先の事である。
遠い星団、フェイルディラシアと言う惑星系の最果てに位置するその星は、人類が再興の為の新天地を求めて植民して行った、数多くの惑星の一つである。この地は、人類として初めて降り立った宇宙往還機機長、サリー・F・リグリー准将の名に因んで、今ではリグリー星と呼称されている惑星である。テラフォーミングによって温暖湿潤な気候と美しい森林、湖沼地帯を手に入れた今では信じ難い話だが、嘗てこの星は一面に荒涼とした不毛の大地が広がり、最初期に入植した人類は中小規模の惑星基地郡で極めて限定的な居住を余儀なくされていた。今のような気候と民主的な秩序を手に入れたのは、長年に渡って続いていた弛まないテラフォーミングの試みが奏功して、顕著な拡大を遂げた惑星基地が都市国家として成長して行った、ちょうどその頃である。
また、人類入植以前の極めて過酷な環境故に、知的な生命体が皆無で、土着民族との争いなどが存在せず、長らく平静を維持してきたリグリー星であるが、政治的・経済的成功と同時に活動の範囲を衛星、そして宇宙へと広げて行くにつれ、“人類接触戦争”の影響を受けて行く。各地に割拠していた都市国家の軍事組織が、主にフェイルディラシア近辺に於いて、非人類種と幾回か武力衝突を重ねている事が確認されている。また、都市国家間でも領土や極地域に眠る天然資源などを巡って争いが絶えず、内外で繰り広げられた、そのような血みどろの戦乱の過程で、惑星間の長距離誘導弾、電磁投射砲や宇宙空間機動多足歩行型マニピュレーターと言った新型兵器も登場した。
現在は、星団管理機構によって新秩序の建設が推し進められている。我々もそれに見合った変革を迫られていると言えるが、一方で星団の土着民族と人類種との関係は、人類接触戦争による深刻な軋轢を完全に払拭出来ないでいて、依然として対立要因は少なくない。
人類はリグリー星への入植当初、地表平均気温が零下90℃と言う過酷な気候条件の中、惑星基地内でのごく限定された生活を余儀なくされていたが、長期間に渡って実施されていたテラフォーミングの試みが奏功して、現在は豊かな森林と湖沼地帯が美しい温暖湿潤な気候を手に入れている。
リグリー星域国家共同体の中央統治評議会が行政権の行使機関として君臨し、その下でカルセオラリア、オスティア、フォルグナーの各国自治政府が自治を行う。特別区たるカルセオラリア特別政治区域と衛星は中央統治評議会の直轄地。
中央統治評議会の運営形態は合議制であり、合議の参加者たる8名の執政と、最終的な決裁者たる1名の主席執政から構成される。主席執政は評議会での互選及びリグリー中央議会両院での信任に基づいて就任し、執政は3国それぞれで実施される普通選挙によって選出される。
| 役職 | 姓名 |
| 主席執政 | レオナルド・ジャン・フローベル |
| 執政 | トーマス・ハノーヴァー・キンケイド |
| 執政 | アルフレッド・マハン・リンガエン |
| 執政 | パトラス・ニヴェル |
| 執政 | ロバート・ストックン・ハルゼー |
| 執政 | ガストン・モーリス・ギンヌメール |
| 執政 | トーマス・ノワック |
| 執政 | エーリンヒ・リヒトフォーフェン |
| 執政 | ヨアヒム・ティルピッツ |
| 役職 | 姓名 |
| 外 交 部長 | ジョン・ハロルド・マクレイン |
| 内 務 部長 | ハーバート・ヴァン・ヴューレン |
| 財 務 部長 | ロマーノ・アンドレオッティ |
| 国 防 部長 | アンゲラート・ベック |
| 公 安 部長 | ジョン・マーディーズ・アダムズ |
| 法 務 部長 | ジョージ・ウォーカー・ハミルトン |
| 拓 務 部長 | スティーヴン・タイラー |
| 文 教 部長 | フランシス・ヤマオカ |
| 農商務部長 | チェスター・エイムズ・ニミッツ |
| 情報通信部長 | レイモンド・ウィリアム・スプルーアンス |
| 労務福祉部長 | ハズバンド・エドワード・キンメル |
| 経済企画部長 | ハイニ・シュタイマン |
リグリー中央議会が我が国の立法機関である。民選院(下院)と官選院(上院)の二院制。民選院は議員が普通選挙で選出され、予算と法案の先議権などで官選院に対して優越する。120名。官選院は多額納税者、国家勲功者、聖職者、アートンの証人などの特権階級や、学識経験者などの中から名誉諮詢院が議員を選出し、それに基づいて中央統治評議会が任命する。弾劾裁判権・条約、主席執政指名人事承認権などで民選院に対して優越する。有力資本家や地方の豪農などが大勢を占める。
退任執政からなる中央統治評議会の諮問機関で、国政全般について必要な助言を与える。通称元勲院。官選院議員の選出にあたって主導的な立場にあり、また政財界に対しても強大な影響力を持つ。
外交部は「人類系国家との協調」「ヴァレフォール諸族との対話・融和の促進」を当面の外交方針として掲げているが、内実は非人類種国家を潜在的脅威と捉える面も少なくない。これは人類接触戦争時に醸成された、未知の非人類種への軽蔑や反感といった国民感情が後押ししている事もあるが、もう一つの理由として、隣接するニモーディアが立ち上げた、独立惑星通商連合の国際的影響力の拡大が挙げられるだろう。これに対しては、同様の理由によって非人類種のインセクト・ネストの台頭から、安全保障体制の構築を急務としていたイヅモ皇国と同盟関係を締結することによって外患を排除した。しかしながら、これらの諸政策は従来から掲げてきたマクレイン主義(後述)と衝突する面も多く、現在のところ、外交姿勢は消極的なものに終始している。
主要産業は、下記の通り農業・林業・鉱業と言う第一次産業に属する分野である。
テラフォーミングによって獲得した穏やかな気候と豊饒な自然を生かした国家的生業の一つとして、林業が挙げられる。中央統治評議会は国営林野事業育成大綱を策定し、発足間もない時期から商業用闊葉樹の植林に本格的に着手していた。最近になって第一次植林分から順次伐採を開始しており、可及的速やかな時期に商業ベースに移行したいとしている。
ウィンネル湖畔の商業都市イーストポイントとエルメシア炭田とを結ぶ通路となった中央リグリー回廊に位置し、かつては旧カルセオラリア共和国領内の要衝として栄華を極めた。現在はリグリー星域国家共同体の本部が設置された事によりカルセオラリア州自治政府の統治下から離れ、中央統治評議会の直轄都市となっている。ウィンネル湖に注ぐソチャナ川がコルトリオールを二分する形で流れており、その西岸に中央官庁並びに一連の都市機能が集中しているが、人口・経済規模共に最大都市イーストポイントには遠く及ばない。その他に特筆すべきなのは、人工知能を備えたコンピュータシステムが市政の一翼を担っている事で、施策の最終的な意思決定は彼らによって下される。これは直轄都市としてのコルトリオールが政治的均衡を保つ措置として、最も有効で且つ理想的な手段であると考えられている。従って、コルトリオールの市政当局や議会は、今では単なる“自治の象徴”と見なされているのが実情である。
コルトリオール近郊に位置する基幹港で、地方港からの路線が集約している他、衛星に向かう定期便の起点ともなっている。このほどイヅモ皇国と同盟関係が締結され、同時に人的往来も解禁された為、同国への国際便が就航。コルトリオール中央港からコルトリオール中央国際港へと改組された。
リグリー南西部地方を領有していた旧フォルグナー南西部圏都市国家連合で、三大湖南部とスルム山脈北部までの地域である。
リグリー南東部地方を領有していた旧カルセオラリア共和国。カルセオラリア湿地帯に代表される美しい湖沼地帯が広がっている。
リグリー北部地方を領有していた旧オスティア共和国。温暖湿潤な気候を保つリグリー星にあって、この地は例外的に亜寒帯湿潤気候に近く、夏季に比較的高温となる南部では、小麦やトウモロコシなどの穀物栽培の他に酪農や放牧も盛んである。オスティア南部穀倉地帯はリグリー最大の穀倉地帯として、イーストポイントやコルトリオール、ラインハートなどの大消費地にとって重要な食糧供給源となっている。
リグリー星の周りを公転する衛星の一つ。嘗てはリグリー星と同様、一面に荒涼とした大地が広がる不毛の地であったが、テラフォーミングの試みが奏功して、今では美しい森林と広大な湖沼を得ており、宇宙空間での国防を担う戦略宇宙国防軍が根拠地を置く地でもある。
第一衛星“ダイダロス”の経済・物量の拠点。戦略宇宙国防軍が採用する宇宙空間機動多足歩行型マニピュレーターや軍用パワードスーツを製造するノースリグリーC.O社の生産ラインが置かれている他、それに付随する形で、これら宇宙空間用兵器の研究機関や工科大学が立ち並んでおり、学術都市としての側面も色濃い。
リグリー星の周りを公転する衛星の一つ。この星もまた不毛の地であり、テラフォーミングが検討されていたが、“人類接触戦争”に於いてこの地が非人類種との主戦場になったことや、戦争終結後の深刻な財政難の煽りを受けて立ち消えになった経緯がある。従って、この地は依然として過酷な気候下にある未開の辺境であって、軍事的要衝としての価値を見出した戦略宇宙国防軍部隊が駐屯する程度である。現在のところ、中央統治評議会内に“アトラス”のテラフォーミングを計画する動きは見られない。
地球上にかつて存在した人種、特にコーカソイド系の特徴を強く受け継いだ正統且つ真正の人類のみが居住している。入植当初、リグリー星の過酷な気候条件に適応する為に多くの住民が取り入れた、脳や中枢神経を除く諸器官のサイボーグ化が、温暖湿潤な気候へと変貌した今でも盛んに行われている。また、高度なバイオネットワーク技術を駆使した脳のインタフェース化手術も一般化している。
リグリー星域共同体としてリグリー3国が漸進的な統合を果たす以前に、各国が独自に擁していた部隊と装備をそのまま引き継ぐ形で、リグリー国防軍が発足した。リグリー星の地上防衛と騒擾鎮圧などを担う陸上国防軍、大気圏内の防空を担う航空国防軍、大気圏外の宇宙空間で行動する宇宙国防軍の3常備軍と、戦時に限って民間の成人男性から組織する非常備軍の国民義勇兵防備隊からなる。
装甲服と赤外線暗視装置、ガスマスク、重機関銃などで武装した強化突撃歩兵や、連装電磁投射砲を装備した多脚戦車などが主力。また、人工知能搭載兵器の研究も進められており、自走対空システムが首都近郊に配置され、試験的な運用下にある。
我が国の防空体制は、宇宙国防軍による大気圏外での迎撃と、航空国防軍による大気圏内での迎撃で成立しているが、航空国防軍は、財政難やその他諸々の事情から、中間圏までの運用が可能で、熱光学迷彩を施した有人迎撃戦闘機数十機を擁するに留まっている。
第一衛星ダイダロスと第二衛星アトラスに駐屯している。その昔、リグリー星への衝突が危惧されていた小惑星郡セイレーンを攻撃する為、第一衛星に建設された長距離誘導弾発射施設とハイブリット式地対空電磁投射砲が虎の子の対宇宙用兵器として転用され、人類接触戦争時に使用された経緯がある。
また、強化外骨格(軍用パワードスーツ)を装備した敵地強襲用の歩兵部隊の他に、宇宙空間機動多足歩行型マニピュレーターが宇宙空間に於ける戦闘の主力兵器として維持されている。有り体に言えば、有人の二足歩行型ロボットで、リグリー星域での輸送任務を任されている戦術輸送艦或いは惑星間輸送任務用の戦略輸送艦に格納され、局地戦でその真価を発揮すると言われている。因みにこれらの戦略/戦術輸送艦は我が軍が保有する唯一の艦隊兵力である。しかしながら、これらの艦艇は旧来の推進機関である原子力に依存している他、敵地攻撃能力を有する艦隊兵力も一切保有しておらず、機動部隊を中心にした新たな打撃艦隊を編成する必要性が高くなっている。
中央統治評議会の決議によって、戦時に限り満20歳以上の成人男性で組織する非常備の軍事組織。常備軍への後方支援や都市部での治安維持活動などを主要な任務とする。
中央統治評議会公安部指揮下の武装組織で、政治警察である公安部の実力部隊であると同時に、中央統治評議会・中央議会の警備と、執政ら主要閣僚の警護についても権限が与えられている。もっとも、旧リグリー3国間の旧態依然とした対立構造が未だに根強い現状、その可能性が排除しきれない国防軍(前述した様に、国防軍は旧リグリー3国の軍隊で構成されている)の分裂或いは叛乱等と言った危機から、最高指導部たる中央統治評議会を守り抜く、彼らの私兵集団としての性格が色濃い様だ。