昇らない月

触れ合う手でただ 答えをあわせる
誰もが抱いた ささやかな願い
涸れることのない会話を溶かして
時間を飲み干す セピア色に変えていく


開かれた口が残酷に告げる
願いは剥がれて 粉々に朽ちる
交わした言葉の切れ端をなぞり
明日を想った 今に消えるのに

白い布地 赤く絵を描いて弱く笑う
冷たい手は
足音を立てる終わりを知っている

あなたに贈る花束のように
想いを統べて
世界を塗り潰す
赤い花びら 窓辺に揺れて
痛みがそっとこの身を渡る


触れ合う手でただ 答えをあわせた
誰もが抱いた ささやかな願い
涸れることのない会話を溶かして
時間を飲み干し セピアに変わった

叶えられることのないいくつもの約束と
予め全て決められていた命に縋って

いたずらに穿った その眼を閉じている
全てわかるから この口も噤む



色の無い街 真空の庭
呼吸をやめて見下ろしたら
微かな熱の残りを抱いて
今あなたに 会いに行くよ

あなたに贈る花束のように
想いを統べて
世界を塗り潰す
赤い花びら そっと放って
痛みで きっとこの身を包むように

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最終更新:2016年03月28日 11:01
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