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[[ショック・アンド・オー]]を自分なりに書き足させていただきました。 戦闘が終わって、私は宿営地に帰ってきた。 今日はT-72を8両ほど撃破した。 あまり調子はよくなかった。 私のエイブラムスの乗員たちは、疲れを知らずに他の部隊の人間たちと踊っている。 私は踊るよりも食事がしたい。 だが、ここに満足な食事はない。 M1の装甲の上で仮眠を取るほうが、体を休めることができていい。 夜の砂漠の風は冷たい。 私は目を閉じて眠った。 「雪華綺晶中尉、ちょっといいか」 寝入りばなを起こされた。 同じ部隊のウィルソン少佐だった。 「起こしてすまない。日本から君に電話だ」 「日本から? 一体誰が……」 「妹さんだ」 私は飛び起き、M1から飛び降り、通信隊のテントへ飛び込んだ。 「つながってるよ」 通信兵から受話器を受け取った。 「薔薇水晶!」 『お姉ちゃん! やっぱり、生きてた!』 何年ぶりに聞いた声だろう。 『色んな人に頼んでお姉ちゃんの居場所探してもらったんだよ! お姉ちゃん自衛隊だったから、防衛庁の情報本部とか、繋がりあるかと思って警視庁の公安部とか…… それからそれから、アメリカのNSAとか、CIAとか…… イギリスのMI6とか…… それからそれから、ロシアのKGBとかGRUとか…… うーんと、イスラエルのモサドとか…… それからそれから、とにかく色んな人に探してもらったんだよ!』 「そう、心配してくれてたのね……」 『それで、NSAの人がお姉ちゃんの居場所を偵察衛星で見つけたって! 私、在日米軍の司令部から電話かけてる!』 「うん、私は元気、元気よ!」 とても嬉しかった。 『うわぁぁん!』 受話器の向こうで泣き叫んでいた。 『お姉ちゃん、何も言わないで何で行っちゃったの?!』 おとなしい、あの妹が叫んでいた。 私は何も言うことができなかった。 『ひっぐ…… ごめんね、いきなり泣いちゃったりして……』 「謝るのは私よ」 大事な妹を置き去りにして、戦争に明け暮れていた。 ―私は最悪の姉だ。 『また、お姉ちゃんに会いたい』 「ごめんね…… 本当にごめんね……」 『お姉ちゃん、早く帰ってきて』 「絶対に、生きて日本に帰るからね」 私はそこで受話器を置いた。 頬を涙を伝った。 ----- 湾岸戦争が終結し、私はアメリカへ戻った。 そして、すぐに除隊届けを出した。 宿舎の荷物もろくに持たず、私は空港に向かった。 しかし、悪天候で飛行機は飛ばなかった。 空軍の友達から、日本行きの輸送機が出発するとの情報を聞いた。 私はその基地に向かい、事情を説明し、その輸送機に乗ることができた。 アメリカから日本への機内、ずっと妹のことを考えていた。 そして、日本の空に入ると、私は携帯で電話をかけた。 「薔薇水晶! 薔薇水晶!」 『お姉ちゃん! 携帯でかけてるってことは、もう日本なのね!』 「そうよ、よく聞いて! 有栖学園のグラウンドで待ってて!」 『うん、わかった!』 早く妹に会いたい。 「パイロット! 有栖学園の場所はわかるか?」 「あぁ、あの美人先生が多い学校だね。どうしたんだい?」 「その真上を飛んでほしい。エアボーンする」 「飛ぶのは可能だが、あんた戦車兵だろ?!」 「やるんだ!」 「わかったよ! 針路2-6-5、1000フィート!」 早く妹に会いたい。 しばらくして、有栖学園の上空に到達した。 パラシュートをつけると、後部扉が開かれた。 自分の行いを後悔した。 足がすくんだ。 "今まで戦を生き抜いてきたじゃないか、こんなものスポーツだと思えばいい" 自分に言い聞かせた。 自分の生まれ故郷をこんな高いところから見たことはなかった。 そして、有栖学園が真下に見えた。 「グリーンライト! 雪華綺晶、行ってこい!」 空へ飛び出した。 そしてまた後悔した。 地上がどんどん迫ってくる。 開傘の紐を引いた。 無事にパラシュートは開いた。 風に煽られながら、有栖学園のグラウンドを目指した。 そして、グラウンドに人が見えた。 「薔薇水晶!」 手を振っているのが見えた。 300メートル…… 200メートル…… 100メートル…… スピードブレーキをかけ速度を緩め、着地! 「ああっ!」 荒っぽい着地で、大きく転んだ。 「お姉ちゃん! 大丈夫?」 薔薇水晶が駆け寄ってきた。 「いてて…… 平気、鍛えてるからね……」 顔をあげると、目の前には薔薇水晶の顔があった。 感動の再会という奴だろうか。 「お姉ちゃん! よかった! 帰ってきて!」 「普通に羽田に行こうと思ったんだけど、天気が悪くて…… 待ちきれずにパラシュートで来ちゃった……」 雪華綺晶はパラシュートをおろすと、立ち上がった。 そして、薔薇水晶と向き合った。 「お姉ちゃん、おかえり」 「ただいま」 二人は抱き合って、お互いの再会を喜び合った。 「その服は思い出として、何か新しい服を買おうよ」 自分が着ているのが空挺降下用の戦闘服だということに気づいた。 「うん、そうね。案内してよ」 手を繋いで、二人はグラウンドを後にした。 近くの衣料品店で、戦闘服を着てうろついてる人間が居ると、自衛隊の駐屯地に苦情がきたとかきてないとか。
[[ショック・アンド・オー]]を自分なりに書き足させていただきました。 戦闘が終わって、私は宿営地に帰ってきた。 今日はT-72を8両ほど撃破した。 あまり調子はよくなかった。 私のエイブラムスの乗員たちは、疲れを知らずに他の部隊の人間たちと踊っている。 私は踊るよりも食事がしたい。 だが、ここに満足な食事はない。 M1の装甲の上で仮眠を取るほうが、体を休めることができていい。 夜の砂漠の風は冷たい。 私は目を閉じて眠った。 「雪華綺晶中尉、ちょっといいか」 寝入りばなを起こされた。 同じ部隊のウィルソン少佐だった。 「起こしてすまない。日本から君に電話だ」 「日本から? 一体誰が……」 「妹さんだ」 私は飛び起き、M1から飛び降り、通信隊のテントへ飛び込んだ。 「つながってるよ」 通信兵から受話器を受け取った。 「薔薇水晶!」 『お姉ちゃん! やっぱり、生きてた!』 何年ぶりに聞いた声だろう。 『色んな人に頼んでお姉ちゃんの居場所探してもらったんだよ! お姉ちゃん自衛隊だったから、防衛庁の情報本部とか、繋がりあるかと思って警視庁の公安部とか…… それからそれから、アメリカのNSAとか、CIAとか…… イギリスのMI6とか…… それからそれから、ロシアのKGBとかGRUとか…… うーんと、イスラエルのモサドとか…… それからそれから、とにかく色んな人に探してもらったんだよ!』 「そう、心配してくれてたのね……」 『それで、NSAの人がお姉ちゃんの居場所を偵察衛星で見つけたって! 私、在日米軍の司令部から電話かけてる!』 「うん、私は元気、元気よ!」 とても嬉しかった。 『うわぁぁん!』 受話器の向こうで泣き叫んでいた。 『お姉ちゃん、何も言わないで何で行っちゃったの?!』 おとなしい、あの妹が叫んでいた。 私は何も言うことができなかった。 『ひっぐ…… ごめんね、いきなり泣いちゃったりして……』 「謝るのは私よ」 大事な妹を置き去りにして、戦争に明け暮れていた。 ―私は最悪の姉だ。 『また、お姉ちゃんに会いたい』 「ごめんね…… 本当にごめんね……」 『お姉ちゃん、早く帰ってきて』 「絶対に、生きて日本に帰るからね」 私はそこで受話器を置いた。 頬を涙を伝った。 ----- 湾岸戦争が終結し、私はアメリカへ戻った。 そして、すぐに除隊届けを出した。 宿舎の荷物もろくに持たず、私は空港に向かった。 しかし、悪天候で飛行機は飛ばなかった。 空軍の友達から、日本行きの輸送機が出発するとの情報を聞いた。 私はその基地に向かい、事情を説明し、その輸送機に乗ることができた。 アメリカから日本への機内、ずっと妹のことを考えていた。 そして、日本の空に入ると、私は携帯で電話をかけた。 「薔薇水晶! 薔薇水晶!」 『お姉ちゃん! 携帯でかけてるってことは、もう日本なのね!』 「そうよ、よく聞いて! 有栖学園のグラウンドで待ってて!」 『うん、わかった!』 早く妹に会いたい。 「パイロット! 有栖学園の場所はわかるか?」 「あぁ、あの美人先生が多い学校だね。どうしたんだい?」 「その真上を飛んでほしい。エアボーンする」 「飛ぶのは可能だが、あんた戦車兵だろ?!」 「やるんだ!」 「わかったよ! 針路2-6-5、1000フィート!」 早く妹に会いたい。 しばらくして、有栖学園の上空に到達した。 パラシュートをつけると、後部扉が開かれた。 自分の行いを後悔した。 足がすくんだ。 "今まで戦を生き抜いてきたじゃないか、こんなものスポーツだと思えばいい" 自分に言い聞かせた。 自分の生まれ故郷をこんな高いところから見たことはなかった。 そして、有栖学園が真下に見えた。 「グリーンライト! 雪華綺晶、行ってこい!」 空へ飛び出した。 そしてまた後悔した。 地上がどんどん迫ってくる。 開傘の紐を引いた。 無事にパラシュートは開いた。 風に煽られながら、有栖学園のグラウンドを目指した。 そして、グラウンドに人が見えた。 「薔薇水晶!」 手を振っているのが見えた。 300メートル…… 200メートル…… 100メートル…… スピードブレーキをかけ速度を緩め、着地! 「ああっ!」 荒っぽい着地で、大きく転んだ。 「お姉ちゃん! 大丈夫?」 薔薇水晶が駆け寄ってきた。 「いてて…… 平気、鍛えてるからね……」 顔をあげると、目の前には薔薇水晶の顔があった。 感動の再会という奴だろうか。 「お姉ちゃん! よかった! 帰ってきて!」 「普通に羽田に行こうと思ったんだけど、天気が悪くて…… 待ちきれずにパラシュートで来ちゃった……」 雪華綺晶はパラシュートをおろすと、立ち上がった。 そして、薔薇水晶と向き合った。 「お姉ちゃん、おかえり」 「ただいま」 二人は抱き合って、お互いの再会を喜び合った。 「その服は思い出として、何か新しい服を買おうよ」 自分が着ているのが空挺降下用の戦闘服だということに気づいた。 「うん、そうね。案内してよ」 手を繋いで、二人はグラウンドを後にした。 近くの衣料品店で、戦闘服を着てうろついてる人間が居ると、自衛隊の駐屯地に苦情がきたとかきてないとか。

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