アットウィキロゴ
 

あらすじ


1945年 戦艦村雨 沈没。
極秘裏に作られ、人知れず沈んだこの戦艦が公史に残ることはなく
60年の時を経て人々に忘れられ、戦艦村雨は幻想入りした。
船とともに沈んだ、キャプテン「ムラサメ」の魂を乗せて・・・

幻想郷には存在しない、戦艦に興味津津のにとり。
船幽霊同士、惹かれあうムラサとムラサメ。
その中でムラサメは、幻想郷に海は存在せず、かつムラサは海を見たことがない、という事実を知る
ムラサに、美しい日本の海を見せてやりたい。
そう願ったムラサメは、ムラサを連れ、結界を抜け出すことに。
試行錯誤の末、なんとか結界を抜け出すことに成功し、海へ向かう一同。
しかし、そこにあったのは・・・
イケメンリア充達によって汚染された、灰色の大洋であった・・・。


登場人物



キャプテン・ムラサメ

我らがキャプテン。
誰よりも情に熱く、自然を愛する漢。絶滅し幻想入りした日本男児。
イケメンリア充によって汚された海にショックを受け、舵を取られなくなったムラサの代わりにキャプテンを務める。

ムラサ

ヒロインの船幽霊。
かつて戦艦ムラサの船長を務めていたが、地球の汚れた海に絶望し、海を渡る楽しさを忘れてしまった。
幻想入りした日本男児「ムラサメ」にキャプテンの座を譲り、現在白玉楼のお世話になっている。

本編

騒がしいエンジン音。
機関室の蒸気管で埋め尽くされた鉄の森に人影ひとつ。
軍艦の船長になる夢を追い続けたムラサメ今は技師として軍艦に搭乗している
緩みかけているナットを締めなおす。締めなおす際のナットの滑らかに滑る音が耳に入る・・・他の音は聞こえない。むしろ聴く気がまったく無いといったほうが正しいであろう。
・・・ここでの全ての作業は終わり、彼にとっての鉄の森の静けさに戻る・・・その中に身を置きふと考える・・・
‘‘このままでいいのだろうか''
と
全ての音が消える。消えたというと語弊がある。‘‘元々''無かった。そう、そんなものは無かった。ここには
虫を追い払うがごとく、過去の幻影をかき消して、この今ある、静けさに身を置いただけ・・・
久々に感じたのにな・・・夢もかなったかもしれないのに・・・
・・・
そろそろ起きるころか・・・
ムラサメは機関室を出る、廊下は必要最低限の明かりしかない、壁と冷え切った暗黒がぼんやり遠くに顔をのぞかせる・・・ここも当然無音だ。
軍艦らしい見た目に反して、船独特のゆれとエンジンの振動とが合わさったなんともいえない不安定感が無く、軍艦らしさが無い。
部屋の扉に手をかける。
これじゃあ牢獄と同じだな・・・自ら牢獄に入る俺も俺だがな。
ほんの一瞬、苦笑しつつムラサメは自分の部屋に入る
入ってすぐ左手側にサッシの机が壁から突き出ている、まだ新しく、少し光を反射する。その上にある棚もまだ何も入っていない、地図すらない。
奥にはアルミの簡素なベッド、寝ごこちなんかは硬くて最悪だ。
「起きているか?」
「メンテしたから俺は一回寝るからな。」
ムラサメは誰と無しに話す。もちろんここには人はいない。
「メンテって・・・」
通信管から声が聞こえる、ここには似つかない幼い、女の子の声。
「機関室に入った。」
「えっち!夜這いだなんて・・・。私、お嫁に行けないわ・・・しくしく。」
船に嫁の貰い手なんかあるわけ無いだろう・・・まったく・・・

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2009年12月25日 05:56